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Levy's World -美しく碧き交渉人-(仮題)

ルーカス・モウラを獲得してから約1年半の月日が経とうとしている。もうそろそろスパサポ諸兄は新加入選手に飢えすぎておかしくなっているのではないだろうか。例えば横山三国志の画像を延々ツイートするとか。以前「移籍ゴシップの海を泳ぐ」と題し、個人ブログ上で移籍ゴシップの読み方を解説したが、今回はSpursJapanのノート[note]という媒体を拝借し、移籍ゴシップのまとめ及び分析をしたいと思う。

今回のコラムと関連がある過去の私(@yukithfc)のブログを紹介します。

■スパーズの'19夏移籍市場をシミュレーションしてみよう
https://ykithfc.hatenablog.com/entry/2019/04/06/062158

■スパーズ補強予想番外編~移籍ゴシップの海を泳ぐ~
https://ykithfc.hatenablog.com/entry/2019/06/04/191425

今回のコラムでは移籍ゴシップの読み方を綴っているので、この2記事を読んでいただくと理解が深まります。

獲得の噂

まずは一番交渉が進展していると思われ、かつサポーターから加入を最も切望されているこの男から。

タンギ・エンドンベレ

上記ブログで取り上げた時から状況は大きく変わり、エンドンベレの獲得競争はスパーズがリードしている状況だ。先日リヨンの会長オラスが「期待に沿うオファーが無い」と語っていたが、この発言は現在交渉しているクラブがスパーズのみであるため、競合クラブを呼び込もうという意図だろう。

だが実際のところ競合クラブはいまのところ存在せず、オラスにとっては誤算だったのかもしれない。マンチェスター・シティはアトレティコ・マドリードのロドリ、ユベントスはPSGとの契約が切れるアドリアン・ラビオをフリーで獲得しようとしているようだ。PSGはFFPによる制裁を警戒していることもあり、今のところ選手獲得の噂はほとんどない。PSGやユベントスに売却したいというオラスの発言は現実味がなく、非常に滑稽なものとなってしまった。

スパーズを「CLファイナリストのビッグクラブ」と認めたエンドンベレはSky Sportsによると£63mで獲得可能だそうだ。当初は€100mの評価額が設定されていたものの、競合が存在しないこと、エンドンベレがスパーズに対して好印象を抱いていることから、スパーズとリヨンとの間の力関係がスパーズに傾き始めているという理解でいいだろう。ITKやミラー紙ではスパーズがこの夏に二度、移籍金クラブレコードを塗り替えるだろうと伝えられており、£63mは想定範囲内だろう。レヴィお得意のボーナスやインセンティブの設定などでオラスを納得させられるかが一つの焦点となる。

またリヨンはエンドンベレの後釜となる選手の獲得交渉を進めており、その交渉が成立すれば500日超ぶりの新選手獲得の障壁はほぼなくなると言ってよい。

とはいえ、フランス代表招集を終えたばかりのエンドンベレはまだ休暇中であり、選手個人との交渉が事実上不可能な以上、スパーズ・ファンはもう少しの間我慢を強いられることになるだろう。


ライアン・セセニョン&ジオバニ・ロチェルソ

エンドンベレの他に獲得候補筆頭とされるのがセセニョンとロチェルソだ。移籍金レコードを二回破るというのはエンドンベレ、ロチェルソのことを指しているのだろう。ロチェルソは上述のブログで取り上げた頃から進展がないのでそちらを参考にしていただきたい。この二人には現在も代表でプレー中という共通点があり、今は動ける状態にないので。(英U21代表もアルゼンチン代表もすぐに敗退しそうだが…)

セセニョンはロンドンでの生活を優先しているようで、フラムやパレス等ロンドンベースのクラブも興味を示しているとされるが、若手育成に定評がありCLでプレー出来るという点は大きなアドバンテージになるだろう。


ブルーノ・フェルナンデス

先日、ロンドンでスパーズと会談の場を持ったがスパーズはフェルナンデスに対して興味を失った、という情報(Sky)と、交渉を再開したという情報(Standard)があり、真っ向から矛盾している。攻撃的MFのプランAがロチェルソであることはほぼ間違いないため、

1)プランBとして既に交渉を進めている

2)交渉材料として選手の代理人に利用されている

3)逆にロチェルソの交渉材料として利用している

あたりが可能性として考えられる。個人の見解を述べると「本当は2)だけど3)として活用出来るのでまあ結果オーライ、ロチェルソに集中しよう」というところかと。去年デヨングやグリーリッシュを取り逃がした際もプランBを用意していなかったため、1)はやや説得力に欠ける。


ジャック・クラーク

リーズの18歳WGでリーズの地元紙が盛んにスパーズからの関心を報じている。まだトップチームでデビューしたばかりで今季25試合出場したが途中出場がほとんど。£20mで獲得可能とされており現実的な額ではある。SkyのLyallもスパーズが関心を持っていることは認めているが、現行2019年までの契約の延長交渉中でスパーズをダシに使っているだけじゃないの?という穿った視点は忘れないでおきたい。


ダニ・セバージョス

過去何度もビッグクラブに在籍する選手からの移籍が噂されているがVDV以降一度も実現していない。何故か?スパーズが新加入選手に対し出場機会を約束することはないからだ。トレーニングで120%を出しポチェッティーノの信頼を勝ち取らない限り出場機会は訪れない。単純に、スパーズはこれからキャリアを立て直そうという選手が選ぶクラブとしては不適当なのだ。セバージョスはそこまでリスクを取ってスパーズを選ぶ必要があるのか?いやおそらくないだろう。ひとまずこの噂は忘れておこう。


放出の噂

契約残り1年で引き止めの崖っぷちにあるエリクセン、バイアウト条項でさらにクラブの立場が弱いアルデルヴァイレルトと、この夏は主力級2人が放出不可避の状況にある。

クリスチャン・エリクセン

レアル・マドリードと最近になってユベントスの名前が挙げられている。どちらもポグバ獲得を狙っているという情報があり、状況は流動的。スパーズは「適正価格」であれば手放す覚悟はあるだろう。エリクセンは契約延長の可能性も否定しておらず、「適正価格」のオファーが無ければ自分を高く評価してくれているスパーズに残ることもやぶさかではないと言ったところ。
以前から補強予算自体はあると伝えられており、エリクセンの去就に関係なくエンドンベレ、ロチェルソ、セセニョンの獲得に動くというのは変わらないだろう。

トビー・アルデルヴァイレルト

本人曰く「契約がまだ一年残っているので新シーズンもスパーズでプレーする」とのこと。選手交渉事は原則として父親/代理人に任せており、何を考えているのかよく分からない怖さがある。報道からでは代理人が納得するラインが全く分からず、かといって移籍先を見つけてくる訳でもなく何がしたいのかよく分からない。

契約切れフリー移籍であれば代理人手数料を増額してもらえるだろうから、2020年にフリーで移籍してガッポリ儲ける!というのが父親/代理人のシナリオなのだろうか。

キーラン・トリッピアー

ナポリやユベントスが興味を示しているとイタリア紙が盛んに報じている。CL決勝後に神妙な面持ちで「休暇後にポチェと将来について話し合う」と語っていたことから、本人の気持ちはやや移籍に向かっていると思われる。

同じように自分の将来に疑問を持ちポチェと会談した後復活を遂げたデンベレのようになるか、それともポチェが本人の意思を尊重し泣く泣く移籍を認めたメイソンのようになるか、要注目。


以上。

ここで挙げた選手以外にも獲得・放出の噂は出ているが、信憑性が高いと判断したもの及びゴシップの読み方を学ぶ際の勉強材料になりそうなものを挙げた。

ライター @yukithfc
今後、定期的に移籍ゴシップのまとめ/分析をSpursJapanの[note]でやっていきます。TwitterでのRT、フォローで支援していただけるとやる気が満ち溢れます。
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