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#14 ハンガーといっしょ

電車を降りたらハンガーがホームに落ちていたという不思議な体験をした事がある人はいるだろうか。


1限の授業に出席する時は、通勤ラッシュで体力を奪われるのが嫌なので毎回5時台の電車に乗って大学に通っている。夏の朝4時起きはあまり苦ではないのだが、冬は地獄である。




機嫌が悪くなることはないが、寝ぼけた状態で朝ごはんを食べ、歯を磨き、着替えて、ハンガーにかかっている上着を取り家を出る。


その日は今思えば変だった。
上着を無理やり引っ張って
ハンガーから外したはずなのに、
上着がかかっていたハンガーが一瞬にしてなくなっていた。
まあどこかに落ちているだろう。帰ってきたら探そう。











電車に乗るのは大体1時間半。最初の30分くらいは立っていて、残りの1時間くらいは端っこの席に座っている事が多い。





その電車の終点まで行くのだが、その日は乗っている車両に自分しかいなかった。




いつも通り電車から降りると





ポト。






目の前にハンガーが。








思考が数秒停止し、何かを察したのか無意識にそのハンガーを拾いバックの中にしまった。








時間が経つと思考が開始され、徐々に恥ずかしくなってくる。幸いにも周りに人がいなかったので、誰にも見られていないと思うが、もし誰かいたらと思うと…。





何が起こったのか。
そこからずっと考えていた。





上着をハンガーから引っ張った時にハンガーが上着の中に入ったのだろう。だから落ちたんだな。結論が出てスッキリし…









ていない!!!!!







電車の中で30分間立ち続けて、最初の乗り換えで階段やエスカレーターを使った。そして何分か立った後に席に座った。






いやなぜその時間でハンガーが落ちてこなかったんだ!?





階段やエスカレーターではなく電車から降りたタイミングで落ちてくるかね!?








一体あのハンガーはどのような状態で私の背中にくっついていたのか。なぜあのタイミングで落ちてきたのか。謎は深まるばかりだ。










背中にハンガーが入ってたことに気がつかなかった自分も怖いよなぁ…。と、この文章を書きながら改めて振り返るのであった。












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