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【日記】季節のこと

“その季節らしいことをする”ことを、長らくバカにしてきたように思う。たとえば春の花見に夏のBBQ、秋のハロウィンや冬のクリスマス。イベントという名の下に、ただただ騒ぎたいから寄り集まるなんて。そんなものになんの意味がある、と。

「チャラい事に無縁の僕の夏がやってくる」

HINTO シーズナル

でもなぜか、最近は「季節のこと」が無性に恋しくなる。昨年のクリスマスは柄にもなく、ささやかではあるがクリスマスの飾りをした。年が明けてからは、かがみもちミッフィーを玄関に置いた。

今年の春は特に意味もなく、桜を見つけては写真におさめた。いまは気の置けない人たちと、夏のBBQをしたいと思っている。炎天下で炭と肉と汗の匂いにまみれ、虫に刺され、手やそこかしこがベトベトになることは心底大嫌いなのに、なんとそれを恋しく思っているのである! 年齢のせいなのか、はたまた人と人との距離を取らなければならなかったこの数年間の反動なのかはわからない。

おとといは花を買いに行ったらひまわりが売っていて、「うわぁ、夏だ」とすぐに連れ帰った。昨日は魚屋に行ったら、湯引きされたハモが梅肉とともに売られていたので、これまた「うわぁ、夏だ」と思って即購入した。冷蔵庫でキンキンに冷やしたそれを梅に絡めて口に入れると、とんでもなく夏の味だった。一緒に買ったアジの刺身も、ポン酢をかけていただいた。夏野菜の揚げ浸しに、柚子胡椒を添えたものもつまみながら。口の中で“さわやか”の花火が弾けまくっていた。とにかく、夏だった。

「とにかくオレは 気づいたら夏だった!!」

Number Girl 透明少女

今日は晩ごはんを作るのが面倒だったので、豚バラを適当にしゃぶしゃぶして、水を切って皿に盛り、細かく切った茗荷とポン酢をかけたものを生み出した。ひと噛みすればジュワッと広がる、やはり夏味。子どもの頃は破片の少しでも口に入ると「うぇええええ」と吐き出していた茗荷は、25歳を過ぎたあたりから強烈にうまいと感じるようになった。そこから毎年、食欲の落ちがちな暑い時期には重宝している。大変、大人になった。


なんて、「我は大人じゃ」とえらそーにふんぞり返っているが、先日はクーラーの効いた涼しい部屋でパルムを食らっていた際、調子に乗ってベッドの上で半分寝転がりながら食べたもんだから(とてもお行儀が悪い!)、チョコのかけらを白いシーツに落として汚してしまった。なんだよ、変わらず子どもじゃないか。いや、そんなこと言ったら子どもに怒られるか。愚かな大人、なのである。

愚かな大人は、これから来る本格的な夏を楽しみにしている。
暑さと日差しにやられようとも。


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