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夢日記①~20年間~

(2012年頃に見た夢のお話です。メモ機能に残っていたので…)

私は夢の世界で生まれて20年ほどそこで生活をしていました。

長野県のどこかの田舎ということくらいしかわかりませんでした。こっちとは同じ世界だけど次元が全く違うという感じです。

町はずれに「夢の世界・サイハラ」と彫られた木の看板が立っていました。(私はサイハラって読んでいたのですがもしかしたらサイハテだったのかもしれません)

その夢の世界サイハラっていうところからは一度も出たことがありませんでした。出るっていう概念もなかったので…。

小さい頃からずっとユミコという子と一緒に遊んでいました。唯一無二という感じで親友だったんです。

夢の世界にある物はこっちとは一緒なのですが全体的に綺麗でした。汚れとかごみとか今思えばなかったです。私にはリカコというパーマをかけた母親がいて、ユミコには静かな祖父母がいました。

夢の世界なので非現実的なことが毎日起こります。

例えば、朝起きたらキリンが食卓にいたりとかお兄ちゃんなんていたことなかったのに一緒にゲームをしようよみたいなことを言って登場してきたりとかです。

毎日そういうことが日常的に起こっていたので、特に気にしていませんでした。

夢の世界で起こる非現実的なことは私たちには特に害や悪意があるものはなかったので…。

変なことが起こる、それが普通!みたいな感じです。

ユミコと今日はこんな変なことがあったよーって言って笑っていました。

小中高とここで過ごしていましたが将来などは夢の世界では関係ないのでお互いフリーターみたいになっていました。

夢の世界で起こる非現実的なことは現実を超えることはありませんでした。

どういうことかというと、あそこに学校が急にできたよ、とか急に(今まで見たこともないのに)友達が寄ってきたよ、とかはあるけど…空を飛べたり魔法を使ったりはできないということです。

私たちは夢の世界で生活しているので普通に睡眠をして夢を見ます。

ある時からその睡眠時の夢の中なら、ありえないことができる、とわかるようになりました。夢の中なら空も飛べるし魔法も使えるのです。

どういえばいいのかな?身体は寝ているけど脳だけは動いているっていう感じかな。幽体離脱みたいに魂だけで動けるみたいな。。。

それを「夢遊び」と名付けました。夢遊びを2人でできるんじゃないかって思ってお互いの夢をリンクさせてみることにしました。

2人で魔法少女になったり、宇宙に行ったり、ジャングル探検をしたり、人魚になったり…と睡眠時の夢の中でも一緒に遊びました。

ただ、この夢遊びには決まりがあるのです。

それはお互いが同じ認識を共有していないといけないのです。

同じ認識を共有しないと目的の場所にはつけないので、行っても会えないことがありました。

なので私たちはお互いがこれから遊ぶ場所の認識を起きている間に共有すること、そして念のため待ち合わせ場所はお互いが知っているサイハラにある場所にしていました。

これはお互いが夢遊びを確立するまでに何度も試してみてわかったことでした。

そんな平和な生活を2人で送っていたある日、私の家に勧誘がきました。インターホンが鳴り、母親のリカコがでました。男の人がドアをあけたところに見えます、勧誘のお兄さん?おじさん?が私のお家にきました。

誰かが家に来ることは特に珍しくなかったのでいつもなら気にしなかったのですが、お母さんの向こう側にいる男性が異様に現実的でなんか違和感を覚えました。異様に現実的というのは、汗や毛穴やら人間みたいという感じです。勿論私達も人間なのですが…私たちは全体的に綺麗だったので…。

でも変なことは日常茶飯事だったのですぐに忘れてユミコと遊んで夜には家に帰りました。

その日の晩はユミコと「夢遊び」をする約束をしていて、眠りにつきました。

「夢遊び」での待ち合わせの場所は今回はユミコの部屋でした。

深夜になってユミコとの約束の時間になったので「夢遊び」を始めようと魂だけ起きました。

すると、昼間見た勧誘の男が後ろ向きで隣に寝ていたのです。

かなりビクッとしましたが私は魂だけだったので相手には気づかれませんでした。

夢の世界で悪意のある不可思議なことはなかったので、すごく怖くて焦ってユミコの部屋に行きました。ユミコは部屋で待っていました。

夢の世界で怖いってことがなかったので私は泣きながらユミコに説明しました。魂だけがユミコの部屋にあるので自分の身体を部屋に置いてきている状態で気が気ではなくて。普通に犯されるって思ってました。

ユミコの魂に来てもらおうと思ったのですがユミコは相手のことを認識していないので部屋には入れるけど相手を見れません。

今部屋に戻って起きたら身体が殺されてたら最悪だって思い始めて…。20年ほど辛いことはなくのほほんと生きてたので本当に怖くて

ユミコと今まであった楽しいことを手短に話して泣きながらありがとうって言いました。

ぎゅうって抱き合って、私は私の部屋で起きてユミコはすぐ体に戻ってきてくれるという約束をし、私は自分の部屋で目を覚ましました。

部屋で起きたらなんてことはなくて誰もいなくてあー大したことなかったんだー夢の世界だからたまたま変なことがあっただけなんだーいつものことかーって思いました。

でもユミコのことをすぐ思い出しユミコに伝えに行こうって焦って家を出ました。

すると家の前は大きな崖になっていたのです。

明らかに夢の世界がおかしい方向に行っているように思えて焦って家に入りました。

ドアを開けたらその男が目の前に包丁を持って立っていました。男は何かを言っているのですが壊れたラジオみたいな音でただただ怖かったです。

人生で初めて冷や汗がどっとでて、その男にブスリとお腹を刺されました。

すっごく痛かったです。夢の世界では、怖いとか痛いとかなかったので初めての痛みに震えました。

痛いって思ってたら急に男の汗の匂いが鼻につきました。そういえば臭いも夢の世界では無かった現象でした。

周りの風景がだんだん現実になってきました。

綺麗な床には木目が見えるようになって…みたいな。物は全部一緒なんだけどリアル感が出てきたという感じです。私自身にも手のシワがでてきて。

もうとりあえず心底痛くて血は苦くて(苦いのも初めてでした)もう1人じゃ立てなくて前につんのめってしまって、男はまだビービーだかガーガーだか言ってるんです。

私も意識が朦朧として、だんだん男の顔がぐにゃぐにゃしてきて男の背がどんどん縮んでいくんです。

気付いたら幼いユミコの顔になっていて…私はもう立てないので小さいユミコに覆いかぶさるようになってしまいました。

小さいユミコは綺麗なままで

ガーガー言っていた音がピタッと止まって

「〇〇は夢の世界からリタイアね。」

って初めて自分の名前を言われたんです。

そこでバッと起きました。

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起きても何も理解できなくて泣きながらユミコはどこ?と探しました。すぐに現実だと受け入れきれなくてユミコユミコ、、、とめそめそしていました。ここがどこかもわからなく途方に暮れ、ユミコを助けなきゃと思ったんですけど、次元が違いすぎてどうしていいかわかりませんでした。今でもどこかにあの世界があるような気がします。


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