見出し画像

スプラで反射神経はどれだけ重要なの?

はじめに

こんにちは。
FPSの世界では常々言われている通説があります。

  • FPSは反射神経が重要

  • FPSは若い人有利。おじさんおばさんになると不利になる。

  • FPSプレイヤーの寿命は短い

こういったようなことが言われてます。
FPSでは索敵の速さやエイムの速さが重要なので、これらの通説は概ね合ってるのかなーと認識されている状態です。

スプラ界隈でも実際にそうなのか確認されてはいない。
なんとなくそうなんじゃないかなーとか、ゲームスピードの速さについていかないと上手くなれないのでそういう傾向があるんだろうなーとフワッとそう認識されている感じです。

今回は「反射神経」に焦点を当てて、実際にどうなのか調査してみました。


調査形式

ネットでできる反射神経テストの結果をアンケートで集める。
Twitterで呼びかけ、googleフォームでアンケートしてもらう。

調査に利用した反応速度テスト

アンケートで集めた要素

  • 反応速度テストの結果

  • 大まかな年齢層

  • スプラ3でのウデマエ、レート

各要素の相関があるかないかを見れればいいので、必要なサンプル数は大体24件ほどだったが、キリの良い数字をと言うことで100件ほど集めた。


調査結果

反応速度の分布

反応速度の平均は様々な論文や様々なデータがあり、人間の平均はだいたい0.20〜0.25秒になることが多い。
今回の調査でもそういった論文やデータに近しい結果が出た。

反応速度の平均値0.265秒/中央値0.28秒 n=102

興味深いことに反応速度が0.35秒以上かかったグループも多かった。
このグループは計測テストでandroidでchromeでやるとうまく測定できない、マウスの押しやすさで結果が変わってしまう、など環境が統一されないため起きる異常値の疑いがあった。
このグループについてどうだったのかは後述する。

年齢層の分布

年齢の平均30代前半/中央値30代前半 n=102

ウデマエの分布

ほとんどがS+到達者(twitterでは上手い方の層が多い傾向が元からある)

S+内でのレートの分布

レートの平均2086/中央値2100 n=102


反応速度の遅いグループは計測上の異常値だったのか?

反応速度が0.35秒以上かかった人が全体の20%いた。
androidでchromeで計測すると遅くなりやすいとか、反応が軽い重いマウスの差だとか、それぞれの計測環境がまちまちだから起きる異常値なのかどうかの懸念があった。

そこで反応速度が遅いグループのウデマエの内訳を確認してみた。

反応速度が遅いグループは実際にウデマエS+に到達していない人の割合が多かった。
ウデマエS+に到達していない人の割合が多いため、実際に反応速度が遅い可能性はだいぶ高いようだ。(全部が全部計測上の異常値だとは考えにくい)

この様子から見るとスプラ界隈のプレイヤーには一般的に言われているよりも反応速度が遅いプレイヤーもかなりいるようだ。

追記:ちなみに反応速度が遅いグループを異常値として除外しても、要素の相関の傾向はあまり変わらなかった。


要素の相関はどうだったのか?

各要素の相関係数はこうなった。

  • 反応速度と年齢:0.00

  • 年齢とウデマエ:-0.16

  • 年齢とレート:-0.48

  • 反応速度とウデマエ:-0.26

  • 反応速度とレート:-0.22

興味深いことに反応速度と年齢は相関がなかった。
自動車免許で高齢者は動体視力が衰える、年齢で動体視力が衰える傾向がある、などが他の様々な論文や調査で言われていることなのだが、今回の調査ではそのような傾向がなかった。
この結果から考えられることは、反応速度は個人差が大きすぎて年齢で相関が取れないのだろう。
実際に10代後半で反応速度が遅い人もいたし、30代後半なのに反応速度が0.17と常人よりかなり早い人もいた。
年齢がいっていても反応速度に優れている人はいる。反応速度は個人差がかなり大きい。長年ゲーマーやって訓練されてきた結果なのか、スポーツの経験有無なのか、性差なのか、その辺のところは今回の調査でははっきり分からない。

ところが年齢とレートはかなり負の相関がある。
年齢が高くなるとレートが高くなりにくい。そういう傾向になる。
仕事が忙しくて遊べる時間がない、家族がいるので遊べる時間がない、などの社会的な要因が考えられるし、反応速度ではなく脳の回転や処理速度など別のフィジカル的な要素があって年齢と共に衰えやすいなどの可能性も考えられる。
この部分は年齢とプレイ時間はどうなのかなど、他の要素や他の角度からのさらなる調査や深掘りが要りそうである。

年齢とレートの散布図

縦軸がレート、横軸が年齢層

反応速度とレートはやや負の相関がある。
反応速度が良い人はXランキング500を目指しやすい傾向はあるようだ。
ただ反応速度があまり良くない人でもウデマエS+に到達できてる人は多くいるし、平均的なレートの値と思われるレート2000以上の人もいる。反応速度が全てではない傾向になっている。あくまで反応速度が悪いより良い方が有利だろうという範疇のようだ。

反応速度とレートの散布図

縦軸がレート、横軸が反応速度の早さ


FPSで言われている通説と照らし合わせると?

  • FPSは反射神経が重要

    • →スプラではそこそこ重要。ただし絶対ではない。人より反射神経が遅くてもウデマエS+にいけるし、レートの平均的な数値にも到達可能。

  • FPSは若い人有利。おじさんおばさんになると不利になる。

    • →そういう傾向は強めに出ている。ただし、なぜそうなのかの要因がはっきりしない。忙しくて遊ぶ時間がないからなのか、反射神経とは別の要素なのか(例えば脳の処理速度など)など色々考えられる状況。

  • FPSプレイヤーの寿命は短い

    • →今回の調査範囲ではなんとも言えない。FPSを集中して長年遊べるような立場の人があまりいないなど社会的な要因の可能性も十分ある。年齢で反射神経が衰えるからFPSを長く続けることができない傾向は今回の調査範囲では得られていない。他の要素や角度での調査が要るだろう。

というようなことが言えそうである。


最後に

スプラは反応速度が全てではないようだという結果が得られた。
もちろん反応速度が優れている方が強くなりやすい傾向はややある。だが、あくまで若干そういう傾向があるという範疇だ。

年齢が高くても遊ぶことができるし、反応速度が人より遅くても最高ウデマエに到達したりレートで平均的に戦ったりできる遊べるという実態が分かった。
ゲームを遊ぶという観点では希望のある調査結果になったと言えるだろう。

以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?