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もしも「Dancemania DELUX 6」が発売されていたら


先日Hyujiさんともあしさんと一緒にDancemania Radioという配信をさせていただき、思い出話や作曲者についてのディープな情報等、様々な話題が飛び交うとても楽しい時間を過ごさせてもらいました。

そんな配信の中で一度発表していた内容ですが
もし「Dancemania HYPER DELUX」ではなく「DELUX 6」が発売されていたら、一体どんな内容のアルバムになっていたのか……。
今回はその妄想について、この場をお借りして改めて文章として記録しておきたいと思います。

配信時に発表した内容から、時間を置いてより「それっぽく」なるよう更に内容を変えている部分もありますので、ラジオを聞いていた方も是非ご覧いただければと思います。


一応の前提知識として説明しますと、
1996年から発売されていたDancemaniaシリーズの中でも
「1年に1度の総集編」のような立ち位置で発売されていたのがDELUXというアルバムです。

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計6作発売されたDELUXシリーズのコンセプトは

セパレート音源収録
・その期間の総決算的選曲
・ノンストップ盤を含む2枚組

の3つ。

この3つの特徴はノンストップMIXで構成される既存のDancemaniaシリーズの相互互換として相性抜群で、各アルバムの代表曲をセパレート音源でじっくり楽しめるだけでなく、それらを一纏めにした上で改めてノンストップMIXとしても楽しめる、そんな本当の意味でのいいとこ取りが出来るシリーズでした。

ただ1997年から毎年リリースされていたはずのDELUXシリーズの中で、DELUX 5から一年後の2002年だけは何故か新作がリリースされませんでした。

DELUX新作が出なかった理由は色々と推察出来ますが、ちょうど例年であればDELUX新作が出る5月時期に、BEST盤扱いのREDYELLOWが出たからではないかという説がある程度有力でしょうか。

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色々と大人の事情があったんでしょうが、ともかくも2002年に発売されなかったDELUXは、一応2003年にHYPER DELUXとして待望の新作が発売されました。

ただ例年と違い2年分の総決算となった結果選出漏れしてしまった人気曲もかなり多く、Dancemaniaファンにとって内容に不満が少なくないアルバムであったことも事実です。


……ということで冒頭に帰ってくるのですが、今回の記事では
「2002年に出ていたであろうDELUX 6」
を妄想して楽しもうと思います。
前置きが長くなってしまい申し訳ありません。


曲については

2001年6月から2002年4月までに発売されたDancemaniaアルバム内の曲
②原則、HYPER DELUXに収録されていた①時期の曲は全て入れる
③個人的に好きな曲、東芝EMIが入れそうな曲をバランス良くセレクト

を意識して選んでいます。


ちなみに今回、各楽曲・各アルバムの情報はDiscog
imit8orさんのmonogliderを参考にさせていただきました。
Dancemaniaについての情報をまとめてくださっているimit8orさんやDiscog編集者の方々に深く感謝いたします。

早速ですがまずは一覧でリストアップいたします。
Remix表記については、いわゆる普通のRadio Editの場合のみその表記を省略いたします。

01.One More Time / Daft Punk(Dancemania 20)
02.Can't Get You Out of My Head / Kylie Minogue(21)
03.It's Raining Men (Almighty Mix) / Geri Halliwell(20)
04.COWGIRL / BAMBEE(HAPPY PARADISE 2)
05.Brazil (Carnival Radio Mix) / Bellini(22)
06.Witch Doctor (RM 2001 MIX) / Cartoons(GIANTS mania)
07.Telephone Operator / Pete Shelley(80's TWO)
08.Look At Us (Daddy DJ Mix) / Sarina Paris(ZIP 02)
09.Santa Maria (2002 Trance Radio Mix) / DJ Milano feat. Samantha Fox(22)
10.Long Train Runnin' / BUS STOP(21)
11.Let The Joy Rise (Thunderpuss Radio Mix) / Abigail(20)
12.A Minute / X-TREME(20)
13.IKO IKO / CAPTAIN JACK(21)
14.So Fabulous So Fierce(Freak Out) / Thunderpuss feat. Jocelyn Enriquez(20)
15.Eternal Flame / Rochelle(22)
16.Drifting Away / Lange feat. Skye(FantasiA 2)
17.Maximum Overdrive (KC Club Mix) / 2 Unlimited(21)
18.Set You Free (VooDoo & Serano Edit) / N-TRANCE(TRANCE mania)
19.Waka Laka (E=MC2 Mix) / Jenny Rom vs Zippers(SPEED 8)
20.Chiquitita (Ventura Mix) / E-ROTIC(HAPPY 2)
21.U Can't Touch This (2001 Super Bass Mix) / MC Hammer(BASS#10)

Dancemania Radioで語った内容から多少の変化はあるものの、こんな感じの21曲で選ばせてもらいました。

HYPER DELUXに入っていた6曲のうち、It's Raining MenLook At Usは原曲ではなくアレンジでの収録を想定。

DDR収録バージョンで個人的に馴染み深かったのと、何よりアレンジの方向性が非常にDancemaniaらしかったので、DELUXシリーズ的に入れるならこっちかなと思いHYPER DELUXとは違うパターンを考えてみました。


アルバムのトップバッターは大ネタ中の大ネタOne More Timeを抜擢。
ラジオでともあしさんが仰っていた通り、正直Dancemaniaの空気感とは割と違う曲ではあるのですが、とは言え入れられるなら入れときたい一曲だとも思うので1曲目に登場してもらうことに。


DELUX皆勤賞のCAPTAIN JACKとE-ROTICについては
CAPTAIN JACKはちょうど代表曲の一つIKO IKOが21に収録されていたのでそちらを。

E-ROTICはこの時期目立ったオリジナルの代表曲は無いのですが
HAPPY PARADISE 2にABBAのChiquititaカバーがユーロビートバージョンで入っていたので、レア音源のフル尺・セパレート化も兼ねて、そちらを収録してもらいたく選出いたしました。


トランス系統からは、DDRにも収録されたDrifting Away以外にSet You FreeSanta MariaのトランスRemixなどを。

ただSanta Maria 2002は恐らくRadio Editが存在せず、そのままでは7分近いフル尺で時間を食ってしまうので、このアルバムのために3分40秒くらいのRadio Editを作ってもらう想定(という名の妄想)で入れています。

Set You FreeはTRANCE maniaとFantasiA 2(X9)でアレンジが違うため、より多くのアルバムから選出することを意識してTRANCE mania収録バージョンで。


またEMIがベスト盤をリリースしたPete ShelleyのTelephone Operator
GIANTS maniaという変わり種アルバムにも収録されたWitch Doctor
BASS#10に新規アレンジで収録された有名曲U Can't Touch This
Dancemaniaの顔Samba De JaneiroのBelliniによる新曲Brazilあたりも
DELUXの枠組みで考えるとEMIがいかにも収録しそうかなと思い、今回選んでみました。


ラジオで語った際Dancemania 22からはBrazil、Santa Mariaに加えてL'Esperanzaを入れていたのですが、やや全体のトランス色が濃くなりすぎてDancemaniaらしさが薄れそうな気がしたので、トランス楽曲とDancemaniaっぽさとのバランスを追求した結果、AlmightyのEternal Flameを入れることに。


そして個人的にSPEEDシリーズから一曲何か入れたかったので最初はDoesn't Really Matterを考えていたのですが、CD全体で見た時に楽曲が「グルーヴ」に寄り過ぎて「ポップ」が極端に少なかったので、Dancemaniaリスナーへのアピールとポップ楽曲の補強とを兼ねてWaka Lakaを選んでみました。


残りの3曲はDDR収録で知名度が高く、何より楽曲自体の持つパワーが強く単体でかなりのヒキを作れるので非常に心強い存在だと思います。

ポップな楽曲が少ないので、そのキャッチーさがより映えるCOWGIRL
エネルギッシュなアレンジが魅力的なMaximum Overdrive
ThunderpussのクラブサウンドがDancemaniaらしさを際立たせるSo Fabulous So Fierce
これら3曲がセパレート音源で聴けるとなると、それだけで購買意欲を唆るに違いないでしょう。


……という独断と偏見と妄想で選んだ21曲が、自分が思う理想の「Dancemania DELUX 6」です。

が、これで終わりではありません。

DELUXシリーズの特徴はセパレート音源が収録されたDisc.1と、ノンストップMIXのDisc.2の2枚組構成。よって、ここからは今選んだ21曲で「ノンストップMIXのDisc.2」も考えてみたいと思います。


01.A Minute
02.One More Time
03.So Fabulous So Fierce(Freak Out)
04.Let The Joy Rise (Thunderpuss Radio Mix)
05.It's Raining Men (Almighty Mix)
06.Santa Maria (2002 Trance Radio Mix)
07.Set You Free (Rob Searle Club Mix)
08.Eternal Flame
09.Can't Get You Out of My Head (K&M's Mindprint Mix)
10.Drifting Away
11.Telephone Operator (Tony Castle Mobile Mix)
12.Look At Us (Almighty Mix)
13.Long Train Runnin'
14.Chiquitita (Ventura Mix)
15.Maximum Overdrive (KC Club Mix)
16.COWGIRL (KCP Re-edit)
17.Waka Laka (E=MC2 Mix)
18.Witch Doctor (Hyper KCP Remix)
19.U Can't Touch This (2001 Super Bass Mix)
20.IKO IKO (Dance Remix)
21.Brazil (Carnival Radio Mix)

まず前提として筆者はノンストップMIXを作る技術自体は無いため、ある程度頭の中でシミュレーションはしていますが、実際にこの曲順でやろうとすると無理が生じる場合もあるかもしれません。ご了承ください。


太字の曲は、Disc.1とはバージョン違いで収録する想定の曲たちです。

Disc.2でSet You FreeのFantasiA 2収録バージョンが入る、というのは多分(どっちがDisc.1に入るかの違いはあるでしょうが)本当にDELUX 6が出ていても有り得るラインだと思うので、個人的に気に入っています。


またWaka LakaがあるのでDELUX 4のようなSPEEDゾーンを作りたく、SPEEDアレンジが存在する中からWitch DoctorのKCPリミックスを選んでみました。


HAPPY PARADISE 2に収録されたCOWGIRLのRemixでテンポアップし、そのままWala Laka→Witch Doctor→U Can't Touch Thisのハイスピードゾーンを作りつつ、最終的にはそこからテンポを落としてBrazilで派手に〆る、というややトリッキーな構成で考えてみました。

実を言うとDisc.2でWaka Lakaの遅い原曲を入れるというクソ尖り選曲も考えたのですが、そっちで尖るよりは速くなってから敢えて遅くなる方のトリッキーさの方が面白いかなと思い、遅い原曲は未採用にしました。


……ということで、これで長々続いた「DELUX 6の妄想」も以上となります。

Dancemania DELUXシリーズのコンセプトの素晴らしさ、その曲目の豪華さは完成度の高いアルバムを1年に1度味わえる満足感に直結し、Dancemania自体が人気を保っていた要因にも大きく関わっていたはずです。

今回は「作られなかった新作」を妄想する記事ではありましたが、この記事を見られたDancemaniaリスナーの方々、もちろんそうでない方々も、是非ともこの機会にDancemania DELUXシリーズを聴いてみてはいかがでしょうか。

往年のハイクオリティなダンスポップやディスコミュージックをフル尺で楽しめそのままDancemaniaらしいノンストップMIXも楽しめる、素晴らしい6枚のアルバムがあなたを待っているはずです。

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