待ち焦がれる人たち

病院というのは本当にその人の性格が出るところだと思う。

私は,9週間ごとに検査があるが,予後十数年経ってるし慣れたもんである。今日はかばんに佐藤俊樹さんの『社会は情報化の夢を見る』を入れてきた。余談だが,社会学に関心のある方にはこの本はおすすめである。何故ならこの本は(自称)社会学者の言う「情報化社会」の言説がどういうものなのか痛烈に指摘してくるからだ。これを読んだら「◯◯社会学」なんてタイトルの本は馬鹿らしくて買えなくなる(笑)

というわけで,やけに待ち時間の多い検査をこなしつつ本を読んだりしているのだが,病院(Clinic じゃなくて Hospital)というところは本当に色んな人がいる。そして患者だけじゃなくて付き添いの人たちも大勢いるので更にchaosなことになっている。

待ち時間にぶつぶつ文句をいう人は年寄り,それも男性が多い。「あの人は自分よりあとから来たのに先に呼ばれた」とか言うのもだいたい年寄りで男性である。

患者の優先順位は難しい。しんどい人ほど優先すべきなんだろうけど,それを見抜くのは Hospital では難しいんじゃないだろうか。私見だが余程のことでもない限り,最初にかかるのは Hospital より Clinic のほうがいいと思う。ちなみに広島市民病院では他病院からの紹介状があると初診料が安くなる。(他所もそうかもしれないけど)

病気でヘコんでいる人も多い。これは何故か若い女性が多いような気がする。病気になるのは自身の所為ではないんだけどね。まぁ世の中にはそう言って相手を攻めるバカもいるんだけど。

病気というのは大概「想定外」の出来事である。そこでどういう行動をとるかでその人のコアな部分が顕わになる。言ってみれば,むき出しの「自分」達が一同に会す場所が病院なのだ。「自分探し」をしている若者は一度病院に行ってみたらいいよ。「本当の自分」なるものが何なのかハッキリするから。それから「想定外」にうろたえるお役人や企業を見てバッシングしてる人たちも自分が病気になったらどうなるか見ものではある(笑)

というわけで,病院の待ち時間は man watching の機会でもあるのでした。