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32/n シン・ ソーチェーンの4次元的変化 チェンソー、ソーチェーン(チェンソー用チェーン)、目立ての正しい理解

ソーチェーンサービスジャパン(略: SSJ)です。

SSJは当事業体の宣伝も兼ねて、タイトルの記事をシリーズ化してnote上に公開することにしました。本記事の内容はXアカウントのhttps://twitter.com/SSJP2023 固定ツイートで先行公開していますが、noteで公開する内容は、Xアカウントで公開中の資料 「4D Sawchain Study」の「 V.1.25」以降の内容となります。

4次元的変化…?

 置いておくだけで錆びたりすることではありません。カッターは逃げ角によって縦横共に後方に収縮していく形をしているので、使用と目立てを繰り返すごとにカッターが小さくなっていきます。これをSSJでは4次元的変化と呼びます。4次元的変化についてはスポットで各回で解説してきましたが、ここらで復習と、今まで解説していない点についてもまとめておきます。

カーフと重量の減少

 寿命が進むごとにナローカーフ化します。伴って重量も減っていきます。寿命が進むほど切削効率に最も優れた"ゾーン"に近付き、"ゾーン"を過ぎるとやがて離れていきます(パワーバランスで前後しますが、純正仕様だとカッターの寿命の5~6割の段階がゾーンの目安、と言われています)。

チェーンスピードの変化

カーフと重量が減るだけでなく、チェーンスピードも上がります。以下の動画で新品と寿命間近で、切る前も切っている最中も「寿命間近の方が高回転で回っている」というのが分かると思います。

話題脱線

 カッターの頂点に対する頭出しと水平視点角を固定=変化させないと考えると、カッターの消耗に合わせてトップエンドは丸ヤスリの高い位置に当たるようになる為、トップエンド部分の上刃切削角が寿命が近づくにつれてジワジワと鋭角化していきます(ベンチグラインダーの機械研ぎでは変わりません)。このことを意識していたり、疑問に思っているユーザーと出会ったことがないのと、自分でも再現し切れない為、鋭角になって切れ味は増すが脆くなるのはわかりますが、実際使った感触はどこまで変わるんだということは正直わかりません。
 さて、刃物のカーフや、エンジンに対する負荷の原理からすると、寿命に近付くに連れてどんどん切削効率が上がっていきそうですが、現実はそうではありません。"カーフと重量の減少"というアドバンテージに対して、消耗と共に変化して負荷を増やしている"であろう"要素を紹介します。であろう、というのは、ゾーンがあることや、ゾーンを超えて負荷を増やす正体や割合について、情報公開しているメーカーはありませんし、海外の研究機関でもまだ研究対象となっていません。「小さくなるから働きも小さくなるんだ」と簡単に済ませるのではなく、一歩踏み込んだ記事にしていきます。

アサリ幅とギャップの変化

"ゾーン"を抜けた後に引き続き、アサリ幅=カッターのカーフに対する、チェーンシャシーやバーボディとのギャップ が減っていくので、切り進む時にカッター以外の部分が材に触れて摩擦抵抗が上がる… と、言われていますが、そうだよなぁと思いながらも、STIHLのHEXAチェーン=ナローカーフに、3/8用ナローカーフバーは出ていませんし、325のナローカーフバーはメーカーごとにボディの厚みにバラつきがあることを考えると…材質と製造強度?ギャップが0より上で最低限取れていれば後は変わらないのか、一定の数値の間で広ければ広い方が良いのかというのは、メーカーレベルや研究機関でもハッキリと決着が付いていないようです。

トンネルの変化(チップフロー)


トンネル=カッターの内側

 デプスとガレットの間や、トンネルの中に切り屑が留まってしまうと、既にカッターが切り出したチップをもう1度切ってしまったり、カッターが新しいチップを切り出そうとしても、溜まっているチップのせいで余計な負荷が掛かってしまいます。トンネルが広いほどチップがスムーズに抜けて、キャリースペースにチップを貯めておけるのですが、カッターが消耗するほどトンネルは縦横で狭くなっていきます。寿命中デプスを維持し続けた場合はトンネルに比べてチップの厚みは変わらないのと、RPMでチップの長さが変わるとなると、負荷はどんどん上がっていくことになります。トンネル=トールカッターの設計思想は90PXと91PX、18HXと19HXに現れています。チップの抵抗力の参考になる動画と、チップフローについての過去回をのせておきます。集まっても仕方ないショッカーではなく、スタンド: ハーヴェストや、クリボー×増殖のコンボに通じる"チップ"の力を感じざるを得ません(あばれるくん)

アタックアングルの減少

軽くなり過ぎている⁉

チェーンスピードが上がる分より、質量の減りでエネルギーの総量が減っているのかもしれません。もしくはリンクのようなスピードによる切削面のスキップ(個人的にはこれが1番怪しいと思います。押し付けで解決?)が起きているのかもしれません。?と思うかもしれませんが、切削面はカッターのジャンプの軌道で凸凹になっています。残念ながら物理の式を組み立てるほどの学力が無いので、将来この記事を読んで計算してくれる方が現れることに期待します。できないことはできません。


参考: カッターの消耗とボアカット

つまりどうしろと…?

変化しているものにはこちらも変化を…
選択肢の参考になる資料を掲載しておきます。

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