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スペースマーケットデザインチームのVISION/MISSIONを合宿で決めるために準備したことと、その後の変化

こんにちは!デザインチームマネージャーの横井です。

去年は採用が大きく動き、ありがたいことにデザインチームのメンバーが2人から5人に増え、今年4月からは新卒デザイナーも迎えることができました。
新しいメンバーが増えたことで施策の範囲も広がりましたが、デザイナーがそれぞれのプロジェクトに散らばるという体制では「スペースマーケットとして目指すデザインの方向性」が明確になっていないと、それが効率や品質を落としてしまう要因に繋がります。

そこで、デザインチームのビジョン・ミッションを決める合宿を行おうということになり、そのときの準備や当日の様子のことについて記事を書かせていただきました!
※合宿と銘打ってはいますが、実際宿泊はしておらず1日のオフサイトミーティングのようなものです

この記事について

今回はサービスデザインにおけるチームのビジョンとミッションを合宿で決めるために「ファシリテーター役の自分がどんな準備をしたのか、どんなことに気をつけたのか」についてご紹介したいと思います。またデザイナーならではのアイスブレイクなど、デザイナー合宿を企画する上でちょっとした小話もいれていきます!

デザインチームのビジョンやミッションを持ちたいとお考えの方、チームの結束力をもっと強めたいと思っている方に少しでも参考になれば幸いです。

合宿を実施した背景と目的

目的はタイトルにある通りで、「デザイナーチームが目指すビジョンを明確にする」です。

前提として、スペースマーケットには下記のビジョン・ミッション・バリューを掲げています。

VISION
「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」
MISSION
「世界中のあらゆるスペースをシェアできるプラットフォームを創る」
VALUE
・CHALLENGE
・OWNERSHIP
・PROFESSIONAL
・SUCCESS
・TEAM
・CHARMING

実はデザインチームも元々、会社のバリューである「OWNERSHIP」「CHALLENGE」「PROFESSIONAL」をベースとした行動指針はありました。しかし、その内容は3×5の合計15項目もの指針があり、なかなか覚えられず文化として根付いていないという問題と、さらに前述した方向性の課題もあって今回実施する運びとなりました。

合宿のスケジュール

ざっくりとした内容ですが、このような資料を使って説明をし、進めていきました。

合宿のメインは「ビジョンとミッションを決める」ことです。

せっかくの年末ということで、時間配分がうまくいけばGitの不要ブランチ大掃除もしたいねとなり、後半に入れました。

先に結論から言いますと、議論はうまく進み、方向性もまとまってブランチ大掃除もバッチリ終えることのできた気持ちの良い合宿になりました!

アイスブレイクについて

まずはアイスブレイクの紹介をさせていただきます。デザイナーだけが集う合宿なので、手を動かしてクリエイティブな思考で楽しめるアイスブレイクを選びました。

アイスブレイクは2種類。
丸を使ってたくさんの絵を書いてみよう」と「今年を振り返って一番印象に残った施策を発表する」です。

「丸」を使ってたくさんの絵を描く

「丸」をベースにして、できるだけたくさんイラストを描いてみようというワークショップのようなアイスブレイクです。普段PCと毎日向かい合っているので、今回はアナログでA4用紙にガリガリ描いてもらうことにしました。

初っ端なので、ちょっと頭を柔らかくし、手を動かして緊張を解いてもらうのが目的でした。アイコンっぽく仕上げる人や、キャラクターをたくさん描いてくれた人など様々で、お互い見せあった際は盛り上がりました。

今年を振り返ろう(※図解イラストで)

スライドには書いていないのですが「図解イラストで描いて」と、直前になって無茶振りしてしまいました(どうするか直前まで迷ってたんですが、意外と丸イラストを楽しんでもらえたのでここでも絵を描いてもらうことにしました)。

5分ほど時間をとって、発表には1人当たり2分を設けました。ただ「図解」となると5分という時間はかなり短く、ほとんど紙が白いままの状態の人もいたので、少し延長して結果的に作業時間は10分程度になりました。

年末に開催した合宿だったので1年間のプロジェクトを振り返ろうという説明でしたが、次の「現状のプロダクト課題について考える」フェーズの準備運動という狙いもありました。

メンバーの仕上がりはこんな感じです!

ワイヤーっぽい表現だったり、イラストがたくさん添えられていたりと、人によって表現の仕方が様々で、「難しかった」という意見は多かったのですが単純に言葉だけで発表するよりも会話は増えていた気がします。
「懐かしい!」「あれは本当に大変だった!」などなど、メンバー同士で盛り上がることができました。

ビジョンを考えるために

アイスブレイクで場が和んだら、いよいよ本題です。

まず、今回考えるビジョン・ミッションとはなにか?
新卒メンバーもいたため、まずはその前提条件を全員で認識をあわせておく必要がありました。

弊社にはすでにビジョンがあり、私たちチームが決めるビジョンはあくまでもデザインチームとしてのビジョンです。ただし、会社の方針から大きく逸れてもいけません。

ビジョンとミッションを考えやすくするため、前提をこのように決めました。

進め方については、全員が納得できる方針・キーワードを固めるために現時点の課題洗い出しから始めました。実際の議論の方法については後ほど詳しく書いていきます。

合宿のゴール

ビジョン・ミッションを考えるにあたってはメンバー同士の活発な議論が重要です。それらを最終的に言葉として綺麗にまとめるのは自分がやればいいので、今回はメンバーがどれだけプロダクトや会社の方針について考えを深め、意見を出し、議論できるかが鍵だと考えていました。

全員が納得できる方向性、将来像をはっきりさせることがゴールだったので、私は問題提起とヒアリング・議論のまとめをメインでしつつ、全体の方向性を明確にして議論しやすくするという役割でいました。

メンバーは、しっかり課題に対して考えて意見を出すことに集中してもらえたように思えます。その甲斐あってか全員が納得できる方向性を時間内に打ち出すことができました。

活発に議論するために

さきほど、重要なのは議論であるという話をしましたが、それを達成するために心理的安全性というのも非常に意識しました。特に今回、ベテランデザイナーから新卒まで少数ながらも差が大きく、意見が言いづらくなるということだけは避けたいと思いました。

そこで、常に目に見える位置にこういう張り紙をしました。

常に全員に意識して欲しかったため、みんなが常に見える位置の壁に貼っておきました。こんな感じです!

とはいえ元々メンバー同士非常に良い関係性で、普段から施策に関する相談や話し合いも徹底的にしますし、誰かを否定するということは基本的にありません。どちらかというと、相手の意見を尊重しすぎて自分の意見を控えてしまうケースを心配していました。なので気軽に、まずは意見を口に出して欲しいという思いも込めて、「否定しない」「便乗歓迎」「質より量」の3つに絞りました。

また今回は新卒メンバーにも活発に議論に参加してほしかったので、開始前に強調して伝えました。

議論の方法

議論は大事ですが闇雲にあっちこっちと話し合っていると、なかなかまとまらないので下記のように段階を踏んで考えを深めていきました。

・プロダクトの現状と理想、課題を考える
 →プロダクトの現状と理想
 →課題を考える
 →課題を解決することで理想になるのか
 →重要な課題を見つける

・課題に対し、デザインチームが解決できること
 →チームの現状と理想
 →チーム課題とプロダクト課題を比較
 →チームとしての、課題解決へのコミット方法

各議題に対してそれぞれの意見を付箋に書き出し、可視化しながら進めました。ホワイトボードだとスペースが足りず、議題ごとに書き換えなければいけないので、全ての経緯を手元に残せるようA3の大きなスケッチブックにボードを作ってそこにペタペタ付箋を貼ったりまとめたりしながら進めました。

(付箋がはみ出まくってますね!)

時間配分

議論に集中するあまりいつの間にか終了時間間際…ということはありがちです。そのためあらかじめ時間配分を決めておき、自分はファシリテーターという役割に加えここではタイムキーパーにもなりました。最終的な方向性はしっかり決めたく、また様々な議題に目を向け幅広い視点で考えるためにも、時間を区切ることは非常に重要です。

時間が迫ってきたところで、次の議題に行くために重要な付箋をまとめ、段階ごとに結論を出していきました。

ただ、メンバーがバラバラの意見だと時間通りに進めるのはやはり至難だと思われます。弊社は日々のコミュニケーションの甲斐もあり、課題はすぐにメンバー間で意見が一致したのでスムーズに進めることができました。
週1回のデザイン定例で、普段から各メンバーが議題を出し、課題の認識を共有し合っていたからこそうまく進められたのだと思います。

仕上がったVISION/MISSIONの方向性

ビジョンとミッションは全員が納得できるチームの方向性を定めることができ、無事目的を達成しました!
綺麗にまとめられている必要はなかったので、付箋でキーワードを貼ってこのように方向性の可視化のみ行いました。
最終的にFIXした形はこちら!(勢いで一部エモくなっております)

「越境」というなかなかビッグなワードが中心になっていますが、デザインチームのメンバーが内に向かって閉じるか、外に向かって開くかで会社の文化やプロジェクトの進め方はかなり変わると思っています。

ここから私が言葉を作り、2019年、年明け最初の社員会で以下の内容を発表しました。

実際、「越境」というこの言葉をミッションとすることで、各メンバーの意識と行動はすぐに変わりました。さらに全社に向けて発表することで普段の定例やデザインチーム以外の部署でも「越境」という言葉が交わされるようになりました!小さい変化ではありますが、個人的には成功だと思っていてとても嬉しいです。

「越境」というミッションを掲げて…

変化があった大きな例として挙げられるのが、ライティングルールの統一化です。

今までビジネスサイドのマーケや広報とプロダクトチームは切り離されており、スペースマーケットとして外部にでる文章であっても横断して監修する役割の人はおらず、それぞれの部署が単独で作っていました。

CS、広報、メルマガ、ヘルプページ、プロダクト、とライティングは様々な場面で必要になりますが、全社統一のライティングルールがなく、どの部署も「これでいいのだろうか…」と不安を持っていたようです。

そこでデザインチームメンバーの一人である新井が立ち上がり、ライティングルールの統一化を本格的に始動しました!

奮起する新井

ライティングルールに関する記事を準備しているとのことなので詳しいことはまだここでは言いませんが、地道なライティングルールの整備と各部署との細やかなMTGで布教を進めてくれました。(記事楽しみです!)

ライティングといえば専門的な分野で、一般的にはUIデザイナーが管理するようなものではないかもしれません。しかし、弊社に人材は十分揃っておらず、とはいえライティングの品質はプロダクトの品質でもあり、延いてはそれがブランドの価値にもなりえる重要な課題です。

ここに対してデザイナーが声をあげたことで、全社のプロダクトに対する「品質」や「ブランド」への意識を考え直すきっかけになったのではないかと思っています。

最後に

このように、メンバー全員が納得のできるビジョンとミッションを決めたことでそれぞれのオーナーシップの意識が強まり、個人ができることから少しずつ行動を変えていくことができました

また、たくさんの意見を発散しお互いに納得し合うことができた合宿自体がチームの絆を深められるイベントでもありました。
「ビジョン・ミッションを決める」までいかずとも、このようにデザイナー同士が課題と解決策を出し合うことで、チームの成長につながるのではないかと思っています。

普段の業務から少し離れ、気分を変えて合宿やオフサイトミーティングをするということも、是非検討してみてください!
(その際はスペースマーケットのご利用をお待ちしております!笑)

会社全体に影響を与えられるデザインチームになれるよう、引き続き私たちがコミットできる課題を探して少しずつプロダクトやチームを良くしていきたいと思います。

最後までお付き合い、ありがとうございました!

デザインチームマネージャー
横井 麻里乃