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僕が語っておきたい下北沢③~ロックで送られたい

下北沢一番街商店街に金子総本店という葬儀屋さんがある。この場所に店が移ってきたのは、今世紀に入ってからのはずで、僕がシモキタにいたころは、踏切をへだてた向こう側、現在オオゼキ(スーパーマーケット)の向いのビルの一階が金子総本店だった。引っ越したあと、テナントでスニーカー屋さんが入っていたと記憶するが、先日確認したところ、不動産屋になっていた。
演劇の街としても知られるシモキタだが、金子総本店にお世話になったという劇団も少なくないのではないか。舞台効果のために使うドライアイスを売ってもらうのである。僕もアングラ劇団を経験したことがあるが、地方でテント芝居やるとき、まずその土地の葬儀屋を探す。買いに行かされるのは、僕のような下っ端の役目だ。中には頑固そうな親父が出てきて「ホトケさんのためのものをそんなフザけたことに売るわけにいかない」と一喝くらうこともあった。松本では、あいにく葬儀屋が見つからず途方にくれていると、目の前にアイスクリーム屋があり、無事任務をはたすことができた。
さて、金子総本店だけれど、ここは金子マリさんの実家ということでも知られている。金子マリ――「シモキタのジャニス」と呼ばれ、「下北沢の金子マリ、吉祥寺のカルメン・マキ」と称された伝説の女性ヴォーカリストである。シーナ&ロケッツ、近藤房之助、アルフィ―、中島みゆきと、シモキタに住む、あるいは住んでいたというミュージシャンやシンガーは数多いが、シモキタ生まれのシモキタ育ちのロッカーといえば、マリさんをおいて他にいないだろう(と僕は思うのだが、もしいたらゴメンなさい)。

しかも、二人の息子(金子ノブアキ、KenKen)もミュージシャン。まさに下北ロックを象徴するような人。
そのマリさんだが、お父様が亡くなられたのを期に金子総本店を引き継ぎ三代目社長となられ、現在にいたっている。多忙な社長業の合間をぬって、むろん音楽活動のほうも続けておられる。

金子総本店社長としても金子マリさんのインタビュー。音楽も葬儀もコミュニケーションだという。なかなかじんとくる言葉。

2024年は、くしくも人気DJのアラン・フリードが名づけ親になりロックン・ロールが誕生して70周年にあたる。
エルヴィス世代の多くは既に鬼籍に入り、ビートルズ世代も80代の声を聞こうとしている。ロックが「不良の音楽」「若者の好む騒々しい音楽」という評価も遠い昔。今、その愛すべき元不良たちが召されていく時代である。
多様性の時代などといわれるが、ロック好きだった故人のためのロック葬なんて、これから需要が増えるのではないか。葬儀場で生演奏は無理でも、静かにCDを流すくらいならOKだろう。僕もそうやって送ってほしい。


僕の葬儀のリクエスト曲
Subterranean Homesick Blues(Bob Dylan)※僧侶の読経とバトル
・(I can't get no)Satisfaction(The Rolling Stones)
・A Change Gonna Come(Sam cooke)
・Mr.Tambourine man(Bob Dylan)
・Me and Boggy McGee(Janis Joplin)
・After The Goldrush(Neil Young)
・A Day In The Life(The Beatls)
・Mrs Robinson(Simon&garfunkel)
・Holidays(Michell Polnareff)
・Je T'aime Moi Non plus(Serge gainsbourg and Jean Birkin)
・Come Together(The Beats)
・Bridge Over Troubled Water(Simon&Garfunkel)
・Avalon(Roxy Music)

他にもいっぱいありそうだけど、死ぬまでに選んでおおきます!


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