摩擦円_サムネ

【摩擦円:Friction Circle】デッキ解説

 お久しぶりです。ノイズと申します。

 先日、第六回 ”鳥オフ” に参加してきました。その名の通り「鳥」の形をしたモンスターで戦うオフ会です。主催者の火界さん、紫蘭さん、お疲れさまでした。すごく楽しかったです。

 今回はそこで使用したデッキ【摩擦円】を紹介します。
 早速ですが、レシピは以下の通りです。

【摩擦円】

スクリーンショット (20)

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《重爆撃禽 ボム・フェネクス》
融合・効果モンスター(制限カード)
星8/炎属性/炎族/攻2800/守2300
機械族モンスター+炎族モンスター
自分のメインフェイズ時、フィールド上に存在するカード1枚につき
300ポイントダメージを相手ライフに与える事ができる。
この効果を発動するターンこのカードは攻撃する事ができない。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 僕が選んだ鳥です。彼を最大限に生かすデッキを組みました。

・デッキの経緯

 この鳥、攻撃をしません。相手のLPを焼失させることしか能のない鳥なのです。そんな彼を輝かせるには「場にカードをたくさん置く」ことはもちろん、「融合素材のそろえ方」という過程の部分にも注目する必要があると考えました。

 特に、炎族。

 融合素材用の炎族としてよく挙げられるのは《ヴォルカニック》の連中ですが、一際強力な《バックショット》が相手の場を焼け野原にしてしまい、後から出てくるボムフェネクスの威力を損なわせてしまうのです。何よりも、準備段階で相手の鳥モンスターを殺したくない。コンセプトの都合で、彼らを真っ先に切り離しました。ごめんね。

 …ところで、《プランキッズ・プランク》という永続魔法をご存知でしょうか。前から使いたいと思っていたカードなんですが。

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《プランキッズ・プランク》
永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札から「プランキッズ」カード1枚を捨てて発動できる。自分フィールドに「プランキッズトークン」(炎族・炎・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。このトークンはリリースできない。
(2):自分エンドフェイズに「プランキッズ・プランク」以外の自分の墓地の「プランキッズ」カード3枚を対象として発動できる。
そのカード3枚をデッキに加えてシャッフルする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする

 手札のプランキッズを切ることで炎族のトークンを生み出すことができ、これで融合素材を確保。墓地のプランキッズをデッキに戻して1ドローできるので、融合したあとの手札消費もカバー。永続魔法なので魔法&罠ゾーンに居座り、ボムフェネクスの火力にも貢献。
 …合格です。このカードが軸になりました。

 さらに、この《プランク》の条件を同時に全てクリアする鳥が存在します。

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《プランキッズ・ドゥードゥル》
リンク・効果モンスター
リンク2/風属性/雷族/攻2000
【リンクマーカー:左/下】
「プランキッズ」モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「プランキッズ」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):このカードをリリースし、リンクモンスター以外の
自分の墓地の「プランキッズ」カード2枚を対象として発動できる(同名カードは1枚まで)。
そのカードを手札に加える。

 なんとこの鳥、《プランク》をサーチするだけに飽き足らず、その手札コスト用のプランキッズを墓地から拾うことができます。
 つまり、彼さえ出してしまえば、炎族を沸かせる準備が整うのです。

 しかし、リンク素材に課せられる「プランキッズ2体」の条件が難しい。メインデッキに入るプランキッズ4種は属性・種族・レベル全てが異なり、そのうちの2体を場に出せるカードは非常に限られています。
 プランキッズが同カテゴリ内で完結せざるを得ない、パーツでの出張が難しい理由の大きな1つでしょう。

 この点に関してはひどく悩んだのですが…

 結局《パケットリンク》でゴリ押しました。

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《パケットリンク》
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分・相手のメインフェイズ2に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地のレベル2以下のモンスターを任意の数だけ選び、
フィールドのリンクモンスターのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。

 《パケットリンク》で、プランキッズ《パルス》《ドロップ》をいっぺんに出します。さらに通常罠であるため《トラップトリック》で用意することも可能で、初動として使われることも昨今では現実味を帯びています。デッキ構築がやや極端になるのはさておき。

 そして、この特殊召喚先となるリンクマーカーを用意しなければならないわけですが…

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《クリフォート・ゲニウス》
リンク・効果モンスター
リンク2/地属性/機械族/攻1800
【リンクマーカー:左下/右下】
機械族モンスター2体
(1):リンク召喚したこのカードは魔法・罠カードの効果を受けず、
このカード以外のリンクモンスターが発動した効果も受けない。
(2):1ターンに1度、このカード以外の、
自分及び相手フィールドの表側表示のカードを1枚ずつ対象として発動できる。
そのカード2枚の効果をターン終了時まで無効にする。
(3):このカードのリンク先にモンスター2体が同時に特殊召喚された時に発動できる。
デッキからレベル5以上の機械族モンスター1体を手札に加える。

 《パケットリンク》が《クリフォート・ゲニウス》のサーチ効果のトリガーになり、機械族を確保。あとは《融合》を用意できれば、準備が整います(厳密には、もう少しモンスターを展開してから融合しますが)

 以上のことから、モンスターの大半を機械族で占め、《パケットリンク》で一気に準備を進めていく構築になりました。

 これらのカードでどのような初動を築き上げていくかを動画に撮りましたので、もしよければご覧ください。

◆スマホを片手で持って撮影しているので、映像が揺れています。酔うかもしれませんので、ミニプレイヤーで見ることを推奨します。ごめんなさい◆

”摩擦円の初動”
https://www.youtube.com/watch?v=iTvxxMtTj6Y&feature=youtu.be

 最終的にどんな盤面になるかというと…

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 自分フィールドにカードが10枚くらい並び、ボムフェネクス単体で3000のバーンダメージを生み出します。鳥オフにて紫蘭さんも犠牲に。
 ちなみにこの時、相手のフィールドにもカードが10枚。合わせて20枚×300=6000ダメージの過去最高火力が爆誕しました。死ぬがよい。

 このデッキの大まかな解説は以上です。

 鳥オフではお互いのデッキをデュエルで確かめ、対戦後に評価し合うシステムがあったのですが、紫蘭さんに伺ったところ、僕の順位は18位でした。

 今回鳥オフに初めて参加させていただいたわけですが、他の方のデッキも本当に面白いものが多くて、とても良い刺激になりました。夕暮れさんの【スピリチューアル・ウィスパー】のループギミックや、aburaageさんの攻撃力5000兆の【火炎鳥】が非常に印象深いですね。紫蘭さんの《エレキジ》も、いつ見てもお洒落で大好きです。

 改めまして、第6回鳥オフ、お疲れさまでした!

採用カード解説

 …僕のデッキ、二次会で他の方からベタ褒めされて照れっぱなしでした。ダークホースって言われました。鳥だけど。決闘者の端くれとして冥利に尽きます。本当に嬉しかったです。
 やはり《プランキッズ》の出張が好評だったようです。せっかくなので、以下にて、各々のカードの採用理由について語っていきます。
(一部のカードは省いています。オマケ扱いなので、ご了承ください。)

スクリーンショット (20)

・《弾丸特急バレット・ライナー》&《機関重連アンガー・ナックル》
 場と墓地でシャトルランさせ、墓地から機械族を継続的に供給できます。
 《バレット・ライナー》は《ゲニウス》のサーチ先その①。もし初手に来てしまっても、特殊召喚して《ゲニウス》で効果を無効にすれば、デメリットなしの3000アタッカーにもなります。

・《サイバー・ドラゴン》⇒《キメラテック・メガフリート・ドラゴン》
 《ゲニウス》のサーチ先②。相手のリンク4等の制圧系モンスターを巻き込むのが主な役割です。高打点で攻められると簡単に場が空いてしまうデッキなので、返し札としては機能するんじゃないかな?

・《ダイナミスト・ブラキオン》&《ダイナミスト・チャージ》
 《ゲニウス》のサーチ先③。《チャージ》で直接サーチも可能。彼は特殊召喚に名称ターン1制限がないため、リンク素材にして《チャージ》で回収し再び特殊召喚、という動きも可能です。《妖精伝姫-カグヤ》に強く出られる点がお気に入り。基本打点が低いデッキなので、特殊召喚の条件も容易に満たすでしょう。
 またそれぞれPモンスターと永続魔法であるため、魔法&罠ゾーンに置き《ボムフェネクス》の火力をかさ増しすることも。ここまで来たら、《プテラン》を採用しても良かったかもしれませんね。

・《水晶機巧-ローズニクス》
 第三の鳥モンスターがここに。手札から切っても有用な機械族ということで採用。《幻獣機オライオン》との差別点は、トークンを出すタイミングを選べることと、《のどかな埋葬》の制約に阻害されないこと。
 ☆4なので、《ジェット・ウォリアー》の素材になったりも…?

・《惑星探査車》&《プラチナ・ガジェット》
 実は重要なカード。《プラチナ・ガジェット》で《惑星探査車》を特殊召喚すれば、召喚権を圧迫することなくスムーズに効果を使えます。持ってくるフィールド魔法は勿論《融合再生機構》。

・《工作列車シグナル・レッド》
 《エレキジ》を返り討ちにする最強モンスター。
 《プランキッズ・プランク》のドロー効果が自ターンのエンドフェイズなので、手札誘発である彼とは噛み合いが良いです。《リヴァーストーム》でサーチも可能。
 効果を使用してフィールドに残った彼を《ボムフェネクス》の素材にし、《融合再生機構》で回収、ひたすら使い回すというのが主な狙いです。

・《ジェット・シンクロン》
 やはり機械族であること、《ジェット・ウォリアー》を出せることが主な採用理由です。あらかじめ《水晶機巧-ハリファイバー》を経由して彼を墓地に置いておくことが、デュエルの中盤~終盤に影響してきます。

・《ライティ・ドライバー》&《レフティ・ドライバー》
 《ブラキオン》と合わせて、初動に《ゲニウス》を立てるためのカードです。《レフティ》が☆3にもなるため、《古神クトグア》が手軽に作れるほか、《ライティ》は「シンクロン」チューナーとして代用できるので《ジェット・ウォリアー》が出しやすくなり、《レフティ》を☆2のままにしておくと彼を墓地から沸かせます。

・《悪魔嬢リリス》
 どうしても《パケットリンク》を持ってきたかった…。
 他とのシナジーは皆無です。

・《死者蘇生》
 構築の終盤で採用されました。《ジェットロン》や《融合再生機構》みたいに手札からモンスターを切れるカードが多いし、初手にあっても腐らないだろう、と。

・《置換融合》
 墓地の《ボムフェネクス》をエクストラデッキに返す役割があります。そしてこの1ドローが強力。《融合再生機構》で用意できるのが良いですね。

・《簡易融合》⇒《プランキッズ・ロケット》
 宇宙食。出す対象は《プランキッズ・ロケット》のみですが、この《ロケット》も《プランク》の効果でエクストラデッキに戻るため、《簡易融合》は腐りません。保存食。
 
さらに《ロケット》は第二の炎族。☆5であるため《リヴァーストーム》のX素材にもします。ごく稀に《ボムフェネクス》の素材にすることも。また、自身をリリースして墓地のプランキッズ2体を同時に沸かせることができ、《ゲニウス》のサーチ効果のトリガーとなります。

・《次元誘爆》

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速攻魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する融合モンスター1体を
融合デッキに戻す事で発動する事ができる。
お互いにゲームから除外されているモンスターを2体まで選択し、
それぞれのフィールド上に特殊召喚する。

 このデッキの秘奥義。
 《重撃禽 ボム・フェネクス》が《次元誘》するのが、最高にエモい
 もともと《ボムフェネクス》が相手に除外されてしまったときのための帰還札を探していたのです。融合体の《プランキッズ・ロケット》《メガフリート》が別で用意しやすいため、実際にその役割を果たすことも可能です。しかしこのカードはそれだけで終わらず、《ボムフェネクス》の効果にチェーンして発動することで、場のモンスターの総数を増やし、うまくいけば火力が900~1200ほど跳ねあがります。これにより、上述した紫蘭さんとのデュエルで6000ダメージを叩き出しました。
 やはり速攻魔法である点が面白く、場に《ボムフェネクス》が残った状態で自分がエンドフェイズを迎えた際、《プランク》でドローしたこのカードを即座に使い、《ボムフェネクス》を分解させることもできます。
 ただ、相手の除外ゾーンにも特殊召喚可能なモンスターがいなければ発動できません。近頃では《PSYフレームロード・Ω》なども蔓延しているため意外と使いやすいのですが、やはり相手に依存するので1枚のみ採用。
 またオフ会では実現しませんでしたが、《アンガー・ナックル》で《メガフリート》を蘇生してこのカードを発動するという小技もあります。

・《融合再生機構》
 上述したように、融合素材になった《シグナルレッド》を回収できます。このカードが消えるだけでサイクルが破綻し、継戦能力がガタ落ちします。実は重要なカード。
 融合を行わない序盤では、手札に来た《ローズニクス》《ジェットロン》《レフティ》を墓地に落とす役割もあります。

・《プランキッズ・ハウス》※ちょっと複雑?
 《パルス》のリクルート効果には、デッキからプランキッズカードを墓地に落とす処理が伴います。そこで主に落とすのが《ハウス》です。
 墓地に落ちた《ハウス》を《ドゥードゥル》で拾うだけでなく、《プランク》でデッキに戻したりもできるので、《テラ・フォーミング》《惑星探査車》が腐りにくくなる点が面白いです。

 また、序盤の手札事故のリスクを軽減させる意義も持たせています。
・《プランキッズ》モンスターを引いてしまった(´・ω・`)
・《融合再生機構》よりも先に《融合》を引いてしまった(´・ω・`)
・《ライティ》も《レフティ》も手札に来ない(´・ω・`)
 …ざっとこの3点でしょうか。満たしてしまった際、《ハウス》を貼ってもう片方のプランキッズモンスターをサーチし、手札のプランキッズ2体で融合して《ロケット》を出します。素材となったプランキッズのリクルート効果や《ロケット》の分裂効果もあり、《ドゥードゥル》までは容易に繋がります。効果でサーチした《プランク》を貼り、ドロー効果で少しずつ少しずつ手札を整えていく…といった感じです。
 気の長い話ではあるのですが、《ゲニウス》《パケットリンク》がなければ本当に動きにくいデッキなので、手札事故を少しでも緩和させようとした結果、こうなりました。

・《ディメンション・スライド》
 《次元誘爆》の条件を整えるため、相手モンスターを除外できるこのカードを採用してみました。《アンガー・ナックル》と《バレット・ライナー》のサイクルにこのカードを挟み込むと、ほぼフリーチェーンの除去として機能します。

・《古神クトグア》
 第三の炎族。《ライティ》から比較的簡単に出すことができ、融合素材になると1ドローができるため、優秀な潤滑油になります。

・《ジェット・ウォリアー》
 このデッキに数少ない除去効果を持った☆5シンクロ。☆2以下のモンスターをリリースして自力で蘇るので、プランキッズの《パルス》《ドロップ》、《ライティ》《レフティ》と噛み合いが非常に良いです。ただし、《プランク》で生み出したプランキッズトークンはリリースできないので注意されたし。

・《無限起動リヴァーストーム》
 主に《ブラキオン》と《ジェット・ウォリアー》でエクシーズ召喚します。《惑星探査車》のほか、とにかく《シグナルレッド》をサーチするためのカードです。また、《プラチナ・ガジェット》《アンガー・ナックル》のリンク素材にできない制約をカバーするため、それらを糧にして墓地から沸かせることもできます。

《アークロード・パラディオン》
 アタッカー/囮役です。効果を使用して攻撃できない《ボムフェネクス》の代わりに、その高い攻撃力を彼が引き継いでくれます。このデッキにおける最高打点は、《バレット・ライナー》と《ボムフェネクス》のステータスを吸収したATK7800です。
 さらに、例えば《幻影霧剣》のような妨害を受けた際には、サイバース族という種族を生かして《クロック・リザード》の素材にしてしまいます。

・《クロック・リザード》

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リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/サイバース族/攻1200
【リンクマーカー:左下/下】
サイバース族モンスター2体
(1):このカードをリリースして発動できる。
自分の墓地から融合モンスター1体を選んでEXデッキに戻す。
その後、その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを自分の墓地から除外し、
その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

(2):墓地のこのカードが除外された場合に発動できる。
相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの攻撃力は、
ターン終了時まで自分の墓地のサイバース族モンスターの数×400ダウンする。

 切り札です。大活躍でした。
 墓地に置かれた《古神クトグア》と機械族を巻き込み、《ボムフェネクス》をもう一度融合召喚します。《リンクリボー》《プロキシー・ドラゴン》で簡単に出せるので、《ボムフェネクス》が1ターンに2度融合召喚されることも珍しくありません。
 
《死者蘇生》とこのカードを絡め、ジョウリンさんに対しワンターンスリーボムゥ…を決めた実績もあります。

最後に

 …どうしてここまで書こうと思ったんでしょうね、自分…?
 僕にとって、楽しかったオフ会が終わったあとの余韻は2週間ぐらい続くもので、今回それが非常に濃厚です。これまでにないほどデッキを褒めて頂いたからか非常にエネルギッシュになっており、この記事にぶつけなければ気持ちが治まらなかったんだと思います。楽しかった。

 デッキ名は「摩擦円:Friction Circle」。
 プランキッズが他カードと噛み合いにくいことへの皮肉と、その摩擦による発火を《プランキッズ・プランク》で、炎上・爆発を円環のように繰り返す様を《ボムフェネクス》で例えてみました。
 せっかくの不死鳥なんだし、何度でも現れてくれないとね。

 ここまで読んで下さった方、お疲れさまでした。長い駄文にお付き合い下さり、本当にありがとうございました。またお会いしましょう。

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