わかりやすく解説!入浴剤の炭酸泉と銭湯の炭酸泉の違い
人工炭酸泉の作り方には大きく分けて2つの方法があります。
一つはお湯の中に薬剤を入れて炭酸ガスを発生させる方法、もう一つは炭酸ガスボンべのガスをお湯に溶けこます方法です。
今回は、入浴剤とガスボンベの炭酸泉の仕組みの違いについて検証してみたいと思います。
今回の記事を通して、ご自身の効果的な炭酸泉の入浴方法を見つけてください。
入浴剤の炭酸ガス発生の仕組み
お風呂のバブに代表される炭酸ガスが発生する入浴剤は、重炭酸ナトリウム(重曹)と クエン酸やフマル酸など、アルカリ性と酸性の薬剤をお湯の中に混ぜることで炭酸ガスを発生させます。
ここで発生するガスはそれほど多くはありません。お湯に溶け込んでいる炭酸ガス濃度は数十ppmから多くても数百ppmです。
お湯に溶け混んだ炭酸ガスは、血管の拡張作用があります。しかし、わずか10ppm〜数100ppmの溶解度ではそれほど大きな効果は期待できません。
効果が無い訳ではないですが、CMのキャッチコピーはいささか大袈裟な感は否めないですね。
『入浴剤炭酸泉』は弱アルカリ性
入浴剤の主成分は重炭酸ナトリウム(重曹)です。これはナトリウムですのでアルカリ物質になります。ここに酸性のクエン酸や、フマル酸、などを加えることで炭酸ガスが発生します。お湯は中和をされて中性に傾いた弱アルカリ状態のお湯となっています。
血管を拡張させる、二酸化炭素はガスの状態で効果を発揮します。この状態であるにはお湯が酸性の方か有利となります。
なぜなら、二酸化炭素はアルカリのお湯の中ではガス成分から、イオン化してしまう傾向があるからです。
少し、ややこしい説明になりますが、血管を拡張させるために二酸化炭素は、イオン状態よりガス状態の方が効果があり、そのためにはお湯の成分がアルカリ性より、酸性の方が効率が良いですよ、というお話しです。
つまり、錠剤の炭酸泉のお湯は弱アルカリ性なので、炭酸ガスの効き目が酸性状態のお湯よりは弱いということです。
人工炭酸泉の優位性と課題
「人工炭酸泉」は酸性
炭酸ガス泉として「血管拡張効果効果」だけを比較すれば、銭湯やスーパー銭湯の人工炭酸泉は、入浴剤の炭酸泉とは比較にならないほどの効果が期待できます。
お湯の中に、多量の二酸化炭素を直接ガス溶解させていますので、違いは歴然です。しかも、このお湯は酸性となりますので、ガスの状態でしっかりと溶け込んでいます。
お菓子のラムネと飲料のラムネの違いを考えればわかりやすいでしょう。
溶解度1,000ppm以上の炭酸泉は高濃度炭酸泉と呼ばれますが、血管拡張に効果のあるのは、高濃度状態が理想的です。
高濃度人工炭酸泉の課題
しかし、高濃度人工炭酸泉の課題は、お湯に炭酸ガスを溶解させるのが非常に難しいということです。
ガスは温度が高いとに抜けてしまいます、ビールがぬるくなると気が抜けるのはこのためです。因みに、冷えた生ビールの炭酸溶解度は4,000ppm程度溶け込んでいます。
このために、特殊な装置を使わなければ高濃度の炭酸泉は精製できません。加えて断続的に炭酸ガスを送り込むことも必要になってきます。
上記の理由で、高濃度の炭酸泉は家庭で実現させるのは非常に困難であり、銭湯やスーパー銭湯での特殊な装置がなければ実行できないのです。
錠剤の炭酸泉はアロマをたのしむ
炭酸泉としての効果は炭酸ガスを直接とけこませた人口炭酸泉の方が分が高いですが、家庭で手軽に楽しめる点と、アロマ効果では入浴剤に強みがあります。
炭酸入浴剤の中には,炭酸ガスの効果を前面に打ち出しているものも多いのですが、むしろそれぞれの商品に配合された香り成分が魅力的だと思います。
”香り”によるアロマ効果は効き目があります。
脳には、感情・本能を司る「大脳辺縁系」と、理性的な思考を司る「大脳新皮質」の二つがあります。
五感(視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚)の中で唯一匂いだけが感情・本能に関「大脳辺縁系」に直接伝達されます。つまり、匂いは本能を直接刺激するのです。
生理的に受けつけることができない匂いは,一瞬にして緊張感をもたらしますが、腐った匂いがすればそれを口にしないのは本能による防御となります。
その逆で、良い匂いは本能でリラックス効果を感じることができます。
入浴による様々なリラックス効果に加え、本能を刺激する香りが加わることの相乗効果は,
とても大きいと言えます。
常連になるべきメリットが大きい高濃度人工炭酸泉のある銭湯
高濃度人工炭酸泉は、多くのアスリートが日頃の体調管理に導入していますし、何よりも医療現場でのリハビリにも使われています。
お住まいの近くに、「高濃度炭酸泉」を導入している銭湯があればぜひ常連になってください。血管の拡張作用が高く、炭酸泉を日常に取り入れることで体質は著しくよくなると思います。
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