暮れゆく人生の1日に

ふと目が覚めて時計を見る
まだ4時半
外は薄暗い
少し前までは4時を過ぎたら明るかったのにと気づく
毎日少しづつ明けるのが遅くなっている
昨日人間ドックの結果が来た
全部がA判定なんて時代が懐かしい
再検査もある
気をつけていても変わっていく肉体は
着実に終わりに向かって歩みを進めている
友達が愛車を泣く泣く廃車処分したと聞く
大事に大事に乗っていたから
素敵な赤いボディの流線型は美しいまま
修理に持っていく道の真ん中で
止まってしまった
もう少し乗ろうと思えばなんとかする事はできた
でもそれは延命処置に過ぎない
だから友達は揺れながら決心したという
そんな決心を僕の娘が僕に対してする日も来るのだろう
坂本龍一さんが逝った
美しい生き方で
美しい逝き方だった
できれば僕もそんな風に思われながら
消えていきたい

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