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目からビーム!145 ギミー・シェルター!

♪子供たちよ 戦争はたった一発の銃で始まるんだ 真っ赤な石炭の絨毯となって襲ってくる 猛る牛は行き場を失う レイプも殺人も 一発の銃声が合図さ だから避難場所をおくれよ 俺は吹き飛ばされちまう (ローリングストーンズ『ギミー・シェルター』)
 松野博一官房長官が22~24日、先島諸島を視察、石垣市、与那国町、竹富町の3市町長と面会。各首長からは、有事の際の全島避難に対する懸念や、シェルター設置への支援要請が相次いだという。当然のことだろう。台湾は先島の目と鼻の先、そして台湾有事は待ったなしの状況になりつつある。もし、台湾で有事が勃発すれば、先島も無傷ではいられない。これに関しては、あの朝日新聞でさえ冷静に事実だけを報じている。
しかし、島の人たちの不安をよそに、相変わらず高見に立った、こんなトンチンカンな発言をしている自称平和主義の左派芸能人たちがいる。
おなじみ、お笑い芸人の村本大輔は自身のツイッターでこうつぶやいていた。「こう言う時に攻められる(但馬註・責められる、の間違いか)のは中国でもなく、北朝鮮でもなく、基本的に、シェルターまで作ることになった日本の政治家の外交の失敗」「飛ばされた時の対応じゃ手遅れ、飛ばされないための、シェルターを作らないために、中国や北朝鮮に出向き、信頼関係を作ってきたらいい」。
 万が一の事態に備えることと国家間の外交とはまったく別次元の問題である。この手の物言いでよくあるのは、「日米開戦は、日本が外交を怠った結果だ」というもの。冗談じゃない。日本が開戦回避のためにどれだけの対米交渉をしてきたと思っているのだ。聞く耳をもたなかったのはアメリカの方ではないか。そして今の中国も、だ。
 膳場貴子アナの 「今、台湾有事に対する備えが急速に進められていますけれども、この問題を語る際に、ひとたび有事になったら、どれだけ多くの民間人、国民が犠牲になるかという視点が足りていないことがとても気になります」という番組内での発言も意味不明だ。民間人の犠牲を最小限にするための「備え」ではないのか。前提がおかしいのだ。
 先の大戦で日本は沖縄を見捨てたという人がいる。これも否だ。沖縄を救うために何万の若い命を乗せた特攻機が旅立っていったではないか。むしろ、令和の世の、村本や膳場といったお花畑の住民の主張こそが、沖縄を見捨てよと言うに等しい。

(初出)八重山日報

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