日本社会の課題は少子化と高齢化と_あと氷河期世代もね

就職氷河期世代について考える

こんにちは、ナザレです。

就職氷河期世代をどうしていくか。
少子高齢化と同じくらい重要な問題だと思います。

政府も就職氷河期世代の支援に力を入れることを表明しています。
厚生労働省は、前年度当初予算の1.3倍の653億円を盛り込んでおり、すぐに就労につながる資格取得の支援や、ハローワークでの専門窓口の設置などを行うそうです。

そもそも、就職氷河期世代とは何なのかと言いますと、だいたい1970年から80年代前半生まれを指します。今は30歳代半ばから40歳代後半という、本来であれば働き盛りの年代です。
氷河期世代は社会に出るタイミングがバブル崩壊の時期と重なり、思い通りの就職ができなかったのです。企業が採用数を非常に少なくしてしまったことが原因です。

しかし、そういった経緯があるにも関わらず、氷河期世代は、自己責任論が蔓延し始めたせいで、努力しなかった世代だと思われるようになってしまったわけです。
「就職できなかったのは自分たちのせいだ」「自分の能力がないせいだ」と世間に誤解されるようになっていったのです。
なので、就職できなかった彼らを支援するような社会政策は行われませんでした。

その結果、氷河期世代は正社員になれないまま、派遣社員や契約社員などの非正規雇用に流れることになりました。
彼らはもう30代か40代になりましたが、年収は200万から300万くらい。
日本は、正社員かつ勤続年数に応じて給料が上がる仕組みが大半なので、非正規雇用のままだと年収が上がることはありません。
というか、下がる可能性の方が高い。
なぜなら、仕事もどんどん機械化し始めており、非正規雇用者が主に担当するような単純作業が機械にとられてしまうからです。
氷河期世代は、年収が上がるどころか、仕事がなくなるかもしれない状況に陥っているのです。

このままいくと、彼らは年金も少ないか全くない状態になってしまい、生活保護を受けることになることは想像に難くないと思います。
少子化も高齢化も大きな問題ではあります。
しかし、就職氷河期世代をこのまま放っておくと、第三の大きな問題となっていくでしょう。
政府が今更ながら支援に乗り出したのも、将来的な危機感を感じているからだと思います。

だったらどうするかという話ですが、なかなか良い案は出てきません。
氷河期世代を企業が積極的に採用し始めれば良いのですが、採用の自由がある以上、無理強いはできません。
そもそも、氷河期世代はずっと非正規雇用だったので十分なスキルを得ることができませんでした。
よって、企業が即戦力として採用したいような人材ではないのです。
氷河期世代と企業は、常にマッチングが難しい関係なのです。

そうなると、氷河期世代を企業が採用したくなるような人材に育てることが必要になってきます。
企業に対して、「スキルはないけど雇ってね」と国が命令しても、さすがにそれは横暴だと言われてしまいます。
なので、仕事能力のある人材に育成して、その上で「雇え」と言うしかないのだと思います。

就職市場はミスマッチが増えています。
人手不足が広がっているとのことですが、実際には人が余っている業界もあります。人がいない業界と、人が余っている業界があるわけです。
この「人がいない業界」に氷河期世代を就職させることが、一つの解決策なんじゃないかと思っています。

日本という社会が氷河期世代を生み出した、と私は思っています。
企業が新卒採用を少なくしたのは、既存の社員を守るためでもありました。
そして、その既存社員の子供たちは、売り手市場の就職活動を謳歌しています。
氷河期世代の犠牲の上に、今の生活が成り立っている人はたくさんいると思います。

よって、今こそ日本社会全体で、就職氷河期世代が幸せになれるような一手を模索していく必要があると感じています。

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