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シネマテーク・フランセーズ訪問記

皆様こんばんは。
いかがお過ごしでしょうか。

わたくしはと言いますと、時に疲弊しながらも、マルタ留学を存分に楽しんでおります。


さて、数日前に1週間ほどバカンスを取り、パリ旅行へ行って参りました。
想い出しても目がとろんとするような経験をしてきましたので、複数記事に渡って綴りたいと思います。

今回は、旅のまさに最後の訪問場所「Cinémathèque française(シネマテーク・フランセーズ)」についての文章です。




2023年4月 マチルダ撮影


まず、シネマテーク・フランセーズについて簡単におさらいしたいと思います。

本施設は、パリにある私立文化施設(とは言っても、フランス政府がその大部分を出資しています)であり、映画遺産の保存、修復、配給を目的とし、4万本以上の映画作品と、それに関する資料、物品を所蔵しています。

1935年に、アンリ・ラングロワとジョルジュ・フランジュが組織したセルクル・デュ・シネマというシネクラブに起源しており、1936年に設立されました。1948年の常設館建設までは、ラングロワのアパルトマンで活動が行われていたようです。

ゴダール、トリュフォー、ロメール、リヴェットといった錚々たる映画人たちは、このシネマテーク・フランセーズに出入りしていたことによって交友を得たようです。
映画史において、どれほど重要な位置づけにあるのかが伺えますよね。





さて、私が訪れた際に開催されていたのは、『MUSEE MELIES』と『EXPOSITION TOP SECRET』という展示でした。

2023年4月 マチルダ撮影


前者は、名前の通り、かの有名なジョルジュ・メリエスに関する展示で、後者は、スパイ映画に関する特設展示でした。


まずは、『MUSEE MELIES』から。

2023年4月 マチルダ撮影


ご覧下さい。
自身の大学の授業をほっぽり出し、恐縮ながら、密かに師と仰いでいる教授を追いかけて潜った某私大の授業以来、幾度となく目にすることとなった『月世界旅行』(1902)の原画が目の前に…。

2023年4月 マチルダ撮影
2023年4月 マチルダ撮影



そしてこちらも、私の専攻である経済学部のゼミをほっぽり出して夢中になった、フランス映画史を扱う授業で目にした、マイブリッジの連続写真…。

2023年4月 マチルダ撮影


私が、本質的に映画を知ることとなった時期に目にした映画資料の数々が、一堂に集結しており、自身の人生の転機が想い出されて感傷的になってしまいました。



こちらは、『EXPOSITION TOP SECRET』。

スパイ映画といえば無論、『007』これ一択。
現代に生きる我々からすると、かなり鈍臭いジェームズ・ボンドですが、やはり世界は彼らを愛さずにはいられませんよね。

2023年4月 マチルダ撮影


こちらはフリッツ・ラングの『スピオーネ』。
ラング作品は観たいものが沢山あるのに全く追えていないので、これを機に徐々に触れていきたいと存じます。今回はこれだけ言わせて下さい、『軽蔑』を私は愛しています…。(出演ですが…。)

2023年4月 マチルダ撮影


しかし、シネマテーク・フランセーズが所蔵する資料とは、目を見張るほど豊かなもので、シネフィルのあなたには必ずや訪れて欲しい場所に思います。


しかしながら1点、悔しい想いもしました。

私が本館に訪れたのは日曜日、図書館の閉館日でした。
そのため、ヌーヴェル・ヴァーグの資料に殆ど触れられなかったのです。
開催されている展示も、ヌヴェール・ヴァーグからは離れたものであったため、その機会に恵まれませんでした。

次回こそは、フランス映画の息に触れたいと強く願います。


ただ、帰り際に立ち寄ったお土産物屋さんで、こちらを発見いたしました。

2023年4月 マチルダ撮影

私のベスト映画『裁かるゝジャンヌ』の書籍が…。
何度見てもこの画には心動かされずにはいられません…。





ところで皆さん、京橋にある我らが国立映画アーカイブが、訪問者で混雑している様子を目にしたことはありますか?

私は、昨年の『ぴあフィルムフェステバル』にて、パゾリーニの日本未公開作品が上映された日を除いて、見たことはありません。


しかし、さすがはフランス。
私は、開館時間より少々早く現地へ到着したのですが、ご覧下さい。

少なくない人々が、開館前から入場を待っているではありませんか。
そして驚くべきは、外国人は私だけで、他は全員フランスの方。

2023年4月 マチルダ撮影


やはり、フランス人の映画愛とは大きいのだと感じました。
補足しますと、パリ市内には至る所に映画館があり、映画館付近には場所を指し示す標識が設置されています。
やはり、フランス人の映画愛とは大きいのだと感じました。




今回はこの辺で。
しばらく、パリ・映画巡礼記が続くと思われますが、皆様お付き合いだされば幸いです。

最後まで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、月の右目に体ごと突っ込みたいほど嬉しいです。

ありがとうございました。


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