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『春待つ僕ら』完結記念 あなしん先生インタビュー 後編

デザート』誌上で、6年という長期にわたり連載された、あなしん先生『春待つ僕ら』。その最終巻が5/13(水)、ついに発売いたしました! 完結を飾る14巻には、番外編3編や描き下ろしなどを収録。今回は通常版と、ミニ画集付特装版が同時刊行となっております。

14巻表紙2

* 未読の方のために、あらすじをご紹介 *

春待つ僕ら』あらすじ
高校入学を機に、ぼっちで臆病な自分を変えたい!と願う女の子・美月(みつき)。その一歩がなかなか踏み出せずにいた矢先、バイト先のカフェで出会ったのは、同じ高校のバスケ部で有名な4人のイケメンだった。彼らと知り合った美月の日常は、そこから少しずつ変わり始めて──。

☆★☆ 作品紹介&1話試し読みはこちらから ☆★☆

この完結を記念してスピカワークスでは、連載を終えられたばかりのあなしん先生に、スペシャルインタビューを受けていただきました!連載を始めたきっかけや、創作上の工夫、キャラクターたちへの想い、そして次回作へのお気持ちなど、ここだけのお話をたっぷり伺っています!!

前編中編に続くこの後編では、『春待つ僕ら』の装丁秘話から読者の方への想いまで、余すところなくお話しいただいています。最後まで、ごゆっくりお楽しみください!

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◆1巻の表紙が生まれるまで


インタビュアー・Kさん(以下、K):さて次は、制作上のあれこれについてお聞かせください。『春待つ僕ら』(以下、『春僕』)の表紙ですが、当初のポップな色合いからパステルカラーに変わっていきました。また7巻あたりからは、2人のキャラクターが表紙を飾るようになり、そういったすべての変化が「可愛いな」と思っていました。どのような意図で、表紙のカラーや構図は決めていたのでしょうか。

あなしん先生(以下、あ):表紙のカラーは、デザイナーさんと担当の鈴木さんが全部決めてくれていました。私はいつも選ぶくらい。ちなみに1巻の表紙は最初、永久と美月の二人のつもりで絵を用意していたんですが、紆余曲折あって、最終的にカバーで使った絵は、違うもののために描いていた絵だったんです。

K:そうだったんですか!

あ:鈴木さんが「出来が良いから、こっちの絵にしませんか」と言ってくれて、決まりました。絵の変更によりデザインが変わり、表紙の色もああいうピンクの派手な色に。そのおかげでけっこう目立つカバーとなり、いろんな方に手に取ってもらえました。実はデザインの段階で、鈴木さんが試作のカバーを書店まで持っていき、当時書店員だったTさん(※現スピカワークス広報担当)に意見を聞いてくださったりもしていて。

K:私、先生の作品だと知らずに『春僕』の1巻を書店で手に取ったんです。その時の決め手は永久の服装と、表紙の色が真っ先に目に入ったことだったんですよ。「読んでみたい!」と思わせるカバーで、お見事だなって思いました(笑)。

あ:それはもう、鈴木マジック(笑) それまでは私、キャラが一人の表紙が嫌だったんですよ、自信がなくって。男の子一人で勝負するのが怖かった。だから最初は嫌だったんですけれど、鈴木さんに「この絵すごく良いよ」と言ってもらったので、そこから永久、瑠衣という感じで、順々に一人ずつ描いていきました。

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鈴木(以下、鈴):タイトルロゴも、1巻のカバーから変えたんですよ。連載時は違うタイトルロゴでした。

あ:1巻に収録された5話くらいまでが、もうちょっとキレイめなロゴで。その後は今の、ポップな感じになっています。

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K:デザインすべてが、たくさんの変更や時間を経て出来上がったものなんですね。

◆作品へのこだわりと声援の力


K:先生が『春僕』の中で、一番のこだわりを挙げるとしたらどんな点でしょう。

あ:そうですね、どんな点……。自分では本当に、「楽しかった=無意識に、苦しまずに描けた」という感じだったんです。だからこだわりと言うとちょっと違うのかもしれませんが。やっぱり一番は「わちゃわちゃした部分」が好きだったのかなと思っています。客観的に見たら、そこがこだわりみたいなところなのかもしれません。

K:キャラがみんなで「わちゃわちゃしてる」シーンは本当に楽しくて、ずっと混ざっていたくなりました。終わってしまうのは本当にさみしいのですが、先生と『春僕』の今後についてお聞かせください。『春僕』の本編や番外編では描くことができなかったけれども、今後が決まっていたキャラクターたちのお話はありますか?

あ:うーん、そのあたりはちょっと秘密といいますか (笑)。

K:わかりました。もし先生がいつかSNSなどで、そのあたりをちょこちょこっと描いてくださることがあったら、それを見てほんわかすることにしますね(笑)。

あ:そうしてください! 絵や遊び漫画だったら、SNSに描くこともあるかもしれません。

K:SNS上で先生の落描きツイートに寄せられる、読者の方のコメントも励みになっていますか?

あ:もちろん! 私、返信が多いからか「読者の方に対して優しいですね」と言われるんですけれど、SNSはへこんだ時に見ることが多くて。お話を考えて「どうしようかな」って悩んだりした時や、メンタル的につまずいた時にコメントを見るとモチベーションを上げてもらえるので、読者の方のために返信しているというよりは、毎回「助けて!」という気持ちと「ありがとう!」という気持ちでお返事しています。気分転換にもなりますし、癒されるので。感謝感激で涙流しながら見ています!

インタビュアー・Sさん(以下、作):今後についても伺わせてください。お休みの期間で何か挑戦してみたいこと、やってみたいことや始めたいことってありますか? 少女漫画に関わることでも、他の事でも。

あ:少女漫画以外で、たとえば「少年漫画や青年漫画を描いてみたい」とか、そういう気持ちは一切ないんです。これから漫画を描いていくとしても、同じようなスタンスの漫画しか私はたぶん描けないので。でも、同じようなジャンルだとしても、少し大人っぽい話だったり、男の子を主人公にするとか、そういう意味で今までとは違うものにも挑戦してみたいなとは思っています。

S:めちゃめちゃ楽しみにしてます! ちなみにコミックの中で、「連載が落ち着いたらお父様と富士山に登りたい」と書かれていましたが、そちらは?

あ:登りたい!と思っていたんですが、世の中がこんな状況になってしまい……。理想は、最終巻で「行きました」っていうルポ漫画を描きたかったんですけどね(笑)。

S:今後もし富士山に登られたら、ぜひ漫画に描いてほしいです! では最後に、ファンの方に向けてのメッセージを。

あ:もう、感謝の一言しかありません。もう本当に、どれだけ助けられたかわからないので。漫画でお返しできていけたら良いなとも思いますし、これからももし応援してもらえるならば、楽しんでいただけるように頑張りたいので、よろしくお願いいたします! 本当にありがとうございました。

K:長時間にわたるインタビュー、ありがとうございました!

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 前中後編の全3回にわたってお送りしました、あなしん先生の超ロングインタビュー! お楽しみいただけたでしょうか。

連載開始前の秘話や、キャラクター付けに関する先生の想いの深さなど、作品にまつわるお話を伺ってから『春僕』の世界にあらためて触れてみると、また違った読み方ができるかもしれません。インタビューを読み返しながら、ぜひこの機会に1巻からご再読ください!

そして2020/5/23(土)発売の『デザート 7月号』では、『春待つ僕ら』14巻発売と連動し、応募者全員に特製全巻収納BOXをプレゼントする企画が始動! イラストはもちろん描き下ろし、先生のスペシャルメッセージペーパーも付きますよ!! どうぞお見逃しなく。

さらにさらに、ここでもう一つビッグなお知らせが!

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☆★☆ 2020年秋、「あなしん展」開催決定!! ☆★☆

開催場所は、表参道にあるギャラリーGoFa(Gallery Of Fantasic Art)さんにて。詳細は後日、デザート編集部さんとGoFaさんのサイト、およびスピカワークスのTwitterInstagramでご案内します。詳細はそれまで、もうしばらくお待ちくださいね。

『春待つ僕ら』は完結を迎えましたが、あなしん先生が今後描かれていく作品にも、みなさまの応援をどうぞよろしくお願いいたします!

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<あなしん先生の代表作・ご紹介>

★『ヒレントリップ
マンガ家をめざす高校1年生・葵美羽(あおい・みう)は、生徒会長の三科煌星(みしな・こうせい)に思いを寄せている。少しでも彼に近づきたい美羽は、生徒会に入ろうと試みるが叶わない。だがある時、美羽の描いたポスターが、思いがけず生徒会を救うことになって……?!

ヒレントリップ

★『あくまで恋しよう

あくまで恋しよう

★『ユメコイ

ユメコイ

★『あなしん初期作品集 3+1サンプライチ

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