見出し画像

バンドのやりかた「SANABAGUNの場合#1」

バンド研究部、第四弾はSANABAGUNをお迎えし、インタビューさせていただきました。  スペシャカレッジ通信 串田


左から小杉隼太 高岩遼 岩間俊樹

串田

はじめまして。
皆さん何か呼ばれ方ってあったりするんですか?

高岩

いや、特に無いですけど、
全員下の名前で呼んでて。
なんで串田さんの下の名前教えてもらっていいっすか?

串田

いや、それはちょっと呼び慣れてないんで、
普通に名字でお願いします(笑)

高岩

了解!

串田

まず、SANABAGUNって全員で何人いるんですか?

高岩

10人のクルー+1人(マネージャー)っすね。
ラッパーなんすよ、彼(マネージャー)も。
MC手洗って言って、シンガー名義は土佐冠君って言うんですよ。
今後フィーチャリングして行くんで。

マネージャー

(笑)
なんか変な感じで伝わってるような。

岩間

一緒にやって行こうって言ったじゃないっすか!

マネージャー

いやー(笑)
まーいいっか。

串田

了解です。
では、SANABAGUNのバンドの始まりについて教えてもらっていいですか?

高岩

それは多分、俺が大学2年くらいの時くらいの話に戻るんすけど、
俺、本業がジャズのボーカルやってて。
でもヒップホップも好きだったんで、ヒップホップやろうと思ってバンド組んだんですよ。
でも、その時はソロ名義だったすね。

小杉

高岩遼ジャズヒップホップ…いや、違うか、
高岩遼ジャズサイド…?

高岩

ちゃんと覚えろよ。
高岩遼ヒップホップサイドっていう名前で、
椎名純平
さんのオープニングアクトやったんです。
そん時にこの2人はいなくて、
ドラムのイッペイ、トランペットのヒロカズ、あと今日欠席のタイガがいたんですよ。
でそん時に、「ラッパーが必要だな」とか「いけてるベースが必要だな」とか思って集まったのがSANABAGUNですね。

串田

そもそもジャズやヒップホップはやってたんですか?

高岩

僕は昔からピアノやってて、
親の影響で小学校低学年からブラックミュージックに普通に触れてたんですよね。
格好つけてるわけじゃなくて。
片親で、なんか寂しかった気持ちとかが、
レイチャールズの声だったりそういう所にはまったんですよね。
中学に入ってからは、SOULとかR&Bとか聞いてて、
それこそBMRとかはめっちゃ集めてて…。

串田

おーどっぷりっすね。

高岩

あと高校の時にヒップホップにはまる一方で、
俺自分のことを黒人だと思ってたんですよ。
マジで。

串田

精神的に?

高岩

おれ黒人なんじゃねーか?って思ってて。
黒人主義だったんですよ。
ニガしか絶対認めねーみたいな。
周りはアジカンだ、銀杏BOYZだって盛り上がってるじゃないっすか。
そういうのがうざくて喧嘩になったりして。
「黒人だろ馬鹿野郎!」
「何が黒人なんだよ!」
とか言い合いしたりとか。

串田

やべー喧嘩だな(笑)

高岩

そんな感じで。
その後、フランクシナトラの歌を聞いたときに、
彼白人じゃないですか?
黒人ではないのになんでこんなに歌がうまいのかなって思って、
そこからジャズを掘り下げていったんですよね。

串田

なるほど。
岩間さんや小杉さんも、
もともとブラックミュージックには興味あったんですか?

小杉

俺はもうジャズやってましたからね。
学校にジャズ科みたいなのがあって。

串田

バークリー音楽学院的な?

小杉

あーそうっすね。
まさにバークリーと提携してる学校で。
もう本当に大学1年生の時からビッグバンドとかやってて、
音大行って普通にジャズ学んでましたね。
俺はそんなに黒人崇拝してないですけど(笑)

串田

なるほど。
岩間さんは?

岩間

地元に米軍基地があって、
身近に常にヒップホップがあったんですよね。
なんで中学校くらいからクラブ遊びしてました。
兄がDJやってたんで、そこの影響も大きいですね。

串田

それぞれ、組んだきっかけでブラックミュージックをやり出したんではなくて、
みんなブラックミュージックにルーツがあって自然に集まったって感じなんですね。
どうやって集まったんですか?

高岩

だいたいミュージシャン仲間でつながっていった感じですね。
例えばハヤタを呼んだ時も、
ハヤタではないベーシストの時に「あいつちょっとだめだよね」「まーニルバーナが好きだもんなーあいつ」とか言ってて、「誰かいい人いねーの?」みたいな感じで…。

串田

いいじゃん、ニルバーナ。

高岩

(笑)
まー、その時に「ちょっとルーズなんだけど、やばいやつがいる」ってなって、話に上がったのが小杉隼太なんです。

串田

「ルーズだけど、やばい」は基本最高!

小杉

俺、ルーズかなー(笑)

高岩

まー最近はましだけど。

串田

そんな感じでどんどん集まっていったんだなー。

岩間

リョウを主軸に置いて、
かなり意味わかんない知り合い方してますね、それぞれが。
俺の場合も結構謎ですよ。
実家は全然違う土地なんですけど、
高校三年間だけリョウの実家がある岩手の宮古の学校に行ってて。
その時にリリック書き始めてて、
必死につながり作ってラップしてたんですよ。
その中で、祭りでライブした時があって…。

串田

見せ物みたいな感じで。

岩間

そうっすね。

高岩

そこのステージで俺もダンサーとして出てたんですよ。
それで彼と知り合ったんです。
実はその前に地元にラッパーがいるって噂は聞いてましたが。
彼とは学校違ったんですけど、
彼の学校の文化祭に行ってた母さんが、
「なんかヒップホップやってた、いけてる兄ちゃんいたよ!」
って言う訳です。

串田

やばい!

高岩

黒人主義の俺にしてみれば、
地元でにそんなやついるわけないって思って、
「いるわけねーよ!嘘だよ、そんなの!」とか言ってて。
で、行ったらいた(笑)

岩間

ライブ前にも、近くにショッピングモールがあったんですけど、
そこで明らかにその街にはいないビーボーイがいたんすよ。
俺もそこで時間つぶしてて、多分こいつだろーなとは思ってましたけど。

串田

そんなわかる感じだったんだ?

岩間

オーバーサイズの服着てたよね?

高岩

10-DEEPのデニムにバンダナ巻いてましたね。

串田

ごりごりだね。
そりゃわかるわ。

高岩

bmr見ながら、
「これがニューヨークのトレンドかー!」って言って。
ジュエルズ・サンタナ
がバンダナ巻いてたのとか見てかっこいいとかなってた。

岩間

ショッピングモールでもこいつだなって思ってたけど、
目があっても話かけないっていう。
案の定、祭りでダンサー入ってきたらこいつで。

串田

面白い出会い方だなー!
こっちに来る前に出会ってるんだね。

小杉

もうその時、俺もイッペイと出会ってるからね。

高岩

俺ら以外にもバンドメンバー同士が会ってたりはするんすよね。

串田

各々が邂逅しつつ、
集結したんですね。

小杉

そうですね。
もう俺もSANABAGUNの前にヒップホップバンドやってたんですよ。
俺とドラムのイッペイとトランペットのヒロカズとやってたんすけど、
MCがちょっと色んな意味でやばすぎて、怖くてばっくれて辞めたんすよね。ラップは上手かったけど。辞めた所に話が来て。

高岩

でも確かに、ご縁だねって話はよくしてて、
このメンバーがよく集まったよねって。

串田

確かにね。
どういう誘いかたするの?
スタジオでセッションしない?的な?

小杉

いや、俺の時はライブの日程がもう決まってたな。
大体ジャズのライブって先に決まってるんですよ。
その後にメンバー集めるんすよ。

串田

結構個人名で書いてるもんね、ジャズのライブって。

高岩

適当にこの人いいって言われたら、
もうやろうぜって感じで。

小杉

それで調子良かったら、
何回も続いて行くんですよね。
そんでそれがバンドになっていくっていう。
バンドの出来上がり方がロックとはちょっと違うかも。

串田

おおー。
それはちょっと違うね。
友達同士でバンドやるかって言って何やる?っていうんじゃなくて、
演奏して増殖していったのが今のメンバーってことだもんね。

高岩

そうそうそう。
そこらへんはジャズいかな。


次回に続きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?