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落語家の音楽遍歴〜立川吉笑の場合〜#1

非ミュージシャンの音楽遍歴研究マガジン、第一回目のゲストは、新世代の落語家として話題沸騰の立川吉笑さんをお迎えし、自身の音楽遍歴について語っていただきました。スペシャカレッジ通信 串田

〜小学生&中学生編〜

串田

初めて買ったCDってなんなんですか?

吉笑

ZARDの「負けないで」
まだ僕の音楽はまだ始まってないんで。
初期衝動とかも何にもない時ですが、
1000円握りしめて、
近所のCD屋さんに行った。
ZARDの「負けないで」を買いにいくために。

串田

一本釣りですか?

吉笑

小学校高学年くらいになってきたら、
クラスで音楽の話題とかが出てくるから、
レンタル屋さんに行って売れてるやつを借りて、
みたいなのをやってましたね、
中学2年生くらいまでは。
globeとかTRFとか小室ファミリーを中心に。

串田

その時はまだ笑いには目覚めてないんですか?

吉笑

その時はまだ何も目指してないですね。
ただ真面目な生徒です。
生徒会長で。
勉強だけができる生徒でしたね、
中2くらいまでは。
めっちゃべただけど、
中学3年生の時に音楽に出会って勉強がおろそかになっていって、
人と違う生き方を!
みたいな(笑)

串田

(笑)

吉笑

その影響を受けたバンドっていうのが、
THE BLUE HEARTS

串田

おー!

吉笑

THE BLUE HEARTSの影響で
世の中を楽しもうっていう感じになった。
ちょうど、
中2か中3の時に
KBS京都で「TKOのおきて」っていう番組がやってて、
それが好きでずっと見てて、
その中の企画で、
番組内でバンドを組もうって感じになってて、
そのバンドの最初のカバー曲が「キスしてほしい」。
それ聞いていい曲だなって思ったのが、
THE BLUE HEARTSとの出会い。

串田

じゃあTHE BLUE HERTSで人生変わった感じですね。

吉笑

そうです。
それで同時期に、
ゆずが売れてきてて、
中2くらいでこっちもモテたいって感情が出てきて、
ギターを買ったのがその時ですね。
ゆず経由だから、
とりあえずアコギを買って、
ハーモニカ買って、
弾き語って文化祭でやれたらいいなみたいなベクトルで。

串田

やっぱギター買うんですね。

吉笑

あと、
中3の時に、
おれ野球部だったんだけど、
監督が昔、
音楽をやってたみたいで、
その人が夏休みの時に音楽室でドラム叩いてて、
初めて生の音楽に触れて、
うわー!みたいなところから、
音楽やりたい!
みたいなのがブーストされてきた感じかな。

串田

吉笑さんの友達グループには、
音楽を掘っていくみたいな文化はあったんですか?

吉笑

おれは結構真面目で、
グループ的には2軍みたいな位置だったから、
人気者は文化祭でライブとかはあったけど、
おれはそれを離れて見てるみたいな。
みんなからしたら、
ただ真面目なやつだから、
まさかそんなところに興味があるとは
バレてないような感じで。

串田

あっ、
THE BLUE HEARTS好きとかも言ってない?

吉笑

言ってない。
ギター買ったのとかも言ってないし。
俺の予定では、
中3の時に一気に大外まくって、
1軍に行くっていう予定だったけど、
内なる趣味で終わった。
で、

多分中3の時にDragon Ashが売れてきてて、
ようやくリアルタイムでDragon Ashってのを知って。
それこそ「Grateful Days」はやっぱ覚えてる。
ラップの部分を家で覚えて、
ちょっとこうなんか言ってみたりとか。

串田

でも、
Dragon Ashって、わりと1軍の人が好きな音楽じゃないっすか?

吉笑

そうそうそう!
1軍のやつらが「YO!おれは東京育ち」みたいなのをやってるのを聞いて、かっこいいなと思って、
調べたのがDragon Ash。

串田

なるほど。
自分は生徒会長は真面目にしてるけど、
わりとアウトローな道に興味があって、
そういったきっかけとなった音楽が、
THE BLUE HEARTSとDragon Ash。

吉笑

まさにそこ!
葛藤というか。
それが高校に近づくに従って、
一気に高校デビューを計るところに繋がっていくんだけど。
中3の時は、
真面目な自分とTHE BLUE HEARTS的な自分があって。

串田

「真面目な自分」と「THE BLUE HEARTS的な自分」(笑)

吉笑

であと、
意味わからない行動で、
THE BLUE HEARTS と Dragon Ashが好きになって、
ちょっと音楽に興味出てきてて、
別のところを知りたいなってなって、
その時雑誌とかあるのとかも知らないなかで、
ジャケ買いで、
RUDE BORNSっていうスカのバンドをジャケ買いして、
その時はささらなかったんですけど、
もう一つがFishmans

串田

おーよくその2枚をジャケ買いしましたね。

吉笑

ただ、
何にもささらず。
全然好きになれなくて、
でもジャケットがお洒落だから
ずっとCDのラックにあって。
10年後くらいに良さに気づくんだけど。

串田

じゃあ、
結構中3には自分探しの芽は出てきたんですね。
行動には至ってないけど、
自分の中ではジャケ買いしてみたりとか。

吉笑

でも一個あったのは、
中3の文化祭の時に1軍の人3人に誘われて、
SOPHIAのカバー曲をやらないかみたいなのがあって。
スタジオも一回入って、
さーいざ!って時に、
生徒会があって先生方に監視されてたみたいで、
「きな臭い動きを水面下でやってるぞ、あいつ!」みたいな。
先生から見たら、
1軍のやつらが悪い道に引きづり込もうとしてる
みたいな結論になって。
結局やりそびれた。

串田

それは、残念!

吉笑

そう、
1軍になりそびれた。
そのまま卒業して。

串田

なるほど。
それで悶々としたまま卒業したと(笑)
じゃあ最後に、
中学時代を一言で名付けるとしたら?

吉笑

「甲本ヒロト」期。

串田

(笑)

#2に続きます。

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