【MLBドラフト】2023ドラフトレビューSD編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(25) ディロン・ヘッド(Dillon Head):OF:左投左打:6/185:Homewood Flossmoor HS:$2.8M($3.17M)

スピードがベストツール。守備でも走塁でも十分に活かされており、いずれもハイクオリティ。常に全力プレーである点も高評価。打撃ではコンタクトスキルに優れたスプレーヒッター。パワーポテンシャルに欠けるが、今後の成長に期待。


3(96) J.D.ゴンザレス(J.D.Gonzalez):C:右投左打:6/182:Anita Otero Hernandez HS:$555K($698.6K)

高校生離れした守備を見せるディフェンシブなタレント。ブロッキング、レシービングに優れており、アームも強い。二塁への送球が三塁側へ逸れがちな点は気がかり。打撃ではパワーポテンシャルを見せるが、無駄の多いスイングが足を引っ張っている。


4(128) ホーマー・ブッシュJr(Homer Bush Jr):OF:右投右打:6-3/200:GCU:$511.6K($511.6K)

プラスのアームとスピードに加え、打球反応とルートランも優秀でCF守備は今ドラフトでもトップクラス。一方で打撃は課題だらけ。遠回りするスイングなため、ハードヒットが少ない。


6(191) ジェイ・ベシアーズ(Jay Beshears):2B:右投右打:6-4/215:Duke:$250K($287.7K)

コンスタントに長打を飛ばすことができるパワーヒッター。プルハッピーになりがちで、引っ掛けて弱いゴロを打つことも。スピードは優秀だが、打球反応やアジリティに欠けており、IFに残れない可能性も。


7(221) タッカー・マスグローブ(Tucker Musgrove):RHP:右投左打:6-3/175:University of Mobile:$175K($226.1K)

NAIAで無双した二刀流選手。投手としては最速で97マイルをマーク。高校時代から5マイル近く球速が上がっており、今後サイズアップに成功すればさらに速くなるとも。野手としてはパワー&スピードが魅力。


8(251) キャノン・ケンプ(Kannon Kemp):RHP:右投右打:6-6/225:Weatherford HS:$625K($188.8K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。まだ、コンスタントに最速をマークするほど馬力はないが、サイズを考えるといずれは安定して90マイル中盤が平均になるとも。アウトピッチは小さく鋭く曲がるスライダー。チェンジアップは発展途上。高校生にしてはコントロールがよく、ストライクを稼ぐことに苦労しない。


9(281) ライアン・ウィルソン(Ryan Wilson):OF:右投右打:6-1/195:Davidson:$125K($173.4K)

打撃では辛抱強アプローチとコンスタントに長打が打てるパワーが魅力。スピードは平均レベルだが、一瞬の隙を突いた走塁で次の塁を積極的に狙う。ポジションは流動的だが、1B/OFでいずれもプラスの数字を出せるとも。


10(311) ニック・マクラフリー(Nik McClaughry):SS:右投右打:5-9/159:Arizona:$25K($164.4K)

今年大学が所属するリーグの最優秀守備選手に選ばれたディフェンスがベストツール。レンジが広くハードヒットも難なくさばくスキルを有している。打撃は年々成長しているが、プロで好成績を残すのは難しいか。



11(341) カーソン・モンゴメリー(Carson Montgomery):RHP:右投右打:6-3/215:Florida State:$200K

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマークするが、球速が安定しないことと軌道がフラットなことが重なり空振りが奪えていない。ベストピッチはスライダー、鋭く小さく曲がるタイプと緩く大きく曲がるタイプのものを上手く使い分けている。チェンジアップとコマンドは発展途上。


12(371) ブレイク・ディッカーソン(Blake Dickerson):LHP:左投左打:6-6/210:Ocean Lakes HS:$500K

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で93マイルをマーク。体格を考えると今後さらに球速上昇が望める。縦方向に大きく曲がるスライダーはハイクオリティ。優秀なコマンドを持ち合わせており、ポテンシャルは高い。




総括

 例年通り高校生メインの指名となりました。1巡目のディロン・ヘッドはアスリートタイプを好むSDらしい指名です。パワーが伸びれば面白いタレントですが、ギャップヒッターに留まるようだとレギュラークラスの当落線上をさまよう選手にもなりかねないでしょう。
 1巡目以降の契約金ではトップ2となった高校生投手2人はいずれもコントロールに優れるタイプ。ここ数年高校生投手をメジャー昇格まではこぎつけることには成功しており、今年の2人も期待がかかります。とはいえ、1巡目指名クラスの選手ではなかったことも確かなので時間はかかるでしょう。
 大学生は高校生に比べると見劣りしますが、ドラフトイヤーに成績を伸ばしたホーマー・ブッシュJrや高校時代はトッププロスペクトだったカーソン・モンゴメリーといった面白い顔ぶれになっています。

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