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落語家の音楽遍歴〜立川吉笑の場合〜#3

非ミュージシャンの音楽遍歴研究マガジン、第一回目のゲストは、新世代の落語家として話題沸騰の立川吉笑さんをお迎えし、自身の音楽遍歴について語っていただきました。スペシャカレッジ通信 串田

落語家の音楽遍歴〜立川吉笑の場合〜#1(小学校&中学校編)はこちら
落語家の音楽遍歴〜立川吉笑の場合〜#2(高校&大学編)はこちら

〜上京後&最近編〜

串田

上京時は何聞いてたんですか?

吉笑

峯田和伸
ブログとかも相当チェックしてて。
峯田さんのライブを見て、
ステージングでそこまで行けるんだーっていうのは、
落語にも影響受けてる。
東京出てきたときは、
峯田さんがブログに書いてた、
中野とか高円寺のスポットに行ったりとか。
峯田さんとはつながるきっかけがあって、
東京ってやばいなーって事件もあったけど、
それはブログに書いてあるので、
そっちを見ていただければ。


串田

はいはい。

吉笑

その時代には、くるりとかZAZEN BOYSも好きになってて。
というのは、
アルバムごとに内容変わるのがすごいなっていうのがあって、
最初違和感だったけど、
お笑いをやり始めて、
違うものを出すすごさっていうのがわかってきたからだと思うけど、
こんだけ違うことできるんはすごいなと。

串田

なるほど、
そっからはどこの音楽でも好きになれそうですね。

吉笑

そっからは、
RADWIMPSかな。
アルバムの4枚目「おかずのごはん
ってのを聞いて、がつんときた。
歌詞がすごくて、
自分のネタの作り方と似てて、
絶対この人ネタをかける人だと思って、
そういうところから好きになった。
RADWIMPSを聞いて、
トラックを聞いて楽しむっていうのがわかった。
それまではインストとか考えられなかったけど、
ポストロックにもその先たどり着いたし。

串田

RADWIMPSからポストロックにつながるんですね。
ポストロックって何から聞いたんですか?

吉笑

やっぱりtoe
toeから入って、。
特に好きだったのはSigur RósKYTE
その後、
collections of colonies of bees
これは唯一俺が掘り当てたバンド。
この頃になったら、
Fishmansとかもすげーわかる感じになってきて。

串田

これはもう最近の話?

吉笑

そうもう3年前とか。
落語家になる1年前に
METAMORPHOSEに行って。
そこで、The Album Leaf を好きになった。

串田

おー。

吉笑

METAMORPHOSEに行って落語家になった(笑)

串田

そこがつながってるのは立川吉笑さんだけでしょうね(笑)
落語家になってからは?

吉笑

落語家独自で行ったら、
歌舞音楽っていう課題があって、
都々逸(どどいつ)とか小唄端唄(こうたはうた)っていうのがあるけど
昔の歌を素養として知らなくちゃいけなくて、
うちの立川流っていうのはそれを大事にする一門で。
勉強するつもりで色々聞いてたら、
やっぱいいのはよくて。
例えば、東京節っていう曲があって、
それをZAZEN BOYSの向井さんが好きで
そこでつながってるなってのがあって。

串田

おーそれはうれしいっすね。

吉笑

それが、
今の俺の出囃子。

串田

おー。
かっこいい!

吉笑

あとは、
三味線を練習するようになって、
その時に西洋音楽だけが、
音楽じゃないんだなってのがわかった。
最初音楽の知識があったから、
これ何拍子かな?ってやってて、
何かカウントがずれると、これはポリリズムだな!
とか思ってたけどそうじゃなくて、
単純に一拍の長さが一定じゃないっていう。

串田

おー、
今までの音楽遍歴の積み重ねが効いてる感じしますね。

吉笑

そこらへんからは、
日本語のラップが好きになってきて。
口口口と出会ってやばいなってなった。
体験としてやばいなと。
その流れで、
ポエトリーリーディングと出会って、
これはもう落語だ!と思って。
落語って江戸時代とかで始まった時代は、
サンプラーとかないから、
伝えたい人が口だけで伝えるってなったけど、
今だったらサンプラーとか使うだろうし、
「これ、落語の現在系じゃん!」って思って。
この辺に問題意識でてきて。
そういう意味では、
七尾旅人さんのライブ行ったら、
一人で空間の作り方とかえげつなくて、
現状これは勝てないなと。
なんか追いつけるような情報量の詰め込み方を
落語でもしなけりゃなと。

串田

それが
古典的な落語に対しての新しい形を
模索して行くところにつながるんですか?

吉笑

特に自分は、
落語の新しいところを拡張していってる感じというか。
最近、How to count one to tenっていう
日本のポストロックバンドのアルバムに落語を入れてみたりとか。
それはいい経験でした。

串田

なるほど。
面白いですね!
では、最後に今はまってる音楽は?

吉笑

cero
最近、高円寺に住んでて、
ceroの高城さんがやってる、
RojiっていうBARに行ってみたら、
普通に高城さんが働いてて。
そういう感じはいいなと。
あーいう肩肘張らずに、
でもちゃんといいことやっていくっていうスタイルは、
自分の落語家としての生き方としても参考になる。
地に足つけて、
生きながら創作して行くっていう象徴が、
cero。
で、最近顔も思えてもらってうれしいっていう(笑)

串田

(笑)

吉笑

中学からのコンプレックスを克服して、
ようやく1軍に行けたんじゃないかって。

串田

やっと、
中学からのコンプレックスが!

吉笑

長かったー(笑)

串田

でも、
そこが1軍なのかは、
謎ですけどね(笑)

今回のインタビューはこれで終わりです。
立川吉笑さん、ありがとうございました!!

様々なイベントが控えている、
立川吉笑さんのHPはこちら。

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