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ひめいち 【Vol.5 向日葵号】

向日葵や起きて妻すぐ母の声  森澄雄

郷土の誇る俳人のひとり、森澄雄(現網干区生まれ)の句です。
夏の朝の何気ない家庭の風景。
子供たちに「はよ起きて、支度しいや」って声が聞こえてきそうです。

巻頭の画像は何年か前の佐用町南光のひまわり畑。
ひまわりは次号に予定していましたが、今が見頃とのことで急遽引っ張り出してきました。
さよ、佐用、讃容、五月夜。播磨の西部にもいろいろな姫にまつわる伝承があります。みごとな大輪は”ひまわり姫” と呼びましょう。

◇イマドキのひめいち勉強法

こんにちは、ひめいち倶楽部です。
合格率3%の姫路検定試験1級(ひめいち)への挑戦者応援サイトとしてオープンしてから、早いもので5回目になりました。
今号は、ひめいちに限らず難関試験に役に立つ(はずの)アイテムを紹介します。


■あれもしたい、これもしたいの中で

今を生きる現代人はある意味、時間と闘っていると言えます。
仕事や家事に取られる時間だけではありません、どちらかというと余暇時間でのあれもしたい、これもしたいの時間争奪戦のことです。

趣味は何ですかと訊かれ、「読書だけ」「釣りだけ」「ゴルフだけ」と答える人は少ないです。
ゲームが Youtube が、TV番組が映画やライヴが、スポーツジムや山登りが時間をわれにと誘惑するのです。
考えてみるとこんなWeb上の記事も時間争奪犯?のはしくれの一つなのかも知れません。こころして記さないと。

でも、これをやろうと決めるのも消費するのもわれわれ自身です。
限られた時間の中で、それぞれに優先順位をつけ、やりくりをして余暇時間を有効活用しようとします。

"学び" についても、ほとんどの人がやりたいと思っている人生の欲求の一つではないでしょうか。「私は勉強がキライ」という言葉は、「勉強することは人生の中でとても大切」と思っているから出てくる裏返しの言葉ではないでしょうか。

前号まで、急がずに楽しく勉強しようなどと書いていましたが、やはり限られた時間であるなら効率よく学びたいですよね。

ひめいち勉強法のご提案、最終回 part 3 はより具体的なアイテムをそろえました。


■勉強方法のご提案(part 3)Excel,スマホで学ぶ!

前号では記述問題用としても使えるExcel活用の一例を紹介しましたが、書いて答えるというのはやはり時間がかかります。
ひめいち合格を目指すのであれば、書いて憶えるというのは(試験は記述式なので)避けて通れないのですが、
今、例えば30分しか勉強時間がとれない場合、記憶した知識を確認するという作業としてこんなのをやっています。

四択問題です。右枠の中に答と思う数字を入力すれば、自動判定します

このオリジナル選択問題、簡単な関数でつくれますし、ひとつシートができれば、コピーして何種類でもシート(問題)を増やすことが出来ます。マクロなどの上級技も使っていません。
案内人は、1セット100問にして、点数も出せるようにして、いちびってやってます。
あ、何より2、3級に挑戦しようという方にはドンピシャですね。

同様の考えで、スマホでもできます。

暗記メーカーという無料アプリです。他にも同様のアプリはたくさんあるようです
問題や解答(候補)はランダムに出てきます

スマホであれば、PCのように立ち上げの時間ロスもなく、30分どころか5分だけでも結構勉強になります。
サクッと勉強できるように、一つの問題集は12問ほどにして(上図のひめけん 13~18 というのがそれ)1セットを1~2分で終れるようにしています。

これは今のところ、最強のスキマ時間活用だと思っています。通勤電車の中とかもってこいですね。

当然ながら問題は自作になりますので、問題造りの時、問題を解くときダブルで学べます。

■記憶を定着させるには
少し学習アイテムから離れます。
”エビングハウスの忘却曲線” という言葉を聞いたこと、ありませんか?。
人が勉強して憶えた知識は、1時間後には半分になり、1日後には1/4、
さらに1週間後には2割しか憶えていないということを示したグラフです。

個人差が大きいとのただし書きはあるものの、要するに人間が忘れるのは当然のこと、憶えてなくて当たり前、忘れてなんぼ(そこまでは言ってない)
ということなのです。

で、この対策には、当然ですが繰り返し学習、つまり復習を繰り返すしかないようです。
詳しく知りたい方は、「エビングハウスの忘却曲線 復習のタイミング」などで検索してみてください。

言いたかったことは、前述の学習アイテムなどで復習することが、どれほど記憶の定着に役に立つかってことです。

■これこそイマドキ!?
勉強道具に戻ります。
これもスマホを使ってのアイテムですが、"スマートフォン対応暗記用マーカー AnkiSnap" なるものです。

東急ハンズで500円也。


黒い部分をタップすれば隠れていた文字が現れるという仕組み

要は、学生時代マーカーペンと赤シートを使ってやってたのをスマホに取り込んだってことです。
確かにノートや赤シートを電車の中で引っ張り出して勉強するより、手軽でスマートですよね。特に大人がそれするには結構勇気が要ったりします。

専用アプリで使います。この使用期限が1年間とのこと、500円は安いと思ったみなさん、うまくできてるでしょ。(製品についてるシリアル番号を入力します)
問題をそろえる(プリントした紙を画像にする)のが結構手間ではありますが、500円/年の価値があると思う方はどうぞお試しください。

スマホを使った勉強法をもうひとつ。
はじめから付いているアプリだと思うのですが、ボイスメモを活用するという手です。
聴覚暗記法ですね。問題を声で入れる3~5秒ほど空けて答を録音する、という単純なものです。問題から答まで数秒空けるというのがミソらしく、これは記憶を呼び覚ます時間とのことでした。
スマホやPCで目が疲れたときとか、聞いてるだけですので良い方法かも知れません。
ただ、聞いて憶えるというのは比較的効率が低いという説もあります。

あと、道具ではありませんが、勉強を家ではなく外でするという方法。
例えばカフェとか通常とは違う環境で。
そのお店のルール(ご利用は○時間以内で?)には気をつけなければなりませんが、適度なリラックス効果は適度な集中力を生みだすようです。

ただ、小論文の練習やオリジナル問題造りなど、没頭系の作業は気が散ることもあるので不向きかもしれません。

イマドキの勉強法、ひめいち倶楽部からは以上です。

ぇっ!?
「期待したんとちゃうど!もっと他に、楽で安上がりで簡単で、はよ覚えられる勉強法はないんかい」ですと?。
あきらめてください、そんなのはありません。
ネットで探すと、いろいろいっぱい出てきますけどね。
ただ、普通に勉強法や記憶術でググるより、"脳科学" という単語を加えて調べた方が良いものが見つかるかも知れません・・・とだけ言っときます。
ご安全に。

おっと、忘れるところでした、今回の格言です。

聞くと忘れる。見ると覚えている。行うと理解する   孔子

紀元前からの格言だと思うとずっしり感が増します

体験する>書く(タイプする)>見る>聞くって順番になるのでしょうか。
脳科学的には体験して憶えたことは、記憶のフックが付きやすいとされています。記憶は脳の中で引っかけて引っ張り出すらしいのです。

やはり時々は外に出て、神社仏閣町歩きに施設見学は効果ありってことですね。



■MYひめいち物語 (その五 二度あることは・・・の巻)

前回は2回目のひめいち挑戦。リベンジを期したものの返り討ちにあったところまででした。

■前回の結果と反省点
前回(第14回姫路検定1級試験)の自己採点は75点!。初挑戦時は73点だったので2点UP、合格に着々と近づいているという自信がわいてきました。(自己採点は本人の感覚です)
前号で紹介できなかった他の不正解問題としては(不思議と×だった問題ほどよく覚えている)、
・一ツ山、三ツ山大祭を支えてきた城下の集落(国府寺村、宿村、中村)
・千姫が千姫天満宮に寄進した羽子板の図柄(左義長、葵紋・桐紋など)
など。
もう一歩、踏み込んだ知識が必要と認められます。(他人ごとか)

はい。込み入った引っかけ問題(例の好古園)や不運な設問(例の思無邪)にもめげず、捲土重来、さらに実力を蓄えての再々挑戦になります。

なお、この第14回姫路検定1級試験の合格者はゼロ、でした。

初めての方はその1(創刊号)からお読みください

三度目の正直:一度や二度は当てにならないが、三度目は確実であるという意味の慣用句。 転じて、物事は三度目には期待どおりの結果になるということ。(goo国語辞書より)
これが自信の根拠でした。試験前は "二度あることは三度ある" などとは夢にも思っていません。

例によって実況中継風にお届けします。

                     ※過去問は禁無断転載です
第15回姫路検定試験(2018年)1級試験問題より   
難問鬼問をピックアップしています。

[問題1]姫路の歴史について
1,今年は県政150年とされ、様々なイベントも行われていますが、これについて次の各問に答えてください。
⑤明治初期の廃藩置県の時、播磨エリアには、播磨以外の県の飛び地がいくつかありました。その飛び地となった県名を3つまで挙げてください。
2、②-2 『播磨国風土記』関連
 仁徳天皇が、山陰五か国の国造に飾磨の御宅で田作りを命じた・・・
(1)山陰五か国とは、どことどこを指すのでしょうか。

第15回試験より

飛び地!、これはいきなり厳しい。憶えていないものは解らない。
(答)鶴舞県(舞鶴県ではありません)、壬生県、古河県、忍県、鳥取県、尼崎県、棚倉県 から三つ

池田氏ゆかりの鳥取県くらいは書けたかなぁ。県をそのまま藩に読み変えても聞いたことのあるのは、古河藩、忍(おし)藩くらい。完敗でした。

次の山陰五か国。こうなってくると常識力が問われます。姫路、播磨に関係ないやんとか言ってられません。
伯耆、因幡、出雲はなんとか出てきた。あとふたつ。
但馬は五か国に入るのか、丹波は山陰道ではあるはずだが、山陰五か国とまで言えるのか。
(答)但馬、伯耆、因幡、出雲、隠岐(のようです。但馬の代りに石見国との資料もありました wikipedia)
隠岐国は眼中になかったです。惜敗。

[問題4]姫路の産業について
1.地域に根差したトップスポーツチームが各地で話題となっていますが、姫路でも2チームが活動しています。2つの種目とチーム名、それぞれを支援する主な地元企業を5社あげてください。(重複不可)
3.企業の社名変更はしばしば行われますが、姫路に本社を置いている上場企業で”平成” の間に社名変更を行っていない企業を5社挙げてください。

第15回試験より

女子バレーの"ヴィクトリーナ姫路" 、女子サッカーの"ASハリマアルビオン" が分からなければ姫路市民(播磨国民)ではありません。
が、地元支援企業5社!ですと。
この問題にはウラをかかれた。何のウラやねん。

ん~、参った。
知っている企業を適当に書いときましたが、重複不可ということもあり当選?確率は10%くらいでしょうか。
(答)当時の支援企業と現在では異なる場合がありますので、ここには書きません。各チームのHP等で調べてください。(ぁ、ぃゃ、すねてなんかいませんが)

次、平成の間に社名変更を行っていない、地元上場企業を5社!?
も、もどかしい問題です。
市内の大企業からピックアップしていって・・・、東京(大阪)本社とかは省かないといけない。だいいち、有名企業でも(ショーワグローブさんとか)上場していない企業もあるはずだし。
「グローリーさんは、前はたしかグローリー工業とかやったはず。けどそれがいつ変わったかとなると・・・ぶつぶつ」
終盤に来てこういう問題はつらい、パニクリまくりです。

後で(冷静になって)考えると、昔からの社名がいくつも思い起こせます。山陽特殊製鋼、大和工業、神姫バス・・・。
(答)上記に加えて ハリマ共和物産、西芝電機、三相電機、美樹工業など

悪戦苦闘しながら最後は小論文。

問題5の3 次の播州弁と標準語を織り交ぜて、短文を作る。ただし、播州弁は標準語に、標準語は播州弁に置き換えて。
[くらわす・力いっぱい・だてこき・必ず・どくしょい・あいさに・めんめら・がいよう・大丈夫(別状ない)]

第15回試験より

あれ?、今年の小論文は例年と違う。ややこしいけど、時間かければ出来るぞ。"力いっぱい" は "おんまく"、"だてこき" は "ええかっこしい"、"どくしょい" は "ひどい目"・・・
一つずつ翻訳?して意味が通るように並べ替えて、書き加えてと。
時間はかかりましたが、なんとか書き終えて、時計を見るとタイムアップまで10分程度あります。
ここまでの奮戦で、へとへとではありましたが、はじめから見直します。
記述式ゆえの漢字間違いがないかなど、細かいところをチェックして、最後の播州弁問題を見直しているところで、100分経過。終了。

いつものように、何とも言えない脱力感に包まれます。ふ~っ
感触としては、もしかすると三度目の正直!かも。

が、が、がが、この後、大チョンボに気づくことになるのです。
はて、さてその大チョンボとは・・・。
(次号に続きます)

■演習問題 [播磨国風土記]

今号より、テーマを決めて演習問題を提供させていただくことにしました。
今まで、秘蔵の?オリジナル問題から適当に出題していたのですが、どれを出題したのか、そろそろ分からなくなってきたからです。
とはいえ、重複がないとは言えません、その際はご容赦のほど。
第1回は[播磨国風土記]です。

1.奈良時代初期に編纂された播磨国風土記ですが、この(平安時代末期の)写本が国宝に指定されています。
 ①この写本は現在どこの所蔵になっているでしょう。
 ②この写本が世に出たのは、江戸時代、ある藩主が京の三条西家の所蔵品から見つけ出したとされています。その藩主とは、どこの藩の何という殿さまだったでしょう。
 ③"風土記" という名称は、後年一般向けに付けられた名前のようですが、実際に編纂された当時の呼称は何だったでしょう。

2.播磨国風土記の編纂は、楽波河内などの当時の国司が携わったとされています。その国司にはどんな種類の”役” があったでしょう。
その役名と、それぞれの人数を答えてください。

3.播磨国風土記の餝磨郡伊和里には、有名な十四の丘伝説が記されています。大汝命と火明命の親子の争いが起き、船に積まれていたいろいろなものが、流れ着いた(落ちた)丘の名になったとされています。その中で
 ①琴が流れ着いたのは琴神丘(琴丘)ですが、この比定地は何という山で、ここに現在建っているのは何という中学校でしょう。
 ②"藤丘" もその十四の丘のひとつですが、一般的には何が落ちてその名になったとされているでしょう。

4.播磨は「日本酒のふるさと」。これは播磨国風土記に記された、日本最古の米麹を使った酒造りの記事から生まれたキャッチコピーです。
 ①この日本最古の酒造りは、ある神社で行われたと伝わっていますが、この神社とは、どこの何神社でしょうか。
また、兵庫県は他に日本遺産にも登録された”伊丹諸白と灘の生一本”のように日本酒造りが盛んで、清酒製造数量では毎年1位を続けています(国税庁調べ)。では、②ランキング2位と3位の都道府県はどこでしょう。

5.全国で同時期に編纂された風土記ですが、現存するのは(すべて写本ですが)五つの風土記のみとなっています。しかもそれぞれ、多くの欠損部分があるようです。
 ①播磨国風土記については、どの部分が欠損しているでしょう。
 ②現存する五つの風土記のうち、ほぼ完本で残っているのはどこの国の風土記か答えてください。

6.現存する播磨国風土記は稿本(正式なものではなく下書き)ではないかという説があります。なぜ、そう言われるのか理由を3つ程挙げてください。

答は画像の下です


播磨国風土記にも縁の深い両社 左が伊和神社(播磨国一宮)、右が4-①の答の神社
どちらも宍粟市一宮町
巻物で残っている播磨国風土記の長さは886cm、文字数約12,000
ちなみに出雲国風土記は17,000文字とのこと。さすが?完本

1.①天理大学附属天理図書館
京の三条西家から、どんな経緯でここに収まったのでしょうね。
  ②前田綱紀 加賀藩4代藩主。ちなみに彼の曾祖母(ひいおばあさん)は千姫の妹、珠姫です。
  ③「解」または「解文」

2.国の等級によって異なっていたようですが、守(かみ)一人、介(すけ)一人、掾(じょう)二人、目(さかん)二人の四等官が国司と呼ばれていました。
播磨国風土記編集長?の楽波河内はそのうちの目(大目)でした。

3.①薬師山 琴陵中学校 ②綱
なんで、綱が落ちて藤丘なの?、って不思議でした。
調べてみると、"藤綱" という言葉があって、藤のツルで造った綱とのこと、船の碇(イカリ)綱、もやい綱に用いていたらしい。
大汝命親子の乗った船の碇綱だったのかと納得。
イカリは別の場所(不沈丘)に落ちたのも面白い。

にしても、"琴陵" 中学校って素敵なネーミングですね。ここのこどもたちも誇りを持って学んでいると思いますよ。たぶんではなく。

4.①宍粟(宍禾)郡(今の宍粟市)の庭田神社
  ②2位:京都府 3位:新潟県 
2020年調べですが、最近はほとんど順位の変動はないようです。
清酒製造数量は、兵庫県 (93,599kL):京都府 (59,975kL):新潟県 (28,693kL)
さすがは山田錦の本場、ぶっちぎりの1位ですね。

そんなこともあってか、播磨には美味しいお酒の醸造所がいくつもあります。案内人のいちおしは、下村酒造店さんの"奥播磨” です。(余談でした)

5.①播磨国の総説(序文)、明石郡の全体、賀古郡の冒頭、赤穂郡の全体が欠損しています。これが問6.の稿本疑惑?にもつながっていきます。
  ②出雲国風土記

6.・播磨国風土記(写本)は国郡里制で書かれており、郷里制に変わった715年までにつくられた可能性が高い。とすれば、713年の風土記詔勅からわずか2年で完成まで至るとは思えず、下書きの類いと考える。
出雲国風土記は詔勅から20年も経った733年の完成だった。
  ・赤穂郡などの欠損がみられる(上奏前の準備段階ではなかったか)
  ・誤字が多い(校正前ではなかったか)   など
ただ、当時のことでもあり、制度が変わっても数年くらいは国郡里制でも許して、とか、赤穂郡の脱落や誤字は、平安時代に書き写した人がボケっとしてたからとか(個人的推理)、いわゆる諸説有りってことのようです。

□次号予告

・役に立つ書籍特集 ひめいち座右の書
・MYひめいち物語 失敗に学ぶの巻(仮題)
・演習問題 [赤松氏]

こんなもんでいかがでしょう。








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