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「店舗の持つ役割って何だろう?」by D2C Brand Showcase スペシャルトーク「これからのユーザーとブランドの新しい関係とは」

この春ブランドをフルリニューアルした『MEDULLA(メデュラ)』。私たちSpartyがコンセプトデザインから販売、アフターサポートまで一貫して行い、お客様一人ひとりの手元へ直接製品をお届けししています。

こうしたユーザーと”距離”の近いブランドやメーカーのビジネスモデルが、”D2C(Direct To Consumer)”と呼ばれ、今注目を集めています。

実店舗を持たないD2Cブランドたちは、スピーディに、ダイレクトに価値提供を行うことでも知られ、品質はもちろんのこと、届けるストーリーに歪みが出にくいのが特徴の一つ。アメリカではすでに定着し、日本でもその数を増やしています。

そんな国内D2Cブランド10社が一堂に会し、実施された「D2C Brand Showcase」。LEXUSさまと共同開催いたしました。

クリエイティブカンパニー ネイキッドによる演出協力など、これまでと全く異なるユーザー体験を新しい形で発表したのは、”本質的価値”を直接体感していただきたかったから。


当日は下記10ブランドによるブランド発表を開催。
Brand Showcase 登壇予定ブランド一覧(アルファベット順)

BASE FOOD:https://basefood.co.jp/
CLAS(クラス):https://clas.style/
DAYLILY:http://daylily.com.tw/ja/
FABRIC TOKYO:https://fabric-tokyo.com/
Foo Tokyo:https://brand-foo.com/
MEDULLA:https://medulla.co.jp/
Minimal - Bean to Bar Chocolate -:https://mini-mal.tokyo/
SAKE100:https://sake100.com/
煎茶堂東京:https://www.senchado.jp/
youange:http://youange.com/

さらに、スペシャルトーク「これからのユーザーとブランドの新しい関係とは」も実施。登壇したのは、インフルエンサー、PR/クリエイティブディレクター、そしてOEMメーカーと、視点の異なる三者。

”モテクリエイター”として活躍の場を広げる、株式会社KOS 代表でインフルエンサーの菅本裕子(ゆうこす)氏

全く新しい思想・システムを持つ”The Breakthrough Company”である、株式会社GO の代表取締役でPR/クリエイティブディレクターの三浦崇宏 氏

『youange(ユアンジュ)』、『MEDULLA(メデュラ)』をはじめ、OEM製造700ブランドの実績を誇る、株式会社サティス製薬 代表取締役 山崎智士 氏

一つの製品をユーザーに届けるそのプロセスで、既存の概念にとらわれない独自の関わりを見せる3名。EC販売がメインとなるデジタル領域で活躍する彼らは、「実店舗の持つ役割」をどのように捉えているのか? 当日のセッションが3回に分けてログミーにて公開されました。
https://logmi.jp/business/articles/321301

ここでは、一部をご紹介いたします。

リアル店舗に求めるのは「ブランドとのコミュニケーション」

司会者:ブランドが「自分たちで商品を作って、お客様に届けるところまで」できてしまうと、店舗が果たす役割はどうなっていくのでしょう? 例えば百貨店は、消費者にとってどんな存在に変わっていくと考えていらっしゃいますか?

三浦氏(以下、三浦):店舗や百貨店は行くのは楽しいのではないかと思うんですけれども、ゆうこすさんはどうお考えになりますか?

菅本氏(以下、ゆうこす):私は百貨店もそうなんですけれども、商店街が好きなんです。(商品の)想いや過程を聞けて、コミュニケーションをとれることがすごく楽しいからです。店舗や百貨店(の店員)さんでたまに「(ブランドに)雇われていて、あまり詳しく知らない」みたいなときは、すごく寂しく思っちゃいます。

「それだったら、ネットのほうがワンクリックで買えていいじゃん」と思っちゃう。別に行く意味がないと言うか。「わざわざ会いに行きたい」と思うときは、「店員さんに話を聞きたい」とか、「あの店員さんに会いたい」とか、そういうことが多くあると思いますね。

三浦:山崎さんはどうですか? 山崎さん的には、店舗はなくなったほうがいいですかね?

山崎氏(以下、山崎):「なくなったほうがいい」……はさすがにないな、と思います。

僕の見通しと言うより、今ゆうこすさんもおっしゃっていた、店員のコミュニケーションスタイルや、「何を伝えるのか?」「この人は何をミッションに仕事をしてるんだろう?」ということの感じ方からして、「店舗の役割は変わってきているんだろうな」と感じています。

三浦:今日のイベントはたぶん記事になるので、それをあとで読めばいいじゃないですか。でもこうやってここに来ていただいている、リアルな体験をしに来ているお客さんはやっぱり「素晴らしい」というか、「ありがたいな」という気持ちがあって。

デジタルでなんでも片が付く時代に、「でも体験しよう」というのは、やっぱりそこにしかない特別なものがあるじゃないですか。

作り込まれた空間体験がコアユーザーを作り出す

三浦:「D2Cが来るな」と思った一昨年の終わりごろに、ニューヨークのD2Cブランドとして、すごく有名な化粧品のGlossier(の店舗)へ視察に行きました。そこで(商品を)買うと、普通にiPadで入力してECをさせられるんですよ。店員の方にすごく丁寧に接客してもらいながら。

空間がもう、めちゃくちゃかわいくて。僕の場合、いるだけで恥ずかしくなるくらいかわいくて。その世界観の中で特別な接客をされながら買うから、やっぱり一生の思い出に残るというか。

すごくかわいらしい店員の方が楽しそうに接客してくださるから、同じ購入体験なんだけれども、便利を求めるECとD2Cによって伝わった思想を全身で体験する場としての店舗は、明確に残りますよね。

ゆうこす:コアなファンを作れますよね。

三浦:デジタルで買える社会、それこそ「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」っていう。逆に言うと、「お店に行かないでも買える時代にお店に来るお客さんと、どう向き合うか?」「どう大事にするか?」を考えることが、ブランドを作るということなんじゃないかなと思ったりしますね。

僕は企業のブランディングをやるんですが、コツは「そこにそんなお金をかけなくてもいいじゃん」というところに、お金をかけることだったりするんですよ。

ゆうこす:えーっ、何でですか? おもしろい。

三浦:靴下がオシャレな人は「オシャレだな」という感じがしませんか?

ゆうこす:まぁ確かに。

三浦:気を抜きそうなところで「ここまで気合を入れて、ちゃんと作り込んでいるんだ」ということにふと気付いた瞬間、すごく好きになったり、ブランドに対する愛着が沸いたりする、みたいな。

そういう意味では、少なくてもいいから店舗をみっちりお金と時間をかけて、良い体験ができる場所にすることと、D2CでPDCAを回しながらお客さんと世界観を一緒に作っていくことで成長するんじゃないかな、という気はしますね。

ライブ?分身?実店舗が生み出す価値

三浦:ゆうこすさん、お店は作らないんですか?

ゆうこす:「いつかは作りたい」と思っているんですけれども、(製造が)安定してきたら店舗もやれたらなと思ってはいます。

三浦:さっき、楽屋でお会いして3人で話してるときも、(ゆうこすさんは)本当にすごく丁寧に接してくださって。そういうやさしい感じや気遣いそのものが、ECでも店舗でも再現されたら、またそれもすごくお客さんをめちゃめちゃファンにする強い武器になりそうですよね。

山崎:そうですよね。今のお話の延長にある、ゆうこすさんがお店を出して、ということのバーチャルな未来について話をすると、そこでおそらく気をつけなければいけないことは……。

本当にすごくやさしくてあたたかみがあって、丁寧に話をしてくれてる、ゆうこすさんの「ブランドのキャラクター」。このキャラクターを「お店の店員さんや空間が、一括できるかどうか?」という。

三浦:そこですよね。ゆうこすさんはある意味、「音源」と「ライブ」みたいな感じかもしれないですね。

CDをデータで売って、それだけでも充分楽しめるんだけど、3ヶ月に1回ライブがあって、そこに必ずちゃんと行く。ライブの入場料は大したことないんだけれども、そこでグッズを買ってお金を落としていく。

それでより絆が濃くなって……ある意味でお店とECの関係が、音源とライブみたいな(笑)。

山崎:なるほど(笑)。

三浦:でもライブだって考えたら、店もめっちゃ気合が入るじゃないですか。

ゆうこす:最初に共感してくれたり、すごく悩んでいたり、ここでしかできないような、そういう熱量のある共感性の高いものではないと、(D2Cブランドは)なかなか難しいのかなとは思います。

三浦:最初に強い自分の欲望というか、共感される欲望から始まらないと、ブランドは生まれないのかもしれないですね。

ゆうこす:今のところ、(ブランドのお客さまには)私の支持者が多くいると思うんですけれども、「私が抜けても続くブランドにするには、どうしていかないといけないのか?」ということが課題になってくるので、そこも考えたいですね。

三浦:もしかしたら、それの答えが店舗かもしれないよね。ゆうこすがいなくても、ゆうこすの人間性や世界観を体験できる場所があるということ、つまりある意味でゆうこすの分身みたいなものが、店なのかもしれないなと思いました。

ゆうこす:確かに。この場所ですごく勉強させてもらいました。ありがとうございます。

セッションの全内容はこちらをご覧ください。
https://logmi.jp/business/articles/321301

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