【MLBドラフト】2023ドラフトレビューPHI編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(27) エイデン・ミラー(Aiden Miller):3B:右投右打:6-2/205:J.W. Mitchell HS:$3.1M($2.97M)

フィジカルエリートのスラッガー候補。立派な体格はまだまだ大きくする余地があり、パワーツールは天井知らず。打撃練習だけでなく試合でもそのパワーを発揮できるスキルも有している。スピードは平均レベルだが、アームは滅法強く、身体能力の高さも相まって3B守備は上々。


3(98) デビン・サルティバン(Devin Saltiban):SS:右投右打:5-10/180:Hilo HS:$602.5K($685.1K)

シンプルかつバットスピ―ドの速いスイングでハードヒットを飛ばす打撃が魅力。悪球打ちなきらいもあるが、ドラフトリーグでは大学生が多く参加する中で存在感を発揮した。元々はOFだったが、ドラフトリーグでは2Bに挑戦。SSとしての指名は期待値が高すぎるが、2Bになら留まれるかも。


4(130) TJウォルトン(TJ Walton):OF:右投右打:6-3/225:IMG Academy:$499.1K($501.6K)

NFLの選手のようなフレームから100マイル超えの打球を連発するスラッガー候補。コンタクトスキルに難を抱えていたが、徐々に改善されつつある。見た目の割にはスピードがあるが、アームは平凡でCFに留まることはできないだろう。


6(193) ジョージ・クラッセン(George Klassen):RHP:右投右打:6-2/170:Minnesota:$297.5K($282.9K)

90マイル後半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で102マイルをマーク。コンスタントに100マイル超えする馬力が魅力。グネグネとしたムービングを見せるが、コントロールは皆無。変化球も発展途上で現状は速球の1ツール。


7(223) ジェイク・エディントン(Jake Eddington):RHP:右投右打:6-2/185:Missouri State:$222.5K($222.9K)

90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームで容易に空振りを奪うことができる。トミー・ジョン手術から復帰して間もないためコントロールが定まっていない。スライダーはクオリティもコマンドもイマイチ。


8(253) ブライソン・ウェア(Bryson Ware):3B:右投右打:6-2/211:Auburn:$152.5K($187.1K)

過去2年でわずか7HRだったが、今年に大学のシーズン記録となる24HRをマーク。振り回すだけではなく、アプローチも成熟している。大学入り前はSSということもあって、3B守備もそつなくこなす。


9(283) エイブリー・オウス・アシエデュ(Avery Owusu-Asiedu):OF:右投右打:6-4/230:Southern Illinois University Edwardsville :$147.5K($172.7K)

スピード&パワーに長けたアスレチックなタレント。コンタクトスキルが拙く、ゾーン外のボールに簡単に手を出すため打率が上がらない。


10(313) キャム・ブラウン(Cam Brown):RHP:右投右打:6-3/225:TCU:$154.5K($164.4K)

90マイル中盤の速球とチェンジアップ、スライダー、カーブのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。利き手側に食い込みながら浮き上がる軌道を見せる。ベストピッチはチェンジアップ。ブレーキがきいており、落差と緩急で空振りを奪う。スライダー等の変化球とコントロールが不安定なためリリーフ転向も有り得る。


11(343) ケイデン・ヘッティガー(Kehden Hettiger):C:右投両打:6-2/205:Sierra Canyon School:$397.5K

昨夏のショーケースは膝の故障で不参加も今春に打ちまくりアピールに成功。両打だが左打席での滑らかなスイングに高い評価を得ており、どのゾーンのボールにも対応できる。守備ではアームの強さが光るが、その他のスキルに欠ける。


12(373) ブランドン・ベッケル(Brandon Beckel):RHP:右投右打:6-4/225:Texas Tech:$162.5K



総括

 今年も1巡目に高校生を指名し、これで4年連続となる高校生の1巡目指名となりました。メジャーチームが長期契約のベテランとメジャー昇格して間もない若い選手で占められているため多少時間がかかってもいいからアップサイドの大きい選手を狙っているようにも見えます。より上位で消えていてもおかしくはなかったエイデン・ミラーをこの順位でスチールできたことも踏まえるこの戦略は大当たりでしょう。
 以降の野手指名もエイデン・ミラーに引き続きパワーツールに長けるタレントを多く指名。指名順位こそ低かったですが、ケイデン・ヘッティガー昨夏の故障さえなけば5巡目以内に指名されてもおかしくはないタレントで、ポジションはどうあれ今後が楽しみな選手です。
 投手は球速重視の指名となりましたが、全員リリーフに落ち着いてもおかしくはないでしょう。

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