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スポーツロボットとは

スポーツロボットについて、現状の私の考えをまとめます。

スポーツロボットとは何か/何でないか

スポーツロボットとは、人間のように、スポーツをするロボットです。

その姿は人間型に限らず、車輪で動くものや、スライダで移動するアームであっても、スポーツロボットであると考えます。

スライダ上を動いて人間と徒競走する陸上選手やPKシュートを止めるGKの形をした板を人間が操作して、それで娯楽として成立していれば、それもスポーツロボットと呼べるかも知れません。ただ、ロボットという言葉が単なる自動/手動機械でなく、状況に応じた判断を自律的に下して移動したり物を動かしたりする存在を指すなら、人間の操作する板はスポーツロボットに含まれないでしょう。逆に、板であってもロボット自身が考えて(計算して)動くのであれば、それはスポーツロボットと呼べると思います。

VR(仮想化)技術を使ってディスプレイに投影された相手選手は、人間の対戦相手になる点で、スポーツロボットと共通しています。違いは、実在する身体を動かして、移動したり、ボールを売ったり蹴ったりする点です。

こうして考えてみると、スポーツすること、身体をもつこと、自律的に判断することの3つがスポーツロボットであるために必要だと言えそうです。逆に、それらを満たしていれば、人間が着る衣類の形をしていたり、車に似た形をしていたり、人間の形をしていなくてもスポーツロボットと呼べそうです。

何に使えるか

練習相手として使えます。ロボットが練習相手になってくれれば、人間を集めなくても練習できるし、ちょうどいい相手を探す手間もなくなって便利です。トレーナーとして、取り組んでいる課題を解決するための練習をずっと一緒できるし、手本を見せてくれることもあるでしょう。練習がしやすくなれば、運動の機会も増えて、健康の維持に役立ちます。

チームメイトとして一緒に試合をしても面白そうです。一流の選手に混じって試合する時のように、自分の力を引き出し、いつもより楽しくスポーツができるかも知れません。スポーツロボットの動きから着想を得て、これまでにない戦略や戦術、ワザが生まれるかも知れません。

変わり身としても使えます。遠く離れた場所からロボットの身体を操作すれば、遠くにいる選手と同じ場所でスポーツすることができます。ロボットの操作が簡単であれば、寝たきりの人や、歩けない人、運動の苦手な人でも、一緒にスポーツを楽しめます。ただし、スポーツをしたのにロボットが汗をかいて人間が運動不足なのももったいないので、何か操作に身体を動かす工夫があるといいかも知れません。

科学や技術の道具として使えます。スポーツをゲームとして捉え、最適解を導くことで、人間の行動を理解し、人間を楽しませる計算技術の発展を支えます。ロボットには動きのルールをインプットできるので、人間選手の身体の使い方はどうなるのが良いのか、人間同士の読み合いや駆け引きの原理はどうなっているのかなどを調べるのに役立ちます。

育成や対戦もできるようになるでしょう。スポーツロボットを鍛えてワザを身に着けさせたり、他のロボットと戦わせて競わせたりできます。

広告塔としても使えます。企業や製品のイメージを守るのが、人間よりも簡単になります。

以上のように、練習相手、チームメイト、変わり身、実験装置、育成対戦、広告塔として、スポーツロボットは使えそうです。

どうやって実現するか

スポーツロボットの身体と頭脳を作るにはどうすれば良いでしょうか。

人間がスポーツにおいてどんな振る舞いをしているのかを調べることは、スポーツロボットの開発に役立ちそうです。より細かく動きを測り、解析します。スポーツを計測する技術、解析する技術を発展させるだけではなく、実際に測る場面を増やす工夫が必要そうです。なので、解析結果を技術の向上や試合の価値につなげ、計測したデータを蓄積する動きに期待していますし、私が手伝えることがあればやります。

俊敏に動くロボットの設計法を確立することも重要です。モータとギアで動くロボットに限らず、様々な可能性を模索していく必要があります。特に、ヒト型として作ることを目指すなら、たくさんの関節があっても重くならないような設計法を見つける必要があるでしょう。新しい駆動装置には新しい制御も必要になりそうです。

人間とロボットでスポーツをやってみる試みを増やすことも必要です。すでにスポーツロボットは数多く開発されていますが、もっとたくさんロボットを作って様々な競技で試し、現場でしか見つけられない発見を積み重ねることが重要そうです。

まとめると、スポーツ分析の機会を増やし、俊敏なロボットの機構と制御を確立し、実際に試す場面を増やすことが、スポーツロボットの実現につながっていくと考えています

まとめ

現状のスポーツロボットについての考えを、定義、用途、実現方法に分けて考えました。頭と手を動かして試し、色々な人と話していきながら更新していく予定です。

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