見出し画像

なぜ2023楽天ドラフトは低評価なのか?

こんにちは。楽天イーグルス🦅ファンの
たけもと と申します。

突然ですが、2023年ドラフトから1週間ほど経ったこのタイミングで、なぜnoteを書こうと思い立ったかというと、ドラフト寸評の記事を読んで、楽天の低評価が多いと思ったからです。

しかし、僕を含め楽天ファンの声としては今回のドラフトを肯定的に捉える声が多かったように感じています。

このギャップはどこから生じているのか?
個人的に考察していきたいと思います。よろしければご覧ください。

1.楽天の補強ポイント

楽天が酷評されがちなドラフト寸評の記事ですが、一般的にチームの補強ポイントを抑えられているか?を主題に語られることが多いように思います。

今ドラフトで楽天が補強するべきだったポジションは、まず投手でしょう。

簡単に挙げるだけでも、チーム防御率最下位(3.52)、チーム先発防御率最下位(3.66)、チーム奪三振数最下位(921)といった逆DHC状態。

結果を残した若手投手は荘司、渡辺翔太の両ルーキーと高卒3年目の内くらいで、若手〜中堅の突き上げがなく、岸、田中、則本らのベテランや松井裕、宋家豪、安樂といった実績組に頼り切りの現状でした。

ただ、近年のドラフトにおいて2020年、2022年に5/6で投手を獲得したため、全体的に野手が不足しているのも事実。

以下の表は2023ドラフト前の楽天イーグルスのデプス表(年齢分布やポジションの内訳を表した表)です。

ましと(@mashito_7)さんのデプス表を引用させていただきました。ご協力感謝です!

野手が不足しているポジションでいえば、22歳以下で支配下登録の内野手が黒川・入江のみと非常に手薄です。また、支配下登録の捕手は24歳の安田が最年少で、育成選手の水上・江川を含めても22歳以下がいません。

さらに、デプス表から完全に読み取ることは難しいですが一般的に長打力を求められる1、3塁を守る選手の長打力も不足しています。

まとめると、今回の補強ポイントは
・即戦力・素材問わず投手
・22歳以下の内野手
・22歳以下の捕手
・長打力のあるコーナーの野手
ということになります。

…詰まるところ、ほぼ全てが補強ポイントといって差し支えないのです。また、その中でも喫緊の課題は投手といっていいと思います。

1回のドラフトで全てのポイントを網羅しようとすると中途半端にもなりかねないので、いくつかに絞って指名していくのが得策でしょう。

2.実際の獲得選手

さて、上記を踏まえた上で2023年ドラフトの獲得選手を見てみましょう。

2023ドラフト 楽天の獲得選手一覧

そして、獲得した選手を反映させたデプス表がこちら。

こちらもましと(@mashito_7)さんのデプス表を引用。頭が上がりません

まず、1番の課題に挙げていた投手を5名獲得。

1位の古謝投手は大学日本代表にも選ばれた最速153㌔左腕。スカウトからも「早川のように即ローテーションに入って欲しい」との声がある通り、即戦力を期待しての指名です。

さらに、2位で坂井投手、3位で日當投手という上位の評価を受けていた高卒右腕を立て続けに指名したのは非常に上手かったのではないでしょうか。事前には予想できないようなファインプレーで、個人的には2〜3位の指名だけで100点に近い点数をつけたいです。この2人は好素材でありながら早期の戦力化も見込めるでしょう。

その他の指名としては、4位で高卒ショートのワォーターズ選手、8位で投打にポテンシャルのある青野選手(おそらく内野手としての獲得)と、つ22歳以下の内野手という補強ポイントを着実に埋めています。

5位の松田投手、7位の大内投手は年齢の違いこそあれど素材重視の指名で、投手陣をボトムアップしていこうという意志が感じられます。

6位の中島選手は、左打ちのコンタクトヒッターという楽天が育成できる唯一のジャンルです。大学日本代表であり、東都リーグの青山学院大学で1年秋からレギュラーを張るなど実績も十分です。同年齢、同ポジションの武藤選手が怪我がちなので、近年の楽天お得意の既存戦力にハッパをかける指名となりました。

つまり、前項で挙げた補強ポイントのうち、
・即戦力投手
・好素材の投手
・22歳以下の内野手
の3つを埋められたということになります。
また、高評価の選手を多く獲得することに成功しました。

3.補強できなかったポイント

楽天ファン目線で考えると、今年のドラフトは高評価であってもいいはずと思います。
特に、近年支配下獲得されることが少なかった高卒投手の好素材を多く獲得できたことが、ファンからの高評価を獲得する要因と推察されます。

では、なぜ他の記事の中では評価が低いのでしょうか。ここまで考えてきた補強ポイントという観点から考えると、埋まっていない補強ポイントを重視している執筆者の方が多いのではないでしょうか。

つまり捕手や大砲候補が獲得できなかったことが問題視されているということになります。ただ、捕手について言及されている記事は確認した限りではほとんどありません。太田、安田といった若手〜中堅の捕手を抱えているからでしょう。

大砲候補を獲得しなかった件について考察していきましょう。
まず、1番大きい要因は佐々木麟太郎選手の米国留学だと思います。おそらくプロ志望届が提出されていれば、入札していたでしょう。しかし、このプラン(邪推ですが)は崩れることとなり、喫緊の課題である投手補強に舵を切ったのではないでしょうか。

次に主な候補についてですが、広陵高校の真鍋選手に関しては当日に3位までに指名がなければ大学進学との情報が出ました。これに関しては、高卒投手で上位の素材である坂井、日當両投手の獲得を優先したのだと思います。

次に想定されるのは先日六大学通算20本塁打を達成した慶應大学の廣瀨選手、鹿児島城西の明瀬選手でしょうか。両選手に関しては、日當選手を獲得した前後で他球団が交渉権を獲得。4位まで残っていれば…というところですが、投手を強化したい楽天の1〜3位の指名は至極妥当なものだったと思います。

また、楽天が獲得した青野選手についても、充分なポテンシャルがあると思います。近年は下位指名からでも主力になるケースも増えていますし、期待したいところです。

そしてもう1つ。仮定の話になってしまいますが、来ドラフトは大卒の強打者が豊富ということで話題です。(青山学院大西川選手、大商大渡部選手など) 来ドラフトも含めての今回の戦略だとすれば、120点のドラフトだったと言える可能性もあると思います。

4.じゃあなぜ評価が低いの?

と、ここまで、理論的には間違えていないかな?と思うのですが、決定的な要因は別にあるかもしれません。

身も蓋もないのですが、楽天だけに注視していないだろう執筆者たちにとって、楽天の打線が派手さに欠けるのでしょう。

本塁打王の浅村を擁し、盗塁王の小深田、今季台頭して10本塁打を放った小郷、10本塁打付近を3年連続放った辰己、今季は不調でしたが実績のある島内や阿部などが並ぶ打線は、チームOPS、本塁打数でともに2位など、決して弱い打線ではありません。しかし、若手〜中堅にヤクルトの村上選手や巨人の岡本選手のような大砲がおらず、流し見ている程度では目に留まるバッターが少ないため、大砲候補が喫緊の課題!!!という結論に至ってしまうのではないでしょうか…。

5.これからの楽天イーグルス

これまで述べてきたように、例えベターな選択をしていても有識者各位に、どうしても評価されない楽天イーグルス。

しかし、ここ数年のドラフトでバランスが取れてきたこともあってか、今回のドラフトではスケールを重視したような指名が見られ、森井球団社長からも「評価している選手を上から獲得した」という発言があったように、ようやくある程度自由に好素材を獲得できる段階に来たと思います。

今季は4位に沈んでしまいましたが、今ドラフトで見せてくれたような方向性に進んでくれさえすれば、必ず強くなる!と信じています。

僕がいっても説得力があるのか、書き終えた今でもわかりませんが…ぜひ、来季以降の楽天イーグルスに注目いただけたら嬉しいなと思います。

ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました!

たけもと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?