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ラーメン二郎の店員さんはユニコーンズのTシャツを着るか〜僕の大学スポーツビジネス論〜

昨年、ジョージアテック、スタンフォード大、ボストンカレッジ、ジョージタウン大学、コロンビア大などを周り、スポーツ施設やbook store(大学のグッズが売っている)を訪問した。最近の、日本版NCAAと言われる、UNIVASの設立が決まり、大学スポーツも公認の正式活動になり、さらなる注目が集まっている。高校野球や高校サッカー同様に、または、アメリカ のアメフト、バスケットのような、観客動員やメディアでの露出、スポーツマーケティングにも関わってくるかもしれない。

よくアメリカ の大学スポーツは、凄い、ビッグビジネスだと言われる。IMGなども、カレッジスポーツ専門の会社を創っている。では、日本の大学スポーツも数万人を動員し、全国放送され、大きなビジネスになるのか。箱根駅伝はすでに大きな大会だが、学連と新聞社とテレビ局が、中心の母体で、UNIVASとの整合性をどうとるか、選手達にどう還元するか、など、簡単ではない。

僕自身、日本の大学で体育会を経験し、アメリカ の大学にも2度留学し、世界各地でのスポーツの隆盛を感じていると、日本の大学スポーツ発展には、いくつかのポイントがある。

1、大学の持つ排他性の排除。オープンイノベーション。

2、地域の人たちが参加するスポーツ。

1と2は、同じベクトル。

例えば、早稲田大学のスポーツの試合に、早稲田近辺の人たちは、来ているか。慶應ユニコーンズの試合に、日吉の商店街の人たちは来ているか。青山大学は、青山、渋谷の人たちにオープンになっているか。上智大学のスポーツに、しんみち通りの人たちは、応援に来るか。

慶應の日吉キャンパスは、駅の目の前。陸上練習場も目の前。ここに、2万人のスタジアムが、あれば、と行くたびに思う。慶應の白いポロシャツを来ているのは、自分が慶應の体育会だアピールしてそうな、焼けた男性だけで、ひようらの商店街のラーメン屋さんとか、慶應のTシャツを着ているのは見かけない。慶應スポーツが、横浜の、日吉の、三田のアイコンになっているか。早稲田スポーツが、新宿区のアイコンになっているか。四谷の商店街の人たちが、ソフィアのTシャツを着ているか。おそらく、慶應は、日本一OBOGとの繋がりが強い大学の一つだろう。野球の早慶戦をみて、仲間で飲みに行くような習慣は強い。しかし、日吉の商店街の皆が、慶應のポロシャツを着て、親子で応援に行く感覚があるかは、分からない。三田のラーメン二郎の店員さんは、ユニコーンズのポロシャツを着るだろうか?

青山大学も、Bリーグの渋谷サンロケッツのホームとして、体育館を貸し出している。画期的。しかし、その横の青山大学は、入れない、または、入りづらい。当然、青山大学のグッズを、一般の人や地域の人が買いにくる習慣はないだろう。早稲田は、地域にオープンにしている。以前はアディダス、今は、アシックスと体育会がコラボした、アパレルやグッズをオープンに販売している。おそらく、9割が大学生か卒業生かもしれない。

しかし、その地域における大学の存在は、経済的にも、文化的にも、とても大きい。韓国だと、優秀な学校が近いと、地価が高騰するという。

ジョージアテックも、ボストンカレッジも、ジョージタウンも、地域のアイコンになって、卒業生出なくても、グッズを着ている。

各大学生は、間違いなく、地域と交流している。商店街で、食事をし、飲み語り、そのお店の人たちとも、交流している。彼ら彼女たちが、大学スポーツの観客の潜在層である。グッズを買う潜在層である。おそらく、体育会の部員一人一人が、同じ大学の学生を倍の数、試合に来るように頼み、商店街の方も頼み、その試合を見て、応援したら、楽しかった、自分ごとになった、ということの蓄積、繰り返しかと。

三田のラーメン二郎の店員さんは、ユニコーンズのTシャツを着てくれるだろう。そして、親子で、ユニコーンズの応援に来てくれるだろう。大学スポーツの最初の顧客・ペルソナは、大学近くのラーメン屋さんや定食屋さんの親子だろう。そして、ブランドが蓄積されていく。日本の大学の名前の入ったアパレルが、世界中に広がる希望。

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