【MLBドラフト】2023ドラフトレビューSEA編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(22) コルト・エマーソン(Colt Emerson):SS:右投左打:6-1/195:John Glenn HS:$3.8M($3.5M)

広角にラインドライブの打球を飛ばすことができるヒッティングツールが魅力。ギャップを狙うスキルは高校生の中では有数。パワーツールは平均レベル。守備の動きは悪くないが、SSに留まるにはスペック不足。3Bか2Bに転向するだろう。


PPI(29) ジョニー・ファーメロ(Jonny Farmelo):OF:右投左打:6-2/205:Westfield HS:$3.2M($2.8M)

打撃ではどのボールにでも対応してハードヒットを飛ばすことができる。打球が上がらないため、HRを量産とはならないがその他の長打は稼げる。スピードは平均以上でCFを守るチャンスがある。


CBPA(121) タイ・ピーティ(Tai Peete):SS:右投左打:6-2/193:Trinity Christian School:$2.5M($2.73M)

肘の故障のため投手から転向。打撃ではプラスのバットスピどードでハードヒットを量産する。何でも強引に引っ張るアプローチと拙いコンタクトスキルが欠点。守備では元投手ということもあって、深い位置からでも安定して強い送球をできる点が魅力。


2(57) ベン・ウィリアムソン(Ben Williamson):3B:右投右打:6/190:William & Mary:$600K($1.44M)

マイナーカンファレンスで圧倒的な成績を残し、注目を集めたもののトップクラスとの対戦はほぼなく信用に足る数字ではないだろう。バットを高く掲げるスタンスが特徴的だが、バットスピードはそれほど速くないためプロレベルのスピードに対応できるかが鍵になるかも。機敏な動きとアームの強さから守備ではプラスの数字を残せそう。


3(92) テディ・マクグロウ(Teddy McGraw):RHP:右投右打:6-3/210:Wake Forest:$600K($736.4K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。後半でも球速を維持できる点が強み。2シームと4シームを状況に応じて使い分けている。大きく横に曲がるスライダーはキレがよく、容易に空振りを奪える球種。チェンジアップは発展途上。


4(124) エイダン・スミス(Aidan Smith):OF:右投右打:6-3/190:Lovejoy HS:$1.2M($531.3K)

高校生離れしたヒッティングツールが持ち味。どのボールに対しても体を前に出されることなく、崩されない安定したスイングでヒットゾーンに打球を飛ばす。パワーツールは発展途上だが、シーズン2桁HRはクリアできるだろう。アーム、スピード共に優秀で長期間CFを守れるだろう。


5(160) ブロック・ロッデン(Brock Rodden):2B:右投両打:5-9/170:Wichita State:$200K($374.4K)

バットスピードの速いスイングでボールを巻き込み小柄なサイズからは想像できないハードヒットを飛ばすことができる。アプローチも成熟しており、迂闊にゾーン外のボールに手を出さない。アジリティは高いがアームが弱く2Bが主戦場。


6(187) ブロディ・ホプキンス(Brody Hopkins):RHP:右投右打:6-4/200:Winthrop:$225K($297.4K)

身体能力の高さだけなら今ドラフトでもトップレベルだが、それをプレーに落とし込むことができていない。今年から本格的に投手を始めたため、粗削りではあるが最速98マイルのシンカーと鋭く曲がるスライダーで三振を大量に奪った。将来はリリーフとしての起用が見込まれる。


7(217) タイ・カミングス(Ty Cummings):RHP:右投右打:6-2/205:Campbell University:$225K($232.9K)

90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ムービングの激しいシンカーが速球のメイン。真横に曲がるスライダーをアウトピッチとして使う。コントロールは悪くないが、ゾーン内にボールが集まりコンスタントに空振りを奪えていない。


8(247) ライアン・ホークス(Ryan Hawks):RHP:右投右打:6-2/235:Louisville:$75K($191.9K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で93マイル程度だが、デセプティブなデリバリーからノビのある4シームを投じ高めで空振りを奪うこともできる。ベストピッチは落差の大きいチェンジアップで打者の左右を問わず空振りを奪うことができる。コマンドに長けているが、少しの投げミスで長打を食らうことが多い。故障が多く耐久性に不安。



総括

 1巡目は3年連続となる高校生野手の指名となりました。コルト・エマーソンはSEAが好むヒッティングツールに優れるSSであり、狙い通りの指名ができたと言えるでしょう。SSに残り続けるかは微妙なラインですが、打つ方で苦労することはないでしょう。
 以降も中心は高校生野手となりました。ジョニー・ファーメロ、タイ・ピーティ、エイダン・スミスらはいずれも100万ドル単位での契約となり、彼らにかかる期待度がうかがい知れます。個人的には指名順位も契約金もSEAの高校生指名の中では最下位ではあるものの、エイダン・スミスが早々によい数字を残すのではないかと予想しています。
 高校生にボーナスプールの8割以上を費やしたため大学生は小粒に終わりましたが、下位ではブロック・ロッデンやライアン・ホークスといったソリッドなタレントを確保。マイナーカンファレンスの帝王であるベン・ウィリアムソンや身体能力お化けのブロディ・ホプキンスなどの実験的とも見れる指名も要注目です。

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