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女子サッカー、なでしこ、課題と未来

なでしこジャパンが、shebelieves cupで、アメリカ代表と、2-2で引き分けた。今年は、ワールドカップイヤー(フランス)であり、2011優勝、2015準優勝と、また、今大会も期待される。2016年のリオオリンピック出場を逃したなでしこジャパンは、下の世代の世界大会で実績を上げて、いわば女子A代表のなでしこジャパンとの融合をしながら、ワールドカップに近づいて、強化試合、調整をしている。

日本の女子サッカーは、競技人口においては、米国、ドイツに、大きく引き離されている。米国は、カナダと合わせて100万人以上の女子サッカー人口があり、日本は登録ベースでざっくり3万人、加えて競技人口が5万人ほど(fifa woman football survay)なので、10倍、20倍、30倍違う。アメリカ代表との直接対決では、一度しか勝っていない(2011決勝はPK勝ちなので、記録上は引き分け)が、2011優勝、三世代での世界一、ロンドン五輪準優勝など、素晴らしい実績を上げている。競技人口が少ないなかで、いわばエリート強化と、リーグ・クラブ・高校での強化、育成が少数精鋭を支えている。しかし、リオ五輪予選敗退のように、継続的な強化には、競技人口の拡大が必要である。僕もJFA時代、未来のなでしこプロジェクトを、スポンサーとサポートしていた。

日本の女子サッカーの競技人口面での、大きな課題は、中学校世代のサッカー環境である。小学校までは、男子と一緒にサッカーができる。中学校になると、部活動での女子サッカー部が少ない。男子サッカー部はあるが、校庭の取り合いになると、女子サッカー部を設置できる中学校は限られている。クラブは、ある程度、大都市やJクラブの下部組織があるところに限られる。つまり、小学校までの、女子サッカーエネルギーが、別の部活動に変わらざるをえない女子がたくさんいる。JFAもなでしこ広場などの活動で、普及、ボールを触れる機会を増やすが、まだ課題解決とまではいかない。高校はいい女子サッカー部が高校選手権のTBSでの放送もあり、基盤ができつつある。

一方、アメリカの女子サッカーは、いわば、男子のアメフト、女子のサッカーのごとく、普及、強化している。

大学時代、ボストンカレッジでみた、大学女子サッカーののびのびした開放感、逞しさがとても印象的だった。いまのアメリカ代表も、大学サッカー経験者が多い。アメフトが男子の競技で危険なので、女子はサッカーをやる層が多い。4大スポーツのイメージが強いアメリカだが、普及という意味では、サッカーは大きい。サッカーマムマーケティング、という言葉もある。子どもがサッカーをやり、富裕層の母親で、消費活動も旺盛で、車や家、保険などのマーケティングターゲットになる。

2015年の女子サッカーワールドカップ・カナダ大会も視察した。モントリオールでの、アメリカ対ドイツの準決勝。開閉式の大型のやや年数が経つスタジアム。女子サッカーの競技人口が多い二国。凄まじい試合。カナダなので、アメリカからの応援も多く、観客に女性が多く、ややアメリカ代表へはアイドルのような歓声だった。

主催のfifaの人たちにもヒアリング。

アメリカ代表は、米国内での人気も高く、美人のアレックス・モーガンは、高級ヘッドホンのbeat by dreのCMキャラクターにもなっていた。ニューヨークに立ち寄った際に、タイムズスクエアの世界一といわれるLEDに映し出されていた。

2015年の日本代表との決勝も、FOXが、事前に煽りに煽りまくって、番宣をやり、ニュースでも多く取り上げられていた。

日本女子サッカーの未来は、女子サッカー、特に中学生世代の、環境整備、そして、現在のエリートシステムも継続して支える。なでしこリーグの観客数をもっと増やし、経済的にも自力できる選手も増やす。リーグ、協会、メディア、スポンサー、地域の連携がさらに求められる。フランス大会を応援したい。

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