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滑走路を走っているだけでは、もうダメなんだ

「あなたのプレゼンは、滑走路を走り続けているんだけれど、決して飛ばない飛行機のよう。前段の分析やまとめ方がよかったとしても、何かを提案しなければ、意味がない。企画には『ジャンプ力』が必要なんだ」。

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スパルタ塾、課題2回目。ようやく発表にこぎつけたその日、菅付さんからの講評で、頭のなかには「?(ハテナ)」があふれていた。

自分には足りていない、と気づきながらも、見ないフリをしてきたもの。ついにそれと向き合わねばならない時がきてしまったんだなー、と。自分が「ひとつ抜ける」ためには、一体なにをすればいいんだろー?、と。

途方に暮れながら井の頭線に揺られて帰宅したのが、去年の5月。

もう1年ちかく前の出来事。いまもその問いは、頭のなかでぐるぐるしている。

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スパルタ塾のすごいところの一つは、手取り足取り教えてくれないところだと思っている。

だから正直、「やりきった!満足だ!」と思える回なんて、一度もなかった。毎回、不完全燃焼だし、毎回、自分の甘さにうんざりする。

それでも、一度だけゲスト賞をもらえた回があったのだ。ゲストは川村元気さん。2016年最後のスパルタ塾だった。

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課題内容を知って、最初に決めたのは、知ったかぶりはしない、ということ。

自分も映画は好きだけれども、詳しい人なら他にもっともっといる。翻案の仕方や、映画監督やカメラマンのスタッフ選定なんて、知識がまったくない。

だからこそ「自分なりの戦い方」を意識した。

菅付さんがよく言っていたのが、「スパルタ塾は、思考実験の場」ということ。ならば、映画の知識の深さではなく、考え方やアプローチを提案してみたいと思った。

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課題図書の「四月になれば彼女は」は、30代の恋愛がテーマ。

主人公たちが同年代だったので、じゃあ自分ならどうかな、と考えた。

恥ずかしながら30代で独身。結婚していないことで、やや世間的に肩身のせまい思いもある。

そんな自分が、どんな恋愛映画だったら、1800円払って観たいと思うだろうか? どんなメッセージがあれば、観たあとの気持ちが晴れ晴れするだろうか? どういうキャラクターがいれば、ストーリーに感情移入して、今の自分を肯定できるだろうか?

これを、このモヤモヤを、なんとしても言語化したい……!

2週間ぐるぐる考え続けて作ったプレゼン。

発表後、川村さんからもその点を評価してもらえたのが嬉しい回でした。

ただし。企画のジャンプ力という意味では、もっと考えられることがあったかもと、あらためて自分のプレゼンを見直して反省。。

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菅付雅信の編集スパルタ塾 第4期
ゲスト:川村元気さんの回について書きました。

◎課題内容
「『四月になれば、彼女は』を映画化する場合、どう企画するか提案せよ」
1.映画なりのテーマ、コンセプトの発見・発明
2.脚本の作り方、エピソードやキャラの抽出および削除の仕方、翻案の手法
3.監督の選定、およびカメラマンやスタッフの選定
4.キャスティングの方向性
などを考慮して、具体的に提案せよ。

◎提出したプレゼン
https://www.slideshare.net/secret/GoHSLrQVBYgZyJ

(テキスト:第4期受講生 津田)

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