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『京都国際映画祭2019』アート鑑賞。芸人も学生も「誰でも・何でも」ありの楽しさ

先日、京都で行われたイベント『京都国際映画祭2019』のために足を運んだ。

『京都国際映画祭』とは、文字通り京都で開催される映画祭だが、映画に限らずアートの展示会やイベントなども各所で行われる。開催時期は毎年10月中旬、まさに「芸術の秋」の風物詩となっている。

私の目的は、この中でもアートの展示。

映画を観たいとは思っているが、アートも映画も両方というのは、時間と体力的にきついので願いは叶わず。

舞台は小学校、ただし「元」

アート展示の主な会場は、京都市下京区にある『元・淳風小学校

ここは、平成29年に廃校となった小学校で、跡地をこのようなイベント会場として開放している。

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その入り口には、閉校記念式典の時に掲げられたという「147年間ありがとう」の文字がそのまま残されている。そんな歴史ある校舎と、教室などの各施設が展示会場となる。

「教室」という名のアート空間

会場では、机や椅子などの備品がそのままの形で残され、それを利用したアートも多数ある。その教室をまたげば、全く別の人達の作品もある、それぞれの教室がそれぞれの世界を作る空間となっている。
そんな作品の数々を紹介していくと、

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教室の中に巨大な「繭」が作られ、室内の机や椅子が全てその糸に巻き込まれている、教室の備品は繭を形成するためのオブジェとなる。
作品名は『スデル・うまれかわる』。

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「スデル」とは琉球の古い言葉で「生まれ変わる」。この言葉と繭のオブジェから「生まれ変わる」ことの意味を感じとって欲しいとのこと。

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また教室だけでなく、廊下にも多くの展示がある。これは、銀シャリ・鰻他の人達による、様々なボディペイントを見せる写真作品。

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レイザーラモンHGによる、恐らく自身のコンビ『レイザーラモン』の漫才風景を描いた絵画。巨大なキャンバスに二人がダイナミックに描かれているが、レイザーラモンHGは毎年、このようなパワフルな作品を見せて楽しませてくれる。

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モンスターエンジン・西森による「鉄」のアート。彼の実家は鉄工所で、自信も勤務の経験があるそうで、この作品は「親父へのプレゼント」の意味が込められているとのこと。

これらは、関西で深夜に放送されているドキュメンタリー番組『OFLIFE』ので紹介された中から、お笑い芸人の作品を取り上げて展示しているとのこと。

他にも、吉本興業の芸人による「アート投票コンテスト」も行われていた。

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来場者は「投票シール」を4枚ほどもらって、気に入った作品に貼り付けていく。後に、投票数が上位の作品がグッズ化されるらしい。

映画やアートと共に、期間中はお笑い芸人によるイベントも開催されるなど、吉本興業はこれに大きく関わっている。
吉本興業は事業の一つとして『よしもとニュープロジェクト』と名付けた、新しいカルチャーへの取り組みを行っていて、今回のイベントもその一つということ。

誰でも、何でもいいじゃない

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展示の中には、アーティストや芸人にとどまらず、吉本興業が沖縄に設立した、クリエイター養成学校『沖縄ラフ&ピース専門学校』の生徒作品。小・中学生による、自分たちの「ありがとう」をテーマにした写真など、本当に幅広い層が参加する展示だった。

そんな、数多くの作品を見せてくれた『京都国際映画祭』アート部門だったが、それらを鑑賞して感じたのは、アートって本当に誰でも何でもやっちゃっていいんじゃないかってこと。
みんなが自由に作って展示して、それを見た人が楽しんだり感動したり、そんな自由なのがアートってことでいいんじゃないかってこと。

ただ、最近は展示作品に対して「アートと言えば何でも許されるのか」などと話題になることもあるけど、やるのは自由、評価するのは鑑賞した人。人に評価されなければ、それはアートとして伝えることができなかった、アートとして成立しなかった、そういう考え。

そんな持論を主張するつもりはないけど、私は「自由」が楽しいと思っているので、そんな気持ちでアートを味わってみたいと思う。

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