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舟橋全二の仕事 「版画とポスター展」

今回、ある意味やっと舟橋全二氏のシルクスクリーン作品の展示が実現できたな〜、という感慨があります。
以前から、ギャラリーでは様々なテーマでの舟橋氏の作品展を開催して参りました。
舟橋氏と言えば、フジタ工業のポスターやアーバンデザインの一環としてのモニュメント作品等の評価が定着しておりますが、ギャラリーの個展では何度も金属の板を成形して形作る小さなモニュメントのようなオブジェ作品の展示が続きました。
金属の作品では、氏の切り絵の平面作品のような文字通りエッジの効いた作品のアウトラインと鮮やかなポップな色彩が特徴です。
小さなオブジェたちは、色彩が目を洗うようにフレッシュな印象を心に残すパワーがありましたが、やはり舟橋氏の本懐であるような気がする平面作品の展示をいつか開催したいという希望が本年に実現したのでした。
・・・・と、ここまで述べて来て、舟橋氏が金属のオブジェにこだわられてきたのか急に気がついてしまいました。まるでシルクスクリーン作品の中から抜け出たようなオブジェたちは飾るだけでなく、掌の中で愛でる事もフックに掛けて遊ぶ事もできてしまう!そして何よりも光を放つように色彩のエネルギーを放ちます。
オブジェもシルクスクリーンの平面作品も観る身にクリーンな目の覚めるような気持ち良さを与えて下さるのは同じなのかも知れません。
舟橋全二氏の作品は、2015年3月にエルミタージュ美術館の”POST PAST EXHIBITION”という250周年の記念展示に出品オファーがあり、そのまま美術館の永久保存となった作品が8点ほどあります。同時期に、横尾忠則氏等のポスターも展示されました。
今回の展示でも、フジタ工業、MESSE FRANKFURTのポスター等、エルミタージュに保存されている作品も展示させて頂きました。
舟橋氏のポスターやシルクスクリーン版画に託された心豊かな表現は、誰にも真似のできない作品として普遍的価値のあるものと思っております。
舟橋氏には、イラストレーションを教える教師という側面もあります。自由な魂を以って表現の大切さを伝えられた生徒さんたちは皆それぞれの個性をおおらかに広げて活躍されており、舟橋先生の素晴らしさを体現されています。

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