【MLBドラフト】2023ドラフトレビューNYY編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(26) ジョージ・ロンバルドJr(George Lombard Jr):SS:右投右打:6-3/190:Gulliver Prep School:$3.3M($3.07M)

父親は元メジャーリーガーのジョージ・ロンバルド。豪快なスイングながらもバレルフィーリングの高い打撃が持ち味。スイングが大きくなりがちで、空振りが多い。守備ではオーバーサイズで身体能力が足りずSSには残れないとも。


3(97) カイル・カー(Kyle Carr):LHP:左投左打:6-1/175:Palomar College:$692K($692K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。サイズアップと共にスピードもさらに上がると目されているが、高校時代から3年経っても体型が変わっておらず期待薄か。アウトピッチのスライダーは鋭く大きく曲がり空振りを奪いやすい球種。コマンドに欠けており、サードピッチのクオリティもイマイチとスターター向きではないかも。


4(129) ロック・リジョー(Roc Riggio):2B:右投左打:5-9/180:Oklahoma State:$693K($506.8K)

小柄なサイズから思いがけないパワーを見せる。甘く入ったボールを見逃さず長打に仕留めるが、大きい当たりを狙いすぎてしまうことも。ピッチセレクションも悪くなく、四球の数も多い。身体能力に欠けており、2Bでもプラスの数字を出せない可能性は高い。


6(192) ケイド・スミス(Cade Smith):RHP:右投左打:6-1/190:Mississippi State:$282.9K($285.4K)

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。シンカー系のムービングで空振りを奪うこともできる。コントロールに難があり、ゾーンの中心にボールが集まったりストライクゾーンと勝負したりとスターターとしての適性に欠ける。


7(222) キコ・ロメロ(Kiko Romero):1B:右投左打:5-11/185:Arizona:$197.5K($224.7K)

強烈なアッパースイングで外野の頭を越せる打球を連発する。過剰なまでのアッパー軌道のスイングのため、空振りとポップフライが多くなりそうな点は懸念材料。ポジションは1Bながらも身体能力は悪くなく、チーム事情によってはOFに回してもいいかもしれない。


8(252) ニコラス・ジュディス(Nicholas Judice):RHP:右投右打:6-8/230:University of Louisiana - Monroe:$185.5K($188K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で100マイルをマーク。安定して出力することができず、93マイル程度しか出ない日も。スライダーは横滑りするものと、縦に曲がるものの2種類を投じる。コントロールは安定しており、四球は少ない。


9(282) ジャレッド・ワグナー(Jared Wagner):OF:右投右打:6/220:Arkansas:$72.5K($173.1K)

プラスのパワーツールでハードヒットを連発することができる。春先に左親指の骨折があったものの、関係なく長打を飛ばしまくるタフネスさも見せた。打撃以外での陰は薄く、守備・走塁での貢献は期待できない。


10(312) ブライアン・ヘンドリー(Brian Hendry):RHP:右投右打:6-4/225:Oklahoma State:$47.5K($164.4K)



11(342) ジョシュ・グロス(Josh Grosz):RHP:右投右打:6-4/199:East Carolina:$150K

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのある4シームで空振りを奪う。アウトピッチはスライダー。コマンドに欠けており、ボールのクオリティの割には三振を奪えていない。


12(372) ブレディ・ローズ(Brady Rose):LHP:左投左打:6-5/220:Dallas Baptist:$200K



総括

 2019年のアンソニー・ボルピ以来となる高校生SSを1巡目を指名しました。アンソニー・ボルピと異なりヒッティングツールよりもパワーツールに高い評価を得ており、去年のコンバインで100マイル超えの打球速度を連発していたスペンサー・ジョーンズを指名した方針を続けているようにも見えます。アンソニー・ボルピーよりも時間がかかるだろうと思われるので、気長に待つ必要があるでしょう。
 以降の野手もヒッティングや守備といったツールはさておきパワーツールに優れる選手を大量に指名。まずはハードヒットが飛ばせることを最重要視しているようです。中でもキコ・ロメロはハードヒットを飛ばすことはもちろん、打球に角度をつけることにも長けており思わぬ拾い物になりそうです。
 一方で投手は球速はそこそこあるものの、安定感に欠ける面子がずらりと並びました。それぞれリリーフとしてメジャーデビューできれば上出来でしょう。

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