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国産鉱物への想い (その3)

ある年の夏、訪れた岐阜県の山中の川の中から深い空色の石を見つけた。

これはクリソコラ?マラカイト?白っぽいところは石英か?

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探そうとして見つけたわけではなかったから、まるで石の方からやったきたようだった。

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初めは半信半疑のまま持ち帰った石だったが、加工してみることにした。

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こういう入り混じった石は脆いことが多いが、切ってみると意外としっかりとしていた。これなら加工できそうな手応えを感じて研磨してみると、なかなかツヤも出て想像以上の仕上がりだった。


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鑑別機関の判定によると、この石は主にクリソコラと水晶が入り混じった岩石だった。


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実はこの土地は銅を主とする鉱物を産出していた地域と関係があった。

クリソコラは銅と関連のある鉱物の一つで、こういう仲良し関係にある鉱物は、主とする鉱物の脈を見るにも役立てられる。

石についてだんだん分かってくると、そういう土地にはこういう鉱物、こういう鉱物にはああいう鉱物がつきものということが分かってくる。

そうなったらいろんなことにどんどん気がつき始める。

鉱物を自由に採取できるところはなかなかないけれど、こういう目で見ると山歩きもさらに面白くなってくる。

(画像の鉱物は地権者の承諾を得て採取しています。)




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