「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」本大会を、ガチで考察してみた

 望月もちと申します。Splatoonプレイヤー兼、フリーランスのゲームライターとして活動している者です。
 今回の記事は、5月18日,19日に開催される「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」本大会に向けて、各チームの解説や考察、本大会の展望を予想する内容になります。よろしくお願いいたします。

■はじめに

 当記事は個人の見解であり、特定の個人や団体の見解ではありません。また、筆者の主観に基づくものであり、特定の個人や団体を批判及び否定する意図はございません。


■順位予想

パ・リーグ
1位:福岡ソフトバンクホークス
2位:東北楽天ゴールデンイーグルス
3位:オリックス・バファローズ
4位:埼玉西武ライオンズ
5位:北海道日本ハムファイターズ
6位:千葉ロッテマリーンズ

 オフライン大会において、練習通りのプレイをこなす安定感と、練習以上の成果を出すことのできる爆発力で、ホークスを超えるチームは存在しないと考えています。
 緊張に弱いという要素はありますが、チーム連係の効率の良さと個人力の高さ、そして相手チームへの圧力をかける意識の高さから、イーグルスが次点に。
 バファローズは、チーム連係力ではトップクラスではあるものの、オフライン大会におけるチャージャーの評価の低さから3位に。
 ライオンズは同じく後衛チャージャーのチームですが、相手チームに対する圧力のかけ方が足りておらず、何かと苦しい試合展開を強いられているように見えます。
 ファイターズは個人力、連係力ともに十分な強さを持っているチームであり、「スプラトゥーン甲子園」や「オフライン選考会」で感じていた、苦手ステージの克服も少しずつ進んできているような印象。
 固有の編成で練度を高めているマリーンですが、エースであるあしんさんの対面の勝敗の結果に左右されやすいチームスタイルであるように思います。チーム単位で見た時の強みと勝ち筋を増やしておきたいところ。


セ・リーグ
1位:横浜DeNAベイスターズ
2位:東京ヤクルトスワローズ
3位:広島東洋カープ
4位:読売ジャイアンツ
5位:阪神タイガース
6位:中日ドラゴンズ

 高いポテンシャルと使い手の少なさの最頂点であるパブロを使いこなすテルミさんがいるということが大きすぎて、ベイスターズの評価がトップ。
 同じ条件を満たすはんじょうさん(スプラローラー)と、かよたそさん(キャンピングシェルター)の存在で、スワローズが2位予想。個人的に、対策されづらい勝ち筋を押し付けられることのできるチームは強いと思っています。
 カープは選考会の頃は緊張に弱い一面が強く出ていましたが、オフライン大会の経験を多く積んできた影響か、オープン戦では安定したプレイングがこなせるように成長していました。Norishioさんのカーボンローラーが対策しづらく、パブロ・ヒューへの持ち替えもできるのが素晴らしい。
 ジャイアンツはオフラインの大会でありながら、初戦から全力を出し切れる環境への適応の速さがとても素晴らしい。前評判以上の結果を出してくれるチームだと思います。
 オンライン練習会では一切の情報を公開しなかったタイガース。現段階で編成上の評価はつけづらいところではありますが、打開のタイミングで単独で浮く場面が度々あるように見受けます。ただ、終盤でワンチャンスを掴む場面が多く、やはり何かを持っているチームなのでしょうか。
 オープン戦やオンライン練習会の時点で、編成も立ち回りでも、まだ軸がハッキリと定まっていない印象を感じるドラゴンズ。個性派揃いのセ・リーグを勝ち抜くためにも、強みを見つけたいです。


■各チーム 個別解説

パ・リーグ

福岡ソフトバンクホークス
 とにかく強い点を挙げるとキリがないチーム。基本的な撃ち合いやカバーリングの練度の高さもさることながら、オフライン大会の経験の多さからか、本番で他チームの立ち回りが固くなる中で、練習通りの立ち回りを通せるということが本当に強い。
 「スプラトゥーン甲子園」とは違い、やまみっちーさんがスプラスピナーに切り替えたことに対し、当初は「ホークスの魅力の一つである、やまみっちーさんの最前線を起点にするゲームメイクが失われるのではないか」と思っていましたが、スプラスピナーで前線に参加できるように練度を高めることで、本来の高速ゲームメイクを維持したまま、チーム全体で塗り能力の向上や、クイックボムやマルチミサイルによるカバーリングの速さを手に入れて、よりいっそう強くなったように思います。
 僕がホークスの弱点だと思っている点が、エンジンが完全に暖まりきるまでが少し遅いところだと考えています。ただ、今回の大会は、一日目がリーグ戦であり、たとえ負けてしまったとしても、二日目がまだ残っているというシステム。その弱点も相当緩和されるのではないでしょうか。

東北楽天ゴールデンイーグルス
 最上位前線二人+最上位スピナー二人と、今大会でもトップレベルの攻撃力を誇るのがこのチーム。ネックなのが、本人達もオープン戦の感想で語る通り、本番での緊張に弱く、思い切ったプレイが減ってしまうことだと思います。実際、オフライン選考会で対戦した際は、オンラインで対戦した時よりも、立ち回りが攻めに振り切れていなかった、固かったという印象を感じました。
 ただ、先日のオープン戦では、かなり安定して攻めの動きができていたように見えました。本来の実力を出し切ることができれば、優勝争いにも参加できるであろうチーム。先述した通り、一日目で環境に慣らすことで、本来の実力を発揮しやすい大会形式になっています。一日目の使い方が大事になってくるでしょう。

オリックス・バファローズ
 くろすっω・)つさんがいつ見ても安定した立ち回りをしていることから、パ・リーグのチャージャー入りのチームの中では、最も安定感があるチームだと思っています。
 ただ、チャージャー入りの編成の評価が個人的に低く、「自分達から攻めて相手チームに圧力をかける」というよりは、「固めきって、打開を試みる相手チームを全て防ぎきる」という立ち回りをするチームのように思います。その立ち回りは、自分達がどこかで一つミスをすると一気に覆される恐れがあり、どうしても勝ちを安定させるためには、チャージャーがオンラインと同じレベルで仕事を果たし切る必要があると思っています。
 バファローズが上に挙げた二チーム(ホークス、イーグルス)に勝つためには、ぴょんさんの仕事量がポイントになってくるでしょう。オフラインチャージャーの難しさに負けず、頑張って欲しい。

埼玉西武ライオンズ
 
チャージャー入りのチームの中では、最も攻撃力に振り切ったチームなのかなと思います。チャージャー入りチームの宿命なのか、バファローズと同じく、相手の打開を止めるというスタンスであり、ワンミスで覆されやすいです。さらに、ブキ編成的にも相手陣地への塗り残しの機会が少なく、潜伏からの抜けなど相手の打開にリスクを付ける立ち回りも少ないため、とにかく真面目に対面を勝ち続ける必要があるので、どこかで苦しくなる場面が起こるのではないのかと予想します。
 ただ、それでもベイスターズとは、ほぼほぼ五分の試合をしているので、さすがはトップチームだなと。

北海道日本ハムファイターズ
 注目度は少し低めですが、環境にも十分に適応している強いチームです。(パ・リーグのラインナップが豪華すぎるのも悪い)特にXP2800超えのスピナー使いである、みすとさんが優秀な選手であり、長射程スピナーとスプラスピナーの使い分けができ、ステージに応じて強い編成を選択できるのが強みのように思います。
 欠点は、スピナー入り前線厚めの編成にしては、ゲームスピードが少し遅めで、相手にチャンスを掴ませやすい立ち回りをしていることで、そこの克服が進めば、上位も十分に目指せるチームかなと。

千葉ロッテマリーンズ
 エースアタッカーのあしんさんを軸に作られているチームではありますが、スパッタリーの射程の短さから、基本的には苦しい試合展開を強いられやすく、スパッタリーと他のブキでの戦闘のラインが少し噛み合っていない印象も感じます。チャージャー入りの宿命か、相手陣地への塗り残しなどが足りていないことから、ワンミスで覆されやすく、チーム全体での立ち回りの見直しが必要だと思います。


セ・リーグ

横浜DeNAベイスターズ
 チャージャー入りで最も勝ちが見込めるチームとして予想しています。やはりパブロ使いテルミさんの存在が大きく、今でも対策が進んでおらず、むしろ日に日に評価が上がっているように思います。パブロというブキが非常にチャージャーとの噛み合いが良いと思っていて、ベイスターズは、パブロが相手陣地でヘイトを集め時間を稼ぐことで、チャージャーのメインウェポンとハイパープレッサーを撃つ試行回数を稼ぐことができる、チャージャー入りの強みを押し付けることができるチームスタンスになっています。
 パブロ+チャージャーという非常に対策の練りづらい編成を扱うベイスターズは、間違いなく今大会の優勝候補だと思っています。

東京ヤクルトスワローズ
 
以前まではテルミさんと同じく、「対策しづらく強力なブキを扱うプレイヤー」として、はんじょうさんを挙げていましたが、オンライン練習会で、かよたそさんのキャンピングシェルターが単体で完結していたのを見て、さらに評価が上がりました。
 かよたそさんの立ち回りは、相手陣地に一人で取り残されても生き残ることができ、相手の塗りブキのヘイトを集め、味方に処理してもらうことで、有利状況を強引に作り出すことができるという、対面とはまた違う圧力のかけ方であり、はんじょうさんとはまた違った意味で、対策は難しいだろうなと思います。

広島東洋カープ
 
このチームはイーグルスにかなり近いと思っていて、スピナー+前線アタッカーの攻撃力の高さも、本番に対する緊張の弱さも、同じような立ち位置なのかなと思っています。
 やはり最大の特徴はNorishioさんのカーボンローラーであり、少しでも有利な状況を作ることができれば、メロンさんとのツートップで、一気に全滅を狙うことができる爆発力を持っています。YuMild.さんがチャージャーと長射程スピナーを使い分けることができ、強いステージでハイパープレッサー持ちのブキを選ぶことができるのも強さの一つ。

読売ジャイアンツ
 
先述した通り、本番で初戦からフルパワーで戦うことのできる、環境への適応力の高さが持ち味のチーム。やはりオフライン大会において、緊張に対してどれだけ向き合うことができるかは、強さの一つの指標になると思っています。
 ゲーム内の強さについては、リーダーのぱーくさんをはじめ、ナワバリバトルを得意とするプレイヤーが多く、自陣塗りや相手陣地への塗り残しなど、基本的な立ち回りがしっかりしていることから来る安定感が魅力。そこにどれだけチームの強さを増やしていけるかが見どころ。

阪神タイガース
 
オンライン練習会では、プロモデラーPGで構成されたチーム編成で臨んだことなど、意外性をチームの持ち味としてプッシュしているチーム。ただ連係に関してはまだ仕上がっていないのか、特に打開のタイミングでは単独で浮いてしまい、一人ずつ処理されていくような場面もしばしば。意外性というのは、強固な基礎の上に積み重ねていくものだと思っているので、まずは基礎の安定を図りたいところ。
 個人的には、「スプラトゥーン甲子園」で見せた、ロングブラスターを軸に、相手の長射程枠をメタりつつ、シャープマーカーネオ二枚で塗り勝ちを狙っていくスタンスがとても強いと感じていたので、それに並ぶレベルの戦略が生まれることを楽しみにしています。

中日ドラゴンズ
 
編成で少し悩んでいるような印象が見受けられていたチームですが、最後のオンライン練習会では自分達ならではの編成を確立させていました。
 チームの強みとして、エースアタッカーであるのすけさんが、試合終盤にキープレイヤーを落とすことが多く、最後まで油断のできないチームだと思います。ただ、基本的な撃ち合いの能力や立ち回りなどは、まだ未熟な印象があり、少しでもチームでの連係力を高め、自分達の強みを押し付けられるような立ち回りを完成させて、本大会に臨みたいところ。


■最後に

 いかがでしたか。この記事を読んで、少しでも「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」を楽しんでもらえれば幸いです。
 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。



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