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カセットテープをリリースするということ#3

リスニング文化の研究マガジン、第一回目のゲストは、ZOMBIE FOREVERというカセットテープをリリースするレーベルを運営されている森幸司さんをお迎えし、現在の日本のカセット事情についてインタビューさせていただきました。 スペシャカレッジ通信 串田

カセットテープをリリースするということ#2はこちら

串田 

カセットテープのリリースって、
一回どれくらい作るんですか?

森  

最初は100本作ることにしてて、
だいたい売り切れます。

串田 

それって希少性に価値を見いだしてる感じですか??
もしくはいろんな人に聞いてもらいたいっていう中で、
選択肢としてカセットもあるよってことですか??

森  

僕は、どっちかいうとアンチデータ派なんです。
本当は。
でも、ちょっと時代的にもう流れくい止められないじゃないですか。
もうどんどん配信の方にいくのは当たり前なんで。
便利だから。
どっかで何かをしないとだめだなっていうので、
カセットしかないなと考えたんです。
これを狂うようにみんなが聞いてたら、
パッケージはずっと残るかなと思ったんです。
そのへんの電気屋でまだ手に入るし。
自分でミックステープ作るのもいいと思うし。
なんかそういう文化を小さいところで作っていかないと、
アーティストにお金はいんなくなるし、
インディーでは日本じゃ食えないようになるだろうなって。

串田 

カセットテープにすることによって、
届いてほしいところに届いてるって実感あります?

森  

そうですね。
実感はありますね。
でもやっぱり、まだまだですけどね。
よろしくって言っても聴けない人は多いので。
「CD付いてるんで」っていうのは悔しい状態なんです。

串田 

音質面はどうですか?
好みとしてもカセットの音質が好きってのもあるんですか?

森  

そうですねー。かけてみます?

串田 

あー全然違いますね。

森  

絶対いいと思います。

串田 

これ(カセットプレイヤー)いくらで買ったんですか?

森  

昔5000円とかで買ったんですけど、
今2万円くらいするんですよね。
結構、高騰してます(笑)
残念です(笑)

串田 

さっきデータだけになって行くことをくいとめようとしてる
って言ってたと思うんですけど、
あえてハードルをかしてでも
カセットリリースをする理由は?

森  

僕、多分アーティスト目線だからだと思うんですよね。
リスナーにあんまり優しくないんですよね。
リスナーは好きな音楽だったら
どうやってでも聴いて欲しいなってのがあって。
アーティストは、
スガシカオも言ってましたけど、
パッケージで買ってもらわないと食べられなくなるってのが大きいのと
CDの盤面とかが覚えられてないのが、ショックだったんですよ。
それって一回取り込んで、あとは要無しってことじゃないですか。
デザインも含めて、
全部アーティストの思いをパッケージできるのが
カセットなんじゃないかって、
すぐに頭出しできないし、
全部聴いてもらえる可能性も高いと思います。

串田 

毎回かけなきゃなんないし(笑)

森  

「2曲目かけて」って言われても
すげー大変な作業で(笑)

串田

「ごめん、まだ1曲目だったわ」とか言いながら(笑)

森  

あと、
僕らですら、
レコーディングとか結構お金かけてやってて、
そこで配信に行ったら諦めに近いというか、
いっぱいの人には聞いてもらえるけど、
音楽では食っていけないんだーっていうのが嫌で。
パッケージでだしていかないと、
お金になっていかないなーっていうのがあります。
アメリカのインディーとかだと、
カセットばんばん売れてて、
ツアーでとかでパッケージ売って、
そのまま食えるって話なんですね。
レコ屋でも売ってるし。

串田 

けっこう、海外は進んでるんですか?
カセット文化的に。

森  

文化がまだある、
って感じなんじゃないですかね。

串田 

日本は今後どうなんすかね?

森  

CD売れてるって言っても、
ものが売れてるわけじゃないじゃないですか。
握手券というか、
付加価値というか。
ただライブが動員ふえてるじゃないですか。
ライブに関しては、
配信があって伸びてるのかなーって感じはするんですが、
僕らやってることは音楽業界の底辺の話なんで、
生活しながらみんなやってて、
その人たちにもお金がまわるようになったら
日本が変わるだろうなって思うんです。

串田 

国内でカセットテープをリリースするレーベルって、
ZOMBIE FOREVER以外、国内で最近出てきたなってのあります?

森  

ノイズとかアンビエントとかは、
昔っからカセットテープ出してて。
まー先生なんですよね。   
おっきい顔して今、
いろんな媒体から取材受けてますけど、
なんかその人たちのこと考えると申し訳なくて。
それこそdiskunionの新宿のオルタナ館とか、
WARSZAWA とかにもずっとあったし。
そういうのはずっと聞いてて。 
 

串田 

じゃあ、かなりリスペクトっすね。

森  

そこはもう先生なんすよね。
歌もので出し始めたのが早かったのが僕らって感じで、
それだけです。

串田 

今何本出てるんですか?

森  

今、8本で、
来月からまた月一で出していくんで、
よろしくお願いします。

串田

知り合いのアーティストで。

そうですねー(笑)

今回のインタビューはこれで終わりです。
森さん、ありがとうございました!!

森さんが運営しているレーベル、
ZOMBIE FOREVERのHPはこちら



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