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2023/05/04

数字や文字は人を惑わせる、という話を聞いたことがあります。ピタゴラスだったか、言い伝えを文字に残さず伝承のみで伝えようとしていた数学者の話です。何かの雑誌のコラムで読んで、へぇーと興味をそそられました。実際に文字を禁止していた事を残す歴史的記録は多くありません。だって、文字とかで残せないんですもの笑。
でも実際にそういう言い伝えって本当にあって、文字や数字を嫌った人たちというのは存在したのです。現代においても、質が良いわけではないものの値段が高いのを見て、あたかも質が高いように見えてしまうことがあります。それこそ数字が人を惑わす、ということを顕著に表しているなと。
ピラミッドの壁画が平面的に描かれている理由は「神様を惑わせないため」です。昔から世界各地で「何かを記録として残すことの危険さ」を警戒していた痕跡は随所に残されているのです。

口頭で伝える言葉って単純なようで、凄く複雑かつ情報量が凄まじいんですよね。そういう「言う」「聞く」のコミュニケーションの総称をオーラルコミュニケーションというんですけど、その中でポライトネス理論というものが存在します。堅苦しい言葉を抜きにして言うと、「人と話す上で距離感は大事だよね」ってことです。その距離感を図って話すことをポライトネスと言いまして、これがオーラルコミュニケーションにおいてとても大切だと言われてます。
詳しく言うと、ポライトネスには2つの「フェイス(顔)」があると言われています。他人に理解されたい、褒められたいというプラス方向の欲求から来る「ポジティブフェイス」と、あまり関わりたくなかったり距離をとりたいといったマイナス方向の欲求による「ネガティブ・フェイス」です。この2つの「フェイス(顔)」を理解することがポライトネスというものなのです。

これにはFace Threatening Actというものが存在しまして、それの式がWx=D(S, H)+P(S, H)+Rxとされています。これ、なかなか面白いものでして「自分の意見を相手に、もしくはその逆のパターンで、意見の押し付けを行っていないかを確認するための式」なんです。説明すると、Wx=ある行為xが相手のフェイスを脅かす度合い、D(S, H)=話し手と聞き手との社会的距離、P(S, H)=聞き手と話し手の相対的権力、Rx=ある行為xの、特定の文化における押し付けがましさ。

わかりやすく書いたほうがいいですね。つまり……

意見押し付け度=距離感(どれだけ仲良いか)+パワー(上下関係とか力の差がないか)+何か相手の文化とか宗教とか否定してないか

ってことです。わかりやすいですね。

何が言いたいかというと、コミュニケーションって文字でも口頭でも難しいもので、昔を生きた人たちですらも扱いきれなかったものなのに、現代じゃコミュニケーションが容易になってしまったから困ったもんだなぁとふと思っただけです。それだけです。特に何かあったわけじゃないです。仕事戻ります。

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