拝啓 前澤友作様 『世界中をカッコよく、世界中に笑顔を届けるZOZO球団へ』

拝啓 前澤友作様

突然のお手紙失礼致します。

前澤友作様、あなたは2018年7月17日のTwitterにて「プロ野球球団を持ちファンや選手や地域の皆様の笑顔を増やしたい」との発信をされました。

私たち、家徳(スポヲタ社代表)・山田はこの思いに強く共感すると共に、「球団を通じてファン・選手・地域の皆を笑顔にしていく”参加型野球球団”」の実現に向けた運動に是非協力させて頂きたく、以下の通り新規『ZOZO球団』に向けた提言をさせて下さい。

私たちは、プロ野球が持つ潜在的な日本、いやアジア全土への影響力を最大限活かせるのは「新参者」であり「破壊的創造者・ディスラプター」になりうる『ZOZO球団』であると信じています。


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以下3点が、ZOZO球団が「絶対にやるべき領域」です。

1:「巨大アジア市場開拓」へのコミットメント
2:「デジタル・SNS領域の超積極活用」による参加型ファンコミュニティの育成
3:「最先端のテクノロジー活用」によるスポーツ界の顧客体験の創造的破壊・ディスラプション

以上の「3つ」を実現させることにより、欧米トップスポーツクラブと同等水準の売上額である「アジア初の1,000億円球団」を目指せると確信しています。


■1.巨大アジア市場開拓

プロ野球が日本国民の大多数によって支えられた日本一の人気スポーツである事は言わずもがなですが、日本の中でのNo.1プロスポーツとしての位置付けを守るだけでなく、その「競技力」や「コンテンツ力の高さ」から、グローバル市場に打って出られるポテンシャルも持ち合わせています。


■アジア市場開拓の"鍵"

メジャーリーグに次いで、日本のプロ野球は『①圧倒的な"世界No.2"の野球リーグ』です。サッカーで言うなら「プレミアリーグ」や「セリエA」のような位置にあります。このリーグ力の強さを活かしてグローバルな野球人気を作り出し、ファンを獲得して行ける素養があります。

実際に、プレミアリーグは中国やタイ等の多くの「アジア諸国」でも圧倒的な人気を誇っています。加えて、人口が急激に増え、娯楽に費やせる生活の余裕が徐々に出てきている、魅力的な『②アジア市場への立地の良さ』も上げられます。プロ野球の試合は、アジア諸国のファンが「時差なくゴールデンタイムで試合を観戦することが可能」です。また、アジア諸国で公式戦開催をするとしても、「時差を伴わない移動で試合を行うことができる」(これは選手のコンディション管理・怪我予防等の観点で大きなメリットがあり、その背景からアメリカの4大スポーツはカナダやメキシコ市場のみが海外公式戦開催の市場となっている)ことから、メジャーリーグ以上に「40億人のアジア市場」を熱狂の渦に巻き込める、大きなポテンシャルがあると言えます。


■超積極的アジア市場攻略戦略

例えば、Jリーグは「東南アジア出身の選手を獲得する」「タイでのトレーニングキャンプ・トレーニングマッチ実施やジュニアスクール開校」等、アジア市場開拓を積極的に行い、国内外での人気向上を続けています。それ以外にも、NBA等のアジア市場開拓の成功事例がありますので、これらを参考に超積極的なアジア市場攻略戦略を『ZOZO球団』の目玉として取り組むべきです。

具体的な取り組みとしては…

野球の普及 = 野球学校の開校
日本プロ野球の浸透 = プロ野球の試合の放映権の無償開放、現地でのファンイベントや試合の実施
現地選手の獲得 = イチローや野茂がメジャーリーグに移籍して日本人がメジャーを見るようになったのと同じように、東南アジア人選手の野球留学・日本プロ野球の試合出場を進めて現地の人気を獲得する

といった点に注力して行く必要があります。

ひとたび現地での人気を獲得しましたら「現地スポンサーの獲得」や「東南アジアに進出したい日系企業とのスポンサー面でのタイアップ」を通じて、事業スケールを拡大できる余地もあります。

この戦略は2018年7月から「グローバル展開」を開始したZOZOの本体事業とも大きなシナジーがあり、ZOZOの目指す『グローバルの人が笑顔で繋がる社会の実現』に日常である「ファッション」領域だけでなく、非日常の「スポーツ」領域の両面から加速度的に寄与していけると思います。


■2.デジタル・SNS領域の超積極活用

グローバルで大きく変革が起こっています。10代・20代は、もはや3時間の試合を応援席で、もしくはテレビの前で見るようなことはありません。

様々な統計結果から、年々若者の(連続して一つのコンテンツを消費できる)集中力は低下傾向にあり「YouTube」「Instagram」「Netflix」といった「自分の興味があるものを、いつでも、どこでも、何分でも自由に見られるコンテンツ」を好む傾向にあることがわかっています。


■ZOZOSUITのような"観せ方"を

球団として数分間・数十秒間の動画コンテンツを「個々人の興味にカスタマイズされた形」で最適なものを最適な媒体、最適なタイミングで提供する、ファン一人ひとりの「あなただけのスポーツコンテンツ配信」を追い求めるべきです。まさに「ZOZOSUIT」の取り組みの中で提唱されている「Your Size」のアパレル提供を、スポーツコンテンツに置き換えて提供する、そんな形が理想形です。

個々人にカスタマイズされたコンテンツの発信に加えて、更にファンのエンゲージメントを強化すべく、これからは「能動的(Proactive)応援」が必要になってきます。つまり、ファンが受け身で観戦するのみの応援形態から「積極的に試合に参加する」のです。まさに前澤様が仰った「皆が参加する球団構想」に合致するコンセプトです。


■具体案①:プロップベッティングの導入

「プロップベッティング」とは、欧米・中国等で非常に盛んなスポーツの試合結果の「予想ゲーム」であり、日本には「未上陸のゲーム」です。

同ゲームでは、各参加者が「ピッチャーの球数」「1イニングにおける得点数」「特定のバッターの次打席での結果」など、試合中の細かな結果を予想し、その予想結果に応じて景品・賞品などが授与されるもので、ファンのチームやゲームへのエンゲージメントを飛躍的に高めることができます(スポーツで行う場合、通常一つの試合を通じてのプロップベッティングの正解度によって順位が決まる)。

実際にNBAでは、昨シーズン途中から「NBA InPlay」という賭博にはあたらないサービスを開始しており、チーム主催ゲームに導入することで、ファンが試合中継続して試合を「能動的に見れる仕組みづくり」を提供しています。また、中国では、大手Tencent社がNBAの試合の動画配信サービスに付属する形で、プロップベッティングサービスを同ストリーミングサービス内に取り込んでいます。


■具体案②:モノ言うファンの育成

より密度の濃いファンコミュニティ形成 → 球団とファンの垣根の融合化

「チーム自体の勝敗を応援するファン」「特定のお気に入りの選手の私生活含めた姿が見たくてインスタグラムをフォローするファン」「高校時代から応援していた2軍選手を応戦するファン」など、応援するファンニーズは多角化しています。そのため、球団としてそれらニーズを把握するためにも、従来の「"OO球団ファンクラブ"という画一的なファンクラブモデルから脱却」し、細分化されたファンコミュニティを積極的に支援していく必要があります。

その後、同細分化コミュニティと、積極的に「SNS」等の同コミュニティサイトを通じて会話すると共に、同コミュニティマネジメントを積極的に球団として行っていく事で、各ファンは「自分の思い・希望が球団に実際に届く」との体験を得られる事となります。よって、各ファンの満足レベルが向上するのみでなく、一ファンとして「チームをより面白くしているとのやりがい」や、「(実際にチームが各自の声によってよい方向に進んだ場合)達成感」も得られることとなり、より積極的なファンが誕生していく事となります。

更に上記の「能動的応援」「濃いファンコミュニティ作り」「モノ言うファンの育成」の取り組みの土台となる要素として「ファンが選手と直接つながり始めている」という、時代の変化も無視できません。例として、クリスティアーノ・ロナウド選手のInstagramフォロワーは「1.4億人」。現代の選手は、プレーだけをしていればよい時代は終わりました。ファンは選手の普段の行動や考えや「ファッション」といったところまで、興味を持っています。

チームよりも選手個人にフォーカスを当てたコンテンツ発信に力を入れ、SNSのフォロワー数や発信の影響力も年俸査定に加味する仕組みづくりを取り入れる世界最初の球団は『ZOZO球団』であるべきと思います。


■3.最先端のテクノロジー活用

スポーツは常にクールで時代の最先端を行くべきです。

世界最高のパフォーマンス発揮の為、そして世界最高の熱狂体験の為に「最先端のテクノロジー」を駆使して、新しい取り組みやソリューションが体験できる環境であるべきです。

『ZOZO球団』は欧米をはじめとするスポーツテクノロジーベンチャー企業のソリューションを誰よりも積極的に活用し、新たな顧客体験を創造して行くことで、スポーツにおけるイノベーターとしてのグローバルリーダーの地位を獲得して行くべきです。トラディショナルなチームが多く、こうした新しい技術の取り入れについては慎重であるケースが多いのが、グローバルなスポーツ業界です。

AIによるプレーデータの自動解析
ブロックチェーン技術によるスポーツ選手とファンのダイレクトでより濃密なコミュニティ創出
VRによる自宅からの球場体験

など、昨今の技術変革には、スポーツ体験を大きく変化させてゆく可能性が無限大にあります。こうした多くの可能性を積極的に取り入れ、実証実験して行く先駆者となることで、グローバルのファンや企業からの注目を集め、「世界一のクールでカッコいい体験」を提供することが出来ます。

こうしたスポーツ業界の破壊的創造(ディスラプション)は「ZOZOSUIT」により、究極にフィットするアパレル提供を試着室なしで実現した、イノベイティブな文化を持つ「ZOZO」の得意領域と理解します。


■なぜ「ZOZO」なのか?

上述の「3つ」の施策を実行に移し、野球界に変革を起こす事ができるのは、20年間に渡りアパレルEC業界のパイオニアとして

①:デジタル領域での顧客体験の徹底した向上のノウハウを持ち、

②:新規事業や新たな顧客価値創造に対する数々のイノベーションを起こせる企業文化を持ち、

③:ファンが高齢化しているプロ野球界にとって、最も重要な顧客層である20~30代の顧客層を既存のZOZO事業で数百万人保有している、

「ZOZO」こそが最も相応しいと確信しております。


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末筆になりましたが、最後に自己紹介を書かせて頂きます。

家徳 悠介

米国で幼少期を過ごす。大学時代は慶應義塾大ラクロス部に在籍しながら、一年間ラクロスの名門米国ノースカロライナ大(昨年全米優勝)にも在籍し、日米の大学スポーツを経験。留学時、米国スポーツ設備・テクノロジーの進み具合に衝撃を受ける。総合商社で7年、石油ガスプラントの投資・営業に加え、AI・IoTの事業開発にも携わる。
同社退職後、スポーツビジネスの知見を広げることを目的にコロンビア大学スポーツ経営学修士課程に進学し、最先端のスポーツビジネスノウハウを蓄えるとともに、米国内スポーツ関係者、同テクノロジー会社と関係を築く。18年に「日本のスポーツは面白い!」をコンセプトに、本邦スポーツをテクノロジーの力でよりエンターテイニングにする、スポヲタ社(Sporta)を設立。現在同社にて欧米最先端スポーツテクノロジー販売権、ライセンスを保有。

山田 聡

東大野球部元主将兼捕手でデータに裏打ちされた配球に自信を持つ。総合商社で9年、投資ファンドで1年のコンシューマーグッズ領域を中心とした経営・投資業務に従事。2017年まで米国のWharton MBAに2年留学し、留学中はシリコンバレーにも拠点を持ち、アメリカのスポーツ経営やスポーツテクノロジーについての最先端の知見を得る。日本のプロ野球球団でのCRM分野を中心とした勤務経験もあり。競技や勤務先、役職を超えた多様な人材が、スポーツビジネスの未来を本気で議論し、一歩づつ具体的なアクションを起こす20-30代が中心の団体、“Drive Your Own Passion(DYOP)~スポーツビジネスサロン~”の代表幹事も務める。

我々チームは米国のスポーツビジネスのトップリーグにおける経営ノウハウを持つ一方、最先端のスポーツテクノロジーの潮流を捉えており、実際に米国最先端のスポーツテクノロジーサービスを日本の球団が取り入れるところまでの実行力も有しております。そして何よりも、スポーツが世界を繋ぐ最高のコンテンツであると、強く信じ、誰よりもスポーツに対する強いパッションを持っています。

Passion can be contagious.

スポーツの可能性・魅力を『ZOZO球団』を通して、ここから世界中に伝染させて行きます。是非、気持ち的に低迷しつつある日本社会をもう一度元気にするために、先駆者として『ZOZO球団』が変革を牽引することで、プロ野球がアジア・グローバル最強のスポーツコンテンツとなれる様、前澤様の思いを全力で支援させて頂ければと思います。もし可能であれば近々ご面談の機会を賜れれば幸甚です。

Be unique, Be equal』な世界の実現へ、スポーツを活用しましょう。

ご連絡をお待ちしております。

家徳・山田

敬具

家徳→e-mail:yukatoku@sportajapan.com

山田→twitter

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SatoshiYamada

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コメント2件

「ひとたび現地での人気を獲得しましたら」ここが一番大事だと思うけど、一番あっさりした対策になっていますね。アジアにおける野球とサッカーの競技人口の差を縮める取り組みがないと、学校作るだけでは難しいですよね。長く中国に住んでますが、中国人は、そもそも野球を知りません。インドはクリケット文化があるから、可能性はあるかもしれませんが。
コメントありがとうございます!まさにどのマーケットを攻めるべきか、どうやって認知と人気を獲得するかという点は重要な検討事項だと思っています。個別論になりますが、すでに野球認知のある台湾・韓国・フィリピンはいきなりNPBコンテンツ(現地選手獲得、オフシーズンや二軍戦の開催・二軍フランチャイズの現地化等)を横展開できる素地があると思っています。といってもそれだけでは市場が小さくて面白みに欠けますので、やはり他の未開拓市場も行きたいと思っています。そのhowとしては、やはり2000年代からのNBAの中国市場開拓戦略からのlessons learnedがあるかと思います。姚明の獲得はもとより、最初スポーツの認知度を上げる為に中国国内の放映権を無料で開放したのが大きいかと。当然グローバルスポーツであるサッカーとはスタート地点の認知度や経験者数で差があるのはやむないのですが、だからこそ野球界の中では日本がずば抜けた地位にあるので、そのアセットを活かさない手はないなと考えている次第です。
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