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踏みしめる秋

足元の落ち葉を踏む音が響く
英語ではその音をcrunch crunchと言うようだ
日本語だったらサクサクか
季節外れだがプールに飛び込む音はsplash
日本語だったらドボンとかバッチャーンとかか
そんなことを考えながら秋の終わりの公演を歩く
葉が落ちて見通しの良くなった木々の隙間から港が見える
見上げれば全体に広がるうろこ雲
肌に触る風は少し厳しく冷たい
巡る季節をあと何回と数えてみる
とても好きだったピアニストが病に侵され
見る月をあと何回と数えていたことを思い出す
その数は何回だったのだろう
自分が思った数だったのか
多かったのか少なかったのか
公園の隅にある遺構の説明を読みながら過去に思いを巡らせる
皆消えて行く
どんな形であれ皆消えて行く
そしてどこかで生まれる新しいもの
死と再生の物語は続く

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