#90 静寂へと難破したあたし
#88で書いたKinKi Kids「Topaz Love」の
歌詞考察の後半だ。
それでは早速行ってみよう(嫌な始まり方!)
2番の始まり。
「水の中に潜ったような」
「静寂へと難破したあたし」
この歌詞は数あるSTARTOグループの楽曲の中で1,2を争うくらい好きな歌詞だ。
目を瞑ってこの歌詞の部分のメロディーを聴くと静寂に包まれた水の中に潜っているように感じることが出来る。
この没入感を味わえるだけでも最高なのだが、
このフレーズは「突発性難聴」の症状や
経験を表現している印象的なフレーズだなと考えている。
音が全く聴こえない水の中に潜ってずっとそこから抜け出せない。突発性難聴になったことがないから分からないが多分そういった症状なのだと思う。
加えて前回noteの最後に
意中の男性には好きな女の人がいて
あまりにもその人が綺麗すぎて自分は勝てないから気持ちを抑えているのでは?という話をしたと思うのだが、その気持ちを抑えた後が
この歌詞に表現されている。
無理やり男性を忘れようとしているけれども
悲しみと切なさに包まれるようになり、深い水の奥に難破してしまったのだと思う。
美しい歌詞の中にある辛さが
よりこの歌詞の良さを引き立てているんだなぁ… (腹立つコメントだな!)
この歌詞が少し解釈が難しくて。
先ほどの歌詞で失恋したのでは?という話をしたと思うのだが
「探し求めてた物語り」は男性と結ばれることで「辿り着きそう」という言葉は何か手応えを感じている証拠だろう。
難しい。「辿り着きそう」と着きそうで
つかないことを表現しているので
この言葉の後に本来なら「だけど辿り着けない」が入るかもしれない。
その解釈の方が流れ的に合っているか。
切ない歌詞だなぁ…。
曲のラスト。光一さんと剛さんの2人の
掛け合いパートの一部分。
女性から男性へ言葉なのか?
それとも女性の自問自答なのか?
告白を怖がって自分に嘘をついた状態で恋をするのを躊躇っているのか。
男性も恋をしているが、誰かと結ばれる恋を
避けていて自分の心に嘘をついている。
どちらとも解釈できる歌詞だ。
こういう解釈が沢山できる歌詞の方が面白いよね…正解は何なのか!って考える時間が
楽しい!
「廻り逢ったくせに結ばれず」これは片思いのままで両思いにはなれなかったということで間違いないと思うのだが、「夢の途中」というフレーズがあるのでまだ諦めきれてないという気持ちが伝わってくる。
「くせに」がせっかく会えたのに思いを伝えられない自分を軽蔑しているようにも読み取れる。
「覚めないあなたが痛いよ」は
あなたへの気持ちがなかなか覚めないから
胸が痛いよということなのか。
それとも自分の弱い心に痛いと言っているのか。これも解釈が分かれると思う。
「痛い」は剛さんの突発性難聴の症状に対する思いも含まれている。
それぞれが違う歌詞を歌う掛け合いパートは
この剛さんパートの「痛いよ」と
という光一さんパートの「いたいよ」の部分で
ピタッと重なる。
最後にガチっと2人の声が重なる瞬間は
鳥肌ものだ。ずっと2人だけで歩んできた長い道のりがあるからこそ奏でられるハーモニーだと思う。
この独自の考察を含めて是非
「Topaz Love」を聴いてみてもらいたい。
ここまで前後編に分けて長々と文字で解説してきたが、この解釈は正解ではないので曲を聴いてもらってそれぞれの解釈をしてもらいたい。
「愛のかたまり」もそうなのだが
2人の描く恋物語はどうしてここまで切なく
美しいのだろうか。
是非是非「Topaz Love」のような共作曲がいくつか存在しているので沢山聴いてもらいたい。
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