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#25 会話中、人の目を見れない人が勇気を出して目を見たら

「話を聞く時はちゃんと目を見てくれるのに、自分の話をする時は一切こっちを見てくれないのね」


初対面の女性に言われてしまった。




塾での授業。しっかり自分の目を見てみると、誰とも目線を合わせていないことに気がつくだろう。



中学の時に全校生徒の前で堂々と1人で歌ったり踊ったりしていたが、実は誰の目も見ていない。




おでこ辺りをみて、
あたかも皆さんの目を見てますよという雰囲気だけを醸し出しているだけなのである。




それで何年もやり過ごしてきた。なのに
初対面で1人の女性に見抜かれてしまうとは。
恐るべし。


恥ずかしいのだ。目を見るのが。

「良くそんなに人前で堂々としてられるね」
「別人みたいになるよね」


良く褒めていただける。とてもありがたい。
ただ、そうではない。

人の目をまじまじと見なくて良いから、
誤魔化すことが可能だから、
沢山の人の前で堂々としているように見せることが事が出来ているだけなのだ。

(太字にすることだろうか。カッコ良い言葉では決してないよね!)

人前に立った時の自分が凄いなと思った皆さん
ごめんなさい。そうでもないんです。笑


今日は面接があった。最初の質問で
(あ、目を合わせられてない)
ということに気づき、2問目からは
目をバッキバッキに開けて面接官の顔を見ていた。
(面接官の人は怖かったと思う。急に顔が変わるんだからね。)

意識すればなんとかなるが、
その意識が続くのはせいぜい20分くらいだ。


今回は20分くらいで終わったから良かったが、1時間弱の面接はとてもとてもキツい。


20年間人の目を見ないで生きてきたもんだから目を見る訓練なんてしたって変わりがない。
ただ、少しくらいやってみようかと思い


イトーヨーカドーの銀だこでしっかりと店員さんの目を見て注文してみよう!
YouTubeの企画くらいのテンションで
実践してみた。


目をバッキバッキにさせて
自分「たこ焼き、持ち帰りで。」

優しそうな女性の店員さん
「お会計はどうなさいますか?」


いつもなら下を向いて
「PayPayで」「現金で」というのだが
今日は違う。
思い切って堂々と言ってみようか!




「WAONで!」




店員さんがよく分からないけど困った顔をしてる。



ん?聞こえなかったのかな?




2倍くらいのボリュームの声で 
「WAONで!」




それでも困っている。どうしたもんか。


少し考えていると
店員さんが思い切って口を開く。




「お客様ここはイオンではございません。」




自分の顔が見る見る赤くなり、
堂々した顔はいつもの顔に。
高かった目線は気がつけばカウンターのメニューまで下がっていた。




イトーヨーカドーではWAONではなく
nanacoを使わなくてはいけないのだ。
(何というか恥ずかしいミスを…)



あれだけ自信満々に。今日こそはしっかりと人の目を見るぞ!と言っておきながら。



早くこの場を去りたい。
逃げるように言葉を吐き出した。




「すみません現金で。」

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