【終演報告】38.9分の夜
INDEPENDENT:SND19が終わりました。振り返りと、御礼をば。
演劇ユニット箱庭のあやなみちゃんから、出演オファーを受けたのは平成の終わりが迫る桜の頃。
渡された脚本は長門ちゃんが執筆したもの。
そこに込められていたのは、女としての生きづらさ、情念、痛み。
長門ちゃんが抱える痛みに圧倒されてしまって私には演じられない、と思いました。
一度はオファーを断ったほど。
でも、長門ちゃんの脚本に共感した私がいたことも事実で、分かってしまう自分が怖かった。
私の中にも間違いなく横たわっている「女もツライよ」問題。
怒りや憎しみは絶対に人の心に届かないから、
エンタメに昇華したくて、何度も脚本について3人で話し合いました。
エンタメにするために。
ただの創り手のカタルシスで終わらせないために。
お客さんに届けるために。
そしたら高村智恵子が現れました。
彼女は私たちの痛みをよく代弁してくれて、人前に出すことができないような暗い感情を、物語に変えてくれました。智恵子の言葉ならあるいは…。
ずーっと試してみたかったことも入れてもらいました。
身体を使って、言葉以外の手段で、伝えるということ。言葉では伝えられないことも、踊りならあるいは…。
いつだって、舞台は全力絞り出してますが、特に今回は、この舞台でパーっと燃え尽きて終わろうと思って臨んだ舞台でした。
それでも、やはりお客様があたたかく受け止めて打ち返してくださって…
一方的に言い逃げして、言い尽くして、燃え尽きて終わり!!!にはならなかった。
まだチロチロと影が揺れています。
なーんだ、この火は、私の生命の火だったんだな。
生きている以上、言いたいこと、伝えたいこと、願いが次々と生まれて消えない。
とはいえ、一応、役者は無期限休業。
今はとりあえず日常に戻ります。
(またそのうち伝えたいことができて、舞台にそれをのせたくなるかもしれないので、引退ではなく、休業です)
このチャンスをくれた箱庭、一緒に創ったメンバー、強力なサポートをしてくださったスタッフの皆様、親切な共演者の皆様、そして、ご来場いただいたお客様に感謝です。
またどこかでご縁があったら嬉しいです。
このお芝居を通して出会った皆さん、それぞれのご活躍を祈っています。
しゅー
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