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古河電工FITELnet F220 を設定する

20年以上、ルータは YAMAHA か CISCO しか使ったことがないが、機器更新のタイミングで古河電工 FITELnet F220 を導入することにした。

他にも、富士通Si-Rシリーズも検討したが、Si-Rシリーズはユーザも多くてどこかで触れる機会があるかもしれないので、よりレアそうな FITELnet を選んだ。

ちなみに、富士通はもともと「富士通信機工業」という社名で、これは「富士電機製造」(現富士電機)の電話部門が分離して子会社化したものだ。そしてその富士電機製造は、「古河電気工業」(古河電工の社名)とドイツ・ジーメンス社の合弁で作った子会社なので、系譜としては富士通は、古河電工の孫に当たる。

いまは別の資本(ノジマ傘下)になってしまったニフティは元は富士通の子会社なので、古河電工からみたらひ孫になる。

YAMAHA、CISCO と並んでユーザが多いのは NECプラットフォームズ(旧NECアクセステクニカ)。UNIVERGE IXシリーズは拠点用として定番中の定番。価格とスペックで拠点用ルータを選ぶと、この 3社のどれか、もしくは富士通を加えた 4社になると思う。

本当はスペック的に HUAWEI の AR6100シリーズを使いたかったが、供給に難があって入手できなかったのであきらめた。(2022年は半導体不足で、中国でもこの手のルータは入手難なのは同じ状況らしい)


F220 の設定を始める


古河電工FITELnet F220

さて、日本中の拠点で使われている四天王や世界中で使われている CISCO と違って、古河電工FITELnet を使っている人は少数派だ。ウェブで情報を探そうにもユーザは見当たらない。このさき、設定はすべてマニュアルを読み解きつつ行っていく必要がある。

まず、デフォルトの状態だと LAN1(interface Port-channel 1)には IPv4 が静的に設定されていて、192.168.1.1/24 が割り当てられている。DHCPv4 も動いており、192.168.1.2~254 が配布される。

LAN2(interface Port-channel 2)では DHCPv4 client が動作しているので、どちらかを使えば Ethetnet 経由で telnet でログインできる。

telnet でアクセスするときユーザ名は operator、パスワードは設定されていない。ftp の場合はユーザ名同じ、パスワードは admin123 になっている。


ファームウェアのバージョンアップ


show version コマンドでファームウェアのバージョンを確認する。


原稿を書いている次点で最新版は Version 01.10 なので、これはちょっと古いファームウェアが入っている状態。

ファームウェアはウェブから無料で誰でもダウンロードできる。

デフォルトで ftpサーバが動いているので、ftpクライアントを使って送り込む。


ftp はユーザ名 operator、パスワード admin123。


ファームウェアのファイル(F220_V011000.FRM)を drive直下に置く。

FITELnet で特権ユーザ(YAMAHA RTシリーズで言うところの administratorモード)になるには、enableコマンドを使う。パスワードは設定されていない。


ファームウェアの展開は extract-firmwareコマンドを使う。引数はファイル名。

FITELnet ではファームウェアが present-side(いま起動しているファームウェア、表)と、other-side(裏) の 2バージョンに置くことができ、resetコマンドの引数で other-side を指定することで起動に使うファームウェアを裏表、入れ替えることができる。


設定のお作法


設定のお作法としては、enableコマンドで特権モードになる、configure terminalコマンドで設定を変える、endコマンドで設定状態を抜ける、saveコマンドで設定を保存する、commitコマンドで反映させる、という形だ。

ちなみに、saveコマンドを省略して commitコマンドを実行すると、一時的に設定が反映された状態になる。そのまま resetコマンドで再起動すると、最後の設定は反映されない。


これは telnet で terminal にログイン、LAN1(interface Port-channel 1)に静的に IPv4アドレスを設定する、という簡単な作業を行う様子。commitコマンドを実行すると設定が反映されるので、ネットワークが変わるときなどは、terminal から抜けてしまうので再度ログインする必要がある。


パスワードの変更


デフォルトだと、telnet のログインも特権ユーザへの移行も、パスワードが設定されていない。パスワードの設定は、passwordコマンドで行う。

telnet 用のパスワードの設定は、password login (平文パスワード、最大30文字)、特権ユーザ用のパスワードの設定は、password enable  (平文パスワード、最大30文字)で行える。


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