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受託でアジャイル開発なんてできるの?エンジニア事業部長が実態を明かす

こんにちは。スパイスファクトリー(以下、スパイス)のDigital Service Development Divisionというエンジニアが所属する部署の事業部長をしている平山です。
本記事では、受託でありながらアジャイル開発をしているスパイスの開発の実態を、課題や魅力とともにご紹介します。


アジャイル開発とは

アジャイル開発とは、反復的なアプローチによって柔軟な要件変更への対応を実現する開発手法です。継続的な開発サイクルの中でユーザーのニーズを満たすことのできるサービスへと変化し続けることが可能です。
一般的に比較対象として語られることの多いウォーターフォール開発とは、この”柔軟さ”という点で区別されます。

受託におけるアジャイル開発の課題

”柔軟さ”とは、言い換えると要件や仕様が”決まらない”と捉えることもできてしまいます。クライアント側に予算や期間の縛りがあることの多い受託開発の案件において、アジャイル開発への不安感を持たれるのは主にこの点が要因ではないでしょうか。予算や納期をオーバーしてもサービスが完成しないのではないか、という不安です。

作るべきものの完成図がクライアント側で見えている場合には、完成までの見積もりがいかに正確で、それをその通りに実現するエンジニアを招集するかということの方が確かに重要かもしれません。

しかし、サービスには正解がありません。多額の開発費用を投資したサービスが実際にユーザーの手で利用されるまで、どういった評価を得られるかは見通しのたたない不確定なものです。クライアントも「なぜこのサービスを作りたいか」という思いは持ちつつも、「それをどう実現すれば良いのか」が分からずスパイスにご相談をいただきます。受託だからこそ、アジャイル開発によって課題解決できることがあると思っています。

スパイスでの成功要因

スパイスでは、アジャイル開発のフレームワークの1つであるスクラム開発を用いることが多いです。プロダクトオーナー(以下、PO)、スクラムマスター、開発メンバーでチームを構成し、サービス開発にあたります。

特に重要なのは、そのPOの役割をクライアントのご担当者に担っていただくことです。POとしてチームに入っていただくことで、”一緒に”開発を進めることが可能になります。ウィークリーのミーティングにも参加いただくことで、これは単なる報告の場ではなく次の期間の開発で何を作っていくのかを共同で検討する場となります。

さらに、アジャイル開発を採用した経験がないクライアントには、この開発手法についての説明やワークショップを行った後にプロジェクトを開始します。これにより、不安を取り除き、スムーズなスタートを切ることができます。

そして、開発プロセスでは、作成された成果物や浮上した課題に対して、POから短いサイクルでフィードバックを行います。このアプローチによりサービスの方向性を定め、短い期間ごとに成果を出し、進捗と完成度に対する実感を高めることが可能になります。

具体的な案件での取組

スパイスにおけるスクラム開発を用いた案件事例を2つ紹介します。   

事例1

前述のようなチーム体制を構築し進めたプロジェクトの1つは、ウォーターフォール型の開発しか行ったことがないクライアントでした。当初はアジャイル開発に懐疑的な意見をお持ちでしたが、複数のスプリントを回して成果を共有した結果、すぐに前向きな印象を持っていただけました。この案件では、クライアントのエンジニアも一緒に開発を進めました。スパイスのエンジニアと1つのチームを組むことによって、協力して開発を行う体制がどんどんと強固になっていきました。スパイスの開発手法やスキルがクライアント側が持つコンテキストと上手く噛み合い、良い結果が生まれる実感が現場で得られました。

事例2

エンジニアだけでなく、デザイナーなど他の職種のメンバーも参加して進めているケースもあります。このプロジェクトでは、POとすり合わせた仕様をもとに、開発・デザインの両面からスプリントごとにレビューを行い、改善を継続しています。加えて開発するサービスが、クライアントの社内で利用されるサービスのため、実際の利用者のフィードバックを受けてすぐに改善することが可能です。既存のサービスでは参考にできるベンチマークがないということもあり、クライアントの「こうしたい」を具体的にヒアリングしサービス開発で実現しています。これらはアジャイル開発に対応しているからこそできている価値提供であると思います。

アジャイル開発の魅力

スパイスでは作って終わりではなく、長期にお付き合いし一緒にサービスを開発しているクライアントが多数います。何度も行われるフィードバックとそれに対応していく過程によって、クライアントの”作りたい思い”はスパイスの開発メンバーにも共有されていきます。認識をより強固に共有しながら開発をしていくことができる、それがまさにアジャイル開発の魅力だと思っています。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。本記事では、受託でアジャイル開発をしているスパイスの開発の実態を、課題や魅力とともにご紹介しました。 
スパイスではRuby on Railsをはじめ、React・AWSなどを基盤技術にした開発を行っています。アジャイル開発やこれらの技術に興味のある方はぜひご連絡ください。

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Writer: [Digital Service Development Div. Engineer] YASUSHI MORITA