【MLBドラフト】2023ドラフトレビューTEX編

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(4) ワイアット・ラングフォード(Wyatt Langford):OF:右投右打:6-1/225:Florida:-($7.7M)

バックアップCから名門校の中軸へとのし上がったスラッガー。強烈なスイングでハードヒットを飛ばすが、プルハッピー気味でハイアベレージは期待できないかも。スピード、アーム共に平均レベルだが打球反応とルートランは優秀。


4(108) スカイラー・ヘイルズ(Skylar Hales):RHP:右投右打:6-4/220:Santa Clara:-($621.7K)

90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。ノビのある4シームはいずれ100マイルに届くとも。大きく曲がるスライダーともども空振りを奪える球種。フルエフォートなデリバリーのためプロでもリリーフに収まるだろう。


5(144) アレハンドロ・ロサリオ(Alejandro Rosario):RHP:右投右打:6-1/182:Miami:-($437.9K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。ノビのある4シームを投じる。スライダー、チェンジアップ共に変化量が多く、空振りを奪いやすいが不安定。コマンドに欠けており、優秀なスタッフを行かせていない。


6(171) ケイデン・スカボラフ(Caden Scarborough):RHP:右投右打:6-5/185:Harmony HS:-($339.4K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマークするが、コンスタントには出ない。エクステンションの長いデリバリーのため、球速以上の速さに見せることもできる。ベストピッチはスピン量/変化量が共に多いカーブ。


7(201) アイザック・タイガー(Izack Tiger):RHP:右投右打:6-2/175:Butler County CC:-($265.5K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で100マイルをマーク。スピン量が多くホップする速球を高めに投じて空振りを奪う。小さく鋭く曲がるスライダーがアウトピッチ。好調時はチェンジアップを左打者へのアウトピッチとして使う。コマンドに欠け、球速が不安定な点をサイズアップで解決できればメジャー昇格が近づくだろう。



8(231) ジュリアン・ブロック(Julian Brock):C:右投右打:6-3/220:University of Louisiana at Lafayette:-($210.6K)

大学4年目にしてついにブレーク。打撃ではピッチセレクションを改善させ、BB/Kの数字が大幅に向上。持ち前のパワーツールを十二分に活かせるようになり長打数も増えた。守備ではフレーミングに難有りだが、ブロッキングには高評価を得ている。


9(261) クインシー・スコット(Quincy Scott):OF:右投右打:6-5/220:Palomar College:-($182.1K)

ローパワーに長ける大型OF。スピードは乏しく、打撃以外での貢献度は低い。


10(291) ケース・マター(Case Matter):RHP:右投右打:6-2/180:Washington:-($170.1K)

ほぼ90マイル中盤の速球だけでゴリ押しするピッチングスタイル。ノビのある4シームで空振りを奪い、打者を圧倒する。一方でコントロールは非常に悪く、四球の数を半減させないとプロでは使い物にならないかも。


11(321) マクストン・マーティン(Maxton Martin):OF:右投左打:6-1/205:Southridge HS:-

兄は17年にPITにドラフトされたメイソン・マーティン。シンプルなスタンスからバットスピードの速いスイングでハードヒットを飛ばす。空振りの多さは気になるところだが、対応できるゾーンは広い。


12(351) ポール・ボンザニ(Paul Bonzagni):RHP:右投右打:6-3/180:Southern Illinois University Carbondale:-

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。2シームを多投し、ゴロアウトを狙う。スライダーはアウトピッチにもカウント球にも使う便利な球種。柔らかい手首を使って投じるサークルチェンジ系のチェンジアップは横の変化量も大きく、左打者に有効。


総括

 1巡目はスリップしてきたワイアット・ラングフォードを逃さずスチール。ソリッドな大学生野手を続けて指名していた19~20年の指名傾向にも合致しており、今後もこの路線が続きそうです。
 2巡目と3巡目をQO拒否選手との契約で失ったため、1巡目の指名から2巡待つことになり、大方の有望株が消えていたため4巡目以降はカタログスペックに賭ける指名となりました。
 投手はもちろん球速重視。12巡目のポール・ボンザニを除き、速球がベストツールの4シーマーを揃えたという印象を受けます。この中でも最も期待がかかるのが、高校時代はトッププロスペクトだったアレハンドロ・ロサリオでしょう。典型的な投げているボールはすごいけれど成績が伴わないタイプで、大学で叶わなかったコマンドの改善をプロで実現できるかが見どころです。
 野手はローパワー重視。ケイシー・スコットもマクストン・マーティンも打撃練習ではものすごい打球を飛ばしそうですが、それを試合で発揮できるかが鍵になるでしょう。


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