スポーツは「シビックプライド」醸成の重要なツール


まちづくりの領域などにおいてよく用いられる言葉に「シビックプライド」というものがあります。
「その街に対する誇りや愛着」を意味しますが、単に「郷土愛」を指すだけではなく、その街に誇りと愛着を持つからこそ、街の課題解決や活性化をするために市民がコトを起こすマインドを表現しています。

地方創生を実現するためには、如何にしてシビックプライドを醸成するかがポイントですが、スポーツはその重要なツールになると私は考えています。


スポーツクラブは人と地域を結びつける存在


プロアマ問わず、スポーツクラブは地域との関わりがなくてはならないものです。試合が開催されるときは数千、数万の人がその地域に訪れますし、クラブの宝とも言えるアカデミーやスクールは地域の子どもたちから成ります。

クラブのことがメディアで報じられれば、進学や就職でその街を離れた人に対して故郷を思い出すきっかけを与えもします。つまりプロスポーツクラブは、その地域と地域に関わりのある人を結びつける媒介という一面があるのです。

クラブが競技面で好成績を上げたり、いい選手を輩出したり、社会貢献活動を通して地域の人に愛される存在になればなるほど、地域に対する想いも強いものとなります。同時に、地域が活性化して人とお金が集まればさらにクラブは良化しますから、クラブを愛する人々はクラブのためにも地域を良いものにしていこうと、「シビックプライド」を持ち、活動を始めるようになります。

もちろんこの説明の仕方はかなり簡略化したものであって、実際には様々な事情や課題が立ちはだかります。ですが、いずれにせよシビックプライドを醸成するには多くの人がアイデンティを抱く共通のアイコンを持つことが重要です。
アイコンは、例えば雄大な自然かもしれません。建造物やお祭りといった歴史的なものかもしれません。あるいは食べ物や音楽など文化的なものかもしれません。地域によって多種多様なアイコンはありますが、上述したように、人と地域を結びつけやすい性質を持ったスポーツも、確実にそれらと肩を並べうる存在と言えるのです。


子どもたちへのシビックプライド教育は、未来への鍵


日本の至るところでは、若い人材が地域から流出して働き手が不足する課題を抱えています。
そうした地域が活性化していくためにもシビックプライドの醸成は必要不可欠です。シビックプライドを持ってもらえれば、一時的に地域から離れたとしても将来的に地元に戻る可能性が高くなるからです。地域に愛着を持っていて、かつ都会で様々な経験を積んだ人材がUターンする仕組みを構築できれば、地域には大きな財産となるでしょう。

そのような流れを生み出すには、幼い頃からその街に対する誇りや愛着を持てるような教育が鍵となります。学校で地域の歴史や魅力を伝えていくことも大切だと思いますが、別角度からのアプローチも必要であり、それができるのがスポーツクラブなのです。

私自身、静岡県藤枝市に生まれ、幼い頃からサッカーに触れ、サッカーと共に育ったことで「藤枝」という街に強烈なシビックプライドを持つことができました。大人になってから藤枝を活性化する手助けをしたいと思ったことも、藤枝MYFC創設のひとつの動機となりました。

だからこそ、スポーツXが経営に携わるプロスポーツクラブでは、シビックプライドの醸成をキーワードに掲げていきたいと考えています。


インバウンド業界から学んだシビックプライドの重要性


今回はスポーツとシビックプライドの関係性について書いてきましたが、シビックプライドの重要性に気づいたのは、ある方との会話がきっかけでした。その方はインバウンド業界のトップランナーといえる存在なのですが、
「インバウンドで観光客を呼び込むためにはシビックプライドを醸成することが不可欠」と仰っていたのが凄く印象に残ったのです。

たしかに外国人観光客を継続的に呼び込むには魅力的な観光地をつくる必要があります。ハード面の整備というよりも、地域の人々が自分たちの地域を愛するからこそ、

「外から訪れる人にも自分たちの街を愛してもらいたい」

という思いを持つことで成し得るというのです。お話を聞いた際、「それができるのはまさにスポーツクラブだ」と気がついて本当に嬉しくなりました。

我々は、クラブを通してシビックプライドを醸成し、地域を、そして世界を豊かにしていきたいと思います。


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スポーツX株式会社 代表取締役_小山淳

2009年に株式会社藤枝MYFCを創業。ビジネス的アプローチを随所に取り入れ、史上最速5年でJリーグ入り。2017年には『SPORTS X』と社名を変え第2の創業とし、国内のスポーツビジネスを根本からCHANGEしていきます。詳しくは→http://www.sportsx.jp/
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