宮城県丸森で災害ボランティアしてきました。⑵現地の様子


1時間ほどバスに揺られて、丸森に入った。
活動の拠点となるボランティアセンターは、丸森町役場からほど近い、もともとスーパーかホームセンターだったような構造の建物に設置されている。
一般のボランティアは朝ここに集合し、場所と仕事を割り振られる。

我々バスツアー組は、数グループに分かれ特に人数が必要な地区にまとめて向かうことになったので、保険の加入のみ行った。

我々の担当する地区は、阿武隈川の支流すぐそばの集落だった。
膨大な量の土砂が流れ込み大きな被害を受けながら、数週間にわたって冠水が続いたことで復旧作業が進んでいなかった。

現地の様子は想像以上だった。
バスから下車してすぐ目に入ったのは、畑らしき開けた土地に半ば埋もれた冷蔵庫だ。
地区全体を濁流と土砂が襲ったから、どこがもともとの地面かもよく分からない。
場所によっては、家の一階部分の半分ほどの高さまで土砂が堆積している。押し崩され、倒壊してしまった家屋もあった。

そこでの我々の仕事は、家や家の敷地に流入し堆積した泥を、スコップでひたすら掻きだすことだ。

家主の方に挨拶をするが、心身ともに疲れ切った様子で、会話も続かない。
「東京から来ました。頑張ります」
せいぜい、こんなものである。

結局のところ、私が今できることと言えば、黙々とスコップを振るうくらいしかないのだと思った。

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