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V6全シングルレビュー(一部それ以外の曲も)その2

V6解散報道を受け、恩返しの意を込めて始めたこのnote。
前回から引き続き、今回はVery best II時期の
シングル曲と一部それ以外の曲をご紹介いたします。

前回までと同じく、
「これ聴いといたらとりあえず大丈夫」な曲には

「個人的に好きなので余裕があったら聴いて欲しい」曲にはを付けます。


初期からこの辺りまでがいわゆる「絶頂期」に当たるため
恐らく今回紹介する曲も、V6にあまり詳しくない人でも
それなりに思い出深いものがあるでしょうか。

よく知っている方も、よく知らないという方も、
是非ともV6の新たな魅力を発見していってください。


CHANGE THE WORLD(00年10月)★


シングル17枚目。
犬夜叉OPであり、初期を支えたアレンジャー上野圭市氏のラスト編曲。
人気アニメOPで歌いやすく覚えやすい大名曲なのもあって、
V6あまり知らない人も含め、好きなV6曲で
TAKE ME HIGHERあたりとトップを争うものと思われます。

ちなみにベスト盤「Very best」にリミックスバージョンが入り、
後に2枚目のベスト盤「Very best II」で原曲収録。
3枚目「SUPER Very best」以降も含め、
全てのベスト盤に収録されているのはこの曲だけです。

V6で「アニソン」と言えばこの曲か
もしくはONE PIECEのSuper Powers辺りが代表曲になるんでしょうが、
彼らの場合ポジティブ&アップテンポな曲調のものが多いので、
もっと早くからアニソンに本格進出していても面白かったはず。

一応カミセン曲なりで細かく
(SAMURAI 7とか)アニメタイアップもしていましたが、
avex&ジャニーズという巨大資本に属してるんだから、
他にも色々やってて良かったろうに、と今更勿体なく感じます。



愛のMelody(01年2月)


シングル18枚目。
学校へ行こうエンディングテーマ。
森田氏がこの曲の歌詞を間違えて覚えていたエピソードはある意味鉄板。

曲はいつも通りのポップスで悪くないものの、
なんというか「80点中の80点」な感じ……と言えばいいのでしょうか。
いつも通りという安心感はあるんですがあまりに「いつも通り」すぎて、
IN THE WINDとは別ベクトルで印象に残りにくいタイプの一曲です。

アルバムにCHOKKAKU氏編曲のアレンジバージョンがあり
そちらは同じくちょい地味な曲調でありつつ、
恋するフォーチュンクッキー的レトロフューチャーな雰囲気もあって
未だにヘビロテするくらいお気に入りです。

当時基準ではただ古臭いだけに思われた可能性も高かったでしょうが
ひょっとしたらCHOKKAKUアレンジバージョンをシングルにしていた方が
懐かしくも新しい曲調が後々再評価されたりで
今となっては印象に残りやすかったかもしれません。



キセキのはじまり(01年6月)☆


シングル19枚目。
Believe Your Smileの菊池一仁作曲で、
愛なんだをアレンジしたCHOKKAKUが編曲。

ただ作曲者同じで完全に「Believe Your Smile その2」過ぎたため
一般リスナーもこの系統の楽曲に食傷気味となってしまったのか、
売上がここにきて更に下がってしまいました。

個人的にはCHOKKAKU氏特有のファンクテイストなサウンドが好きで
この曲も聴いていてとてつもなく心地良いとすら思えますが
シングル全体で見返した時に
あまり印象に残らない曲になってしまうのも致し方ないのかなと。

この時期からのV6は
後輩のデビューや先輩SMAPTOKIOのタレント業好調化もあってか、
ジャニーズ内で微妙に影が薄い立場になってしまいます。

とは言えシングルで目立たない曲が増えだすのは
特にベスト盤発売後くらいのこの時期なら
V6に限らず他の様々なグループでも起こりうることなので、
ある種しょうがない面も。



出せない手紙(01年8月)★


シングル20枚目。
三宅氏出演のドラマ主題歌。
ちなみにこのドラマ(ネバーランド)は他に
今井翼生田斗真村上信五田中聖(各敬称略)
らも出演していました。

作曲はPIPELINE PROJECTで、中の人はTUBE前田・春畑コンビ。
要するにTUBE提供曲
V6初の本格派バラードで、意識して聴くと確かにTUBEっぽいような
感情に強く訴えかけるメロディーラインが特徴的です。

ドラマがジャニーズメンバー多数出演で結構流行ってた覚えがありますし
曲も新機軸かつ耳に残る名バラードだったため、
Believe Your Smile以来となるオリコン1位を獲得。

個人的な思い出としては
当時の「夜もヒッパレ」でV6が19の曲(たいせつなひと)を歌って、
その後満を持してランキング1位のこの曲も歌っていたという淡い記憶が。



Feel Your Breeze(02年6月)★


シングル21枚目。
大ヒットドラマ「ごくせん」の主題歌だったのも味方し
出せない手紙に続き再びオリコン1位に。
しかしごくせんに出てたのは嵐の松潤なのに、
何故全く関係無いV6が主題歌担当だったのかは未だに謎。

実はごくせんで流れてたのとシングルとでアレンジが違います。
MVはシングルバージョンで、アコースティックな爽やかナンバー。
ゆったりしたリズムでアコギを入れたアレンジに青春の名残を感じさせ、
メンバーの成長具合と程よくマッチしています。

対してごくせんに使われた方(G・S・N Version)
今までのV6らしさを踏襲したキラキラアップテンポなアレンジ。
こちらはアルバム初回盤でのみ聴くことが出来ます。

これは完全な憶測ですが、
本来はアルバムバージョンがシングル予定だったけど、
「キセキのはじまり」があまり売れなかったので
いつものV6っぽいアレンジはアルバムに回して
ちょっと新しい方向性のアレンジを試してみたんじゃないかなーと。


HAVE A SUPER GOOD TIME(02年7月)☆


7枚目のアルバム「seVen」収録。Coming Century歌唱。

カミセンの代表曲と言えば30万枚を売り上げベスト盤にも収録された
「夏のかけら」が一般的ですが
当曲も後のカミセンベストに収録されそれなりに人気曲のようです。

MVはありませんが個人的にも好きなのでここで紹介。

年少組3人のイメージに合わせた弾けるポップスでありつつ
特に剛健コンビにぴったりの「やんちゃ」な面も覗かせる
音楽的にもファン心理的にもたまらない一曲が楽しめます。

seVenはこの曲だけでなく、ベスト盤にも収録された
A・SA・YA・KEGOOD ENOUGHMAGMA
リード曲BLOW UP THE DARK
Feel Your Breezeのカップリング曲one feat. Shoo
WAになっておどろう系の合唱が似合うSHINY DAYなど

かなりバラエティ豊かな曲目が揃っており
非常にクオリティの高いアルバムになっています。

初回盤は更にFeel Your Breezeごくせんバージョン
前述のoneのEnglishバージョンも聴けるので非常にお得です。
初回盤は中古屋でもやや手に入りにくいので
ヤフオクやメルカリ等で探してみるのもいいのでは。



メジルシの記憶(03年3月)


シングル22枚目。
バラードで攻めるもまさかの売上最低記録更新
しかもこの記録は音楽業界のCD売上全体が落ちてくるまで
ずっと塗り替わりませんでした。

そこまで悪い曲じゃないと思いますし私もカラオケで結構歌いますが
言うなれば「バラード版愛のMelody」な引っ掛かりの少なさで、
購買意欲を刺激されなかった一般リスナーが多数いたのかもしれません。

同じ作曲者のway of lifeがロングヒットしたので
曲自体が良くない……なんてことを論ずるよりは、
V6にまだこの段階でバラードでCD買わせるだけの説得力が足りてなかった
と結論付けてしまうのが一番収まりがいいでしょうか。

今だと特捜9の主題歌になってれば話題になっていそうな
そんなポテンシャルもあっただけに、
タイミングさえ違っていれば……と惜しい一曲だったように感じます。



Darling(03年5月)★


シングル23枚目。
久々のアップテンポ曲。
ごくせんと同じく何故か松潤主演のドラマ主題歌
(こっちは一応長野氏も出演してました)

結構ヒットしたお陰で、今だと代表曲の一つに数えられるでしょう。
KABA.ちゃんが担当した振り付けや
本間昭光氏のどキャッチーなアレンジもヒットの一因でしょうが、
この曲は当時、何よりも歌詞が話題になっていました。

「わかんない」でも「What Can Eye」でもなく「What 感 Eye」
こんな感じの異様な歌詞がサビに散りばめられています。
いわゆる言葉遊びの一種で今ではよくある手法なものの
当時はその異様さが結構物議を醸していた記憶が。

あと「ダーリンダーリン」曲
ミスチル、矢井田瞳、いきものがかりらと争う
なんていう地味なトピックスも個人的には印象的です。



COSMIC RESCUE(03年7月)


シングル24枚目。
カミセン3人の主演映画と同名の曲。
映画の内容は……まあファン向け作品ということで。
(一応は堀北真希デビュー作という側面も)
カミセン映画の主題歌なのもあって、3人のソロパートがあります。

h-wonderのアレンジで浮遊感が演出され
レトロフューチャーでノスタルジックな宇宙っぽさはあるものの、
全体的にはこの時期特有の
「良い曲だけど"良い曲"以上の感想が浮かばない」タイプの曲。

単体で聴き込めば十分良曲とは言え、
SUPER Very best等で通して聴いていると
引っ掛かりがあまりなく、中々印象には残りにくいでしょうか。

とは言え鮮烈な印象が残らないだけで
じーっくり聴いて全く飽きずに楽しめるポテンシャルもあります。



強くなれ


COSMIC RESCUEとの両A面シングルで、学校へ行こうエンディングテーマ。
いつもと違うハードロックな一面を覗かせ、
ついでに太陽のあたる場所以来のラップ入りシングル曲。

HIPHOPブームでオリコンにもラップ曲がよく入っていましたし
後輩の嵐も櫻井がラップに目覚めたりしていたので、
当時の音楽シーンでラップかますのは通過儀礼だったのかもしれません。

このハードボイルド路線を更に強めた「Hard Luck Hero」という曲が、
「強くなれ」と一緒に後にアルバム収録されます。

しかし男臭い曲調はTOKIOと、
ハードロック路線はKAT-TUNとそれぞれ被るからか、
これ以降はあまり作られていません。



ありがとうのうた(04年3月)★


シングル25枚目。
メンバー全員のソロパートがあるミディアムバラード。
嵐で言う「感謝カンゲキ雨嵐」的な、ファンへの感謝ソング。

それまでのポジティブさとはまた違う沁み入るタイプの歌詞で、
ふとした瞬間にグッとくるような温かみがあります。
卒業式で歌っても全く違和感無いですし、
実際卒業式で合唱で聴いたら泣いちゃうかもしれません。

ちなみに学校へ行こうエンディングテーマでしたが、
この曲になるまでの大半をアルバム曲で穴埋めしている時期がありました。

愛のMelody→アルバム曲→森田の企画盤(GOタリモ
→アルバム曲→アルバム曲→強くなれ→アルバム曲→ありがとうのうた

……と、タイアップのペース配分を間違えていたような感じに。
ひょっとしたらメジルシの記憶やCOSMIC RESCUEの売上不振もあって、
あんまりシングル曲を乱発出来ない状況だったのかもしれません。



サンダーバード -your voice-(04年8月)


シングル26枚目。
タイトル通り映画サンダーバードの日本語版主題歌。
あとは学校へ行こうの「灘6」で曲を覚えている人も多いでしょうか。
ちなみに映画においてはメンバー全員が吹き替えを担当

映画そのものが普通にコケちゃったので何も言われてはいませんが、
今そんな「ジャニーズグループがメイン6人の声吹き替え」
なんてことしたら色んな所から良くない声が聞こえて来そうな気も……。

サビがキャッチーなものの、
全体的にはクールで暗めなクラブミュージック。
これは作・編曲者がDJ RAM RIDERなので致し方ない部分も。
初期のユーロビート路線からの完全脱却という意味では
「これが今のV6」というスタイルを示せて
ちょうど良かったのでしょうか。

ただ映画主題歌なことを加味して、クールなイメージはそのままに
もうちょっと激しい曲調で良かった気がするのも事実です。



UTAO-UTAO(05年6月)★


シングル27枚目。
ドラマ「タイガー&ドラゴン」主題歌。
かつリニューアル後の学校へ行こう(MAX)エンディングテーマ。

V6の10周年記念なのもあってか、
作曲こそ当時若手ソングライターだったHIKARI氏でしたが
作詞には森山直太朗曲でお馴染み御徒町凧氏、
編曲にはORANGE RANGEプロデューサーだったシライシ紗トリ
とかなりの豪華布陣を招集。

いつもよりお金かかってそうな分、
曲もそれまでのV6らしさを凝縮したかのような
10周年に相応しい集大成っぷりを見せています。

その結果、WAになっておどろうに近いキッズソングテイストも混じる
カラオケで肩組みながらみんなで歌いたい一曲が完成しました。
制作陣の豪華さもあって、
曲全体からとにかく「アンセム」圧が漂ってきます。



Orange(05年12月)☆


シングル28枚目。
前作から続いてHIKARI氏の作曲、そして今回は作詞編曲も。
しかしイントロ長過ぎるし妙に壮大だしサビまでずーっと暗いし、
UTAO-UTAOと同じ作曲者の同じ10周年記念ソングとは思えぬ超異色作に。

一方で異色作だからこそ「これはいつもと何かが違う」
新たな一面を見事に開拓してくれてもいます。
徹頭徹尾とにかくクールで思わず耳を傾けてしまう
聴き込めば聴き込むほど良さがにじみ出てくる、そんな曲です。

ちなみに10周年記念映画の主題歌でした。
映画の内容はV6全員出演するタイプの、良くも悪くもファン向け作品。

これ以降V6でその手のファン向け映画は作られませんでしたが、
各メンバーの役者としての飛躍っぷりを考えると、
20周年くらいの時期で
全員集合映画をまた撮ってても面白かったのかな、とも。


グッデイ!!(06年6月)★


シングル29枚目。
SMAPのSHAKEダイナマイトBANG BANGバカンスを担当した
コモリタミノル氏作曲。
曲はもう完全に上3曲の流れを汲む陽気な一曲。

明るく元気なダンスポップなのでV6らしいと言えばらしいですが、
ここまでハジけた曲はあんまり無かったので意外と新鮮。
「常夏!」な爽快感はドライブで流すのにもピッタリでしょう。

「SMAPっぽい曲ならSMAPが歌えばいいじゃん」
とか言ってはいけません。
それ言い出したらコモリタ曲大体そうなっちゃうし。

そして忘れてはいけない、
井ノ原氏出演でこの曲が主題歌になった「警視庁捜査一課9係」

人気ドラマになってくれたお陰で「9係主題歌はV6」という定番が生まれ
その結果、後輩グループ台頭で冷遇され気味だった時期も
間を空けずにシングルリリースすることが出来ました。
V6はテレ朝と渡瀬恒彦に足向けて寝られない。



……と、いうことで
Very best II時期までのシングル曲をご紹介いたしました。

初期とは違いユーロビート曲は全く歌わなくなったものの
この時期も激しいダンサブルな曲調は未だに続き
かつ初期から変わらぬ「色んな人へ向けての応援歌」要素も加わって

・ポジティブで前向き
・明るく元気
・たまにクールで大人な雰囲気


な、V6のパブリックイメージ
がしっかりと形成された期間だったと言えます。


これ以降は学校へ行こう!終了もあって
人気の面でかなり落ち着いてしまう時期が続くものの
楽曲自体のクオリティはavex印の確かなものが更に並びます。

何より次のSUPER Very best時期では
私が勝手にそう呼んでいる「トチ狂い3連作」が存在しており
V6の新しい魅力が開拓される瞬間が次々と訪れます。

よく知らない人からすれば
聞き覚えのない曲が増えるのは色々と面倒かもしれませんが、
知らない曲が増えたからもういいや……ではなく
知らないからこそ新しい魅力に触れてみる、のも面白いと思いますよ。

そんなわけで次回に続きます。

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