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経済的な理由で夢を諦めかけている学生を支える、新進気鋭のベンチャー「Crono」。メンバーの素顔とは?(前編)

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朝日新聞(2018)によると、2012~2016年までの5年間で奨学金にからむ自己破産をした若者は1万5千人を超えたといいます。
(参考:諸永裕司、阿部峻介「奨学金破産、過去5年で延べ1万5千人 親子連鎖広がる」朝日新聞,2018-2-12

なぜこのような状況になってしまっているのでしょうか。

多くの人が不自由なく暮らせる先進国だと思っているこの日本には、まだまだ深刻な貧困問題が多数あり、苦しむ人々が大勢います。

そのひとつが「教育格差」

教育格差とは、親の状況によって子どもの教育環境に大きな差が生まれてしまうこと。これを引き起こしている原因は、ずばり「お金」です。昔に比べ進学率が高くなったといえども、生まれた家庭の経済状況や地域によって、有利・不利な教育環境が存在します。(参考:松岡 亮二『「生まれた環境」による学力差を縮小できない〈教育格差社会〉日本』現代ビジネス | 講談社,2019年7月

文部科学省のデータ日本政策金融公庫のデータによると、幼稚園から大学まで平均して1人あたり1000万以上かかるようです(※国公立or私立にもよります)。
特に大学進学は学部によって差が激しく、国公立はおよそ250万円、私立はおよそ400~500万円、6年間通う医学系になると2000万を超す費用が必要になります。

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しかし、いま日本では7人に1人もの子どもたちが貧困状態にあります。(参考:日本財団

貧困状態とは、経済協力開発機構(OECD)が定める相対的貧困率を月収で表した場合、親子2人世帯が月に約14万円以下で生活している状況のこと。月14万以下だと、単純計算しても年間収入は168万円にしかなりません。これではひとりっ子だとしても、親子は日常生活で精いっぱい、塾どころか、学校に通わせることもままなりませんよね……。

そんな貧困状態にある子供の数は、なんと280万人。これは大阪市の人口(270万人、2019年10月)以上。貧困のために学費が払えず、充分な教育を受けられなかったり、やりたいことをやれない状況にある子供たちはこんなにもいるんです。

日本では最終学歴による所得の格差が存在するため、教育格差は生涯所得に大きく影響します。将来のために大学に通いたい若者・高い能力や意欲を持つ若者がいても、貧困家庭に育っている場合、経済な理由で進学を諦めざるを得ず、やりたいことができないうえに就職も大卒社員との給与は開きっぱなし……最終的に、世代を越えた貧困のスパイラルが生み出されます。教育格差は現代社会の深刻な問題なのです。

経済的な理由で苦しみ、進学や夢を諦める……そんな若者の現状に対して、今までにない取り組みを行うベンチャー企業「Crono」が注目を集めています。

株式会社Crono(クロノ)は、世界40ヶ国で展開するグローバルビジネス誌「Forbes」の日本版である「Forbes JAPAN」に、「社会課題解決に挑む日本のインパクト・アントプレナー」として選出されました(2019年8月)。

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いったいCronoとは何をしている会社なのか、どんな人が会社を動かしているのか

今回の記事では、自身も奨学金を借りて大学に通い、卒業した今返済に怯える私・オギノシエ(しーちゃん)が、学生時代に会いたかった……っ!と切実に思ったサービスを展開するCronoに突撃取材。

共同創業者兼取締役の荒木隆義さん、プロジェクトマネージャーの豊島穂波さん、インターンのMさん(修士課程1年)へ、実際にインタビューを行ってきました!
(代表取締役の高インロンさん、大学4年のインターンTさんについてはテキストでの回答をいただきました。)

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日本初!「企業×奨学金」に取り組む、大注目のベンチャー企業Crono

苦しむ学生たちに、経済支援で「機会の平等」を叶える

——Cronoって何をしている企業なんですか?

豊島
日本初となる「企業奨学金」という制度を通じて、何かに挑戦したい、学びたい学生をサポートし、学生と企業両方がWin-Winの関係となる人材プラットフォームの構築を行なっています。

現在は主に「奨学金の肩代わり」「企業奨学金」の2つのモデルの奨学金制度の普及を進めています。

「奨学金の肩代わり」とは、奨学生が企業に入社することと引き換えに、企業が利用している奨学金の返済の一部を負担してくれる仕組みです。

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また「企業奨学金」とは、企業が奨学生の挑戦したい内容に対してプログラムを組み、新たに奨学金を提供。奨学生は挑戦後に予め設定された条件(入社・勤続1年など)を企業にリターンとして提供する仕組みとなっています。

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——具体的に今はどんな業務をしているんですか?

豊島
現時点では、企業に対しては企業奨学金の制度について提案を行なったり、提携企業とタイアップをした奨学金プログラムを実施したりしています。
例えば、今年(2019年)8月に海外インターンシップを提供しているタイガーモブ株式会社と合同で、エンジニア志望の学生に対して「海外インターンシップ奨学金プログラム」を実施しました。

学生の方々に対しては、奨学金に応募いただいた方との面談や、LINE@を使った奨学金の相談対応などをしています。
学生が求める条件に合った奨学金の情報提供だけではなく、キャリアなどの進路相談、学費など経済的な問題についての悩みにも個別対応しています。
なかには弊社のビジョンに共感をしてくれた方から「新規事業のアイデアを考えたので壁打ちをお願いします!」という相談が来ることも。
様々な事情をもつ学生に対して日々真摯に向き合っています。


——Cronoの魅力ってなんですか?

荒木
企業と学生、両者が高い志で挑戦・貢献し続けられることです。

既存の多くの奨学金は、学費や一部の留学費用など利用用途が限られています。ですが、グローバル人材やプログラミング人材など専門性の高いスキルを持った人材の需要が高まる現在、学生側に「海外でしかできない研究をしたい」「大学だけでなく、プログラミングスクールで学びたい」など特殊なニーズが増えてきています。
しかしそうしたニーズを自力で叶えようとすれば、奨学金ではまかないづらい別途の授業料が発生します。そのため、高い志があっても裕福でない学生は、経済的な問題により涙を飲んで“諦める”という選択をしなければならないのが現状です。

Cronoの「企業奨学金」サービスは、奨学生の挑戦したい内容を企業が全面的に支えます。“お金に余裕があるけど人手不足”の企業が、“成長する時間はあるけどお金がない”学生に「機会の平等」を与える。これは、経済的な問題を抱える学生が諦めずに自分の道を切り開いていく「希望の選択肢」になると考えています。

企業奨学金で挑戦を叶えた学生は、入社時に即戦力となれる高いスキルとモチベーションを備えているはずです。彼らを社員として迎えることで、企業はより活発なビジネスを生み出すことができます。

——学生の未来、企業の未来。両方に希望が生まれます……とても魅力的ですね!

Cronoが生まれた背景にある想い

企業奨学金を通じて、後輩たちの"挑戦"へのハードルを少しでも下げたい

豊島
いま、学生の2人に1人は奨学金を借りており、社会人になってからも返済がネックとなりスキルアップのための資金を捻出できない人が多くいます。

弊社代表の高さんも、奨学金で大学に通っていました。彼は在学中、挑戦したかった留学を、家庭の経済事情や「これ以上返済額が増えたら返せないのではないか…」という不安から、涙ながらに諦める経験をされたそうです。
この時に、挑戦したいことがあるにも関わらず、家庭環境や経済的な理由から断念せざるを得ない日本の現状に対して不満を抱かれたといいます。

「次の世代の人たちには自分と同じような想いはして欲しくない」。
この想いを強く持ち、社会人になった高さんはCronoを立ち上げられました。そしてその想いに共感したメンバーがCronoに参画しています。

※なお、高さんはこちらのインタビューでもCrono創立について詳しく回答されています。ぜひ読んでください。
(参考:平野 潤「800万の奨学金返済に苦しんだ彼が、「企業が肩代わりする奨学金」を立ち上げるまで」キャリアハック,2019-6


Cronoで働いている人々

いままでにない事業を動かすメンバーは、どんな人たちなの?

——どんな人々がCronoに携わっているのか知りたくなってきました。

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後編では、メンバーの皆さんがどんな学生時代を過ごし、企業奨学金の事業に興味を持ったのか、そしてCronoの今後と、2019年11月にリリースした2つの新サービスについてうかがった内容をご紹介します。

今回の記事企画は、取材したいヒトとされたいヒトのマッチングサービス「LOOKME」を通じ、株式会社CronoのPM担当豊島さんからオファーを得て、私・オギノシエが制作しました。

LOOKMEのコンセプトである「実はすごいヒトにスポットライトを」。これは取材する側と取材されたい側、両方の強い想いから実現します。
「取材したい側が取材を申し込む」だけの在り方を越え、互いの想いを叶えていく場所として、LOOKMEは可能性に満ちています。

その一つが「LOOKME公認取材ライター」

駆け出しライターのひとりに過ぎなかった私・オギノシエは、今回の記事をキッカケに「公認取材ライター」として活動をすることになりました!

こちらで紹介していただいているので、ご覧いただけると嬉しいです。


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