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20/n シン・結局どれがどうなのセミチゼル、フルチゼル、スクエアカッター、ナローカーフ チェンソー、ソーチェーン(チェンソー用チェーン)、目立ての正しい理解

ソーチェーンサービスジャパン(略: SSJ)です。

 SSJは当事業体(2024年2月スタート予定)の宣伝も兼ねて、タイトルの記事をシリーズ化してnote上に公開することにしました。本記事の内容はXアカウントのhttps://twitter.com/SSJP2023 固定ツイートで先行公開していますが、noteで公開する内容は、Xアカウントで公開中の資料 「4D Sawchain Study」の「 V.1.25」以降の内容となります。


セミチゼル、フルチゼル、スクエアカッター、ナローカーフ

 スキップチェーンやチップフロー、デプスゲージ、ソーチェーンの寿命中の変化、ピッチ、ゲージ、セミチゼル vs マイクロチゼルなど、書きたいネタは他にも溜まっているのですが(ガイドバーやドライブスプロケット、チェーンオイルは副次的に盛り込んでいきます)、SSJがあれがどうだと言うだけでなく、タイトルのことらに対しての、メーカー公式発表の客観的で具体的な情報(と、業界の裏事情)をこの回で集めておきます(「あとは君の眼で確かめてくれ」と、ファミコンの攻略本のようなことはなるべくしたくないです)。尚、SSJではバーやチェーンのどのモデルが何gなどの「重量」に関する情報を持っていませんのであしからず、です。

セミチゼル vs フルチゼル=15%()

 19/nでも引用したスチールのカナダの公式ページです。19/nでは「セミチゼルとフルチゼルで切削効率が15%変わります」の裏事情や、Vallorbeのテスト結果との相違はパワーバランス(本体のパワー不足)が原因だろうという推測でしたが、1つ忘れてました。バンパードライブリンクについてです。

PS3 vs PM3 =15%の記載がありますが、PS3 vs PS=の記載はありません


フルチゼルのチゼルオンチゼルは8/nの後半をどうぞ。

 PSの欄で使われている「extremely」と「excellent」が、PS3との比較で公に出せるギリギリの表現なのだと思います。ドライブリンクのバンパーの有無は確実に切削効率にも影響するのですが、チップフロー(CF)がオーバーフロー(OF)する時以外は大して問題になりませんし、純正仕様時点ではバー長やバーマウント、ドライブスプロケットの展開によってOFしないように2重、3重のセーフティーネットになっています。ドライブリンクバンパーはチェーンが新品の時は突っ込み切りで摩擦抵抗を増やしてくる存在ですが、カッターが減って来た時は逆に噛み込み量を抑えてくれるバランサーでもあることにも留意しておかなければなりません。
 また、ヘキサチェーンで10% Fasterを大々的に宣伝している事情を考えると、バンパーの有無で変わる切削効率はせいぜい5%ぐらいと言ったところでしょうか。尚、ヘキサチェーンの10% Fasterは正六角形の60度(鈍角化)とナローカーフ+ガレッドが合わさった結果だと思います。わざとわかりにくく書いてます。SSJでもヘキサチェーンの形を技術的にベンチグラインダーで作れますが、結局元のジオメトリーのナローカーフはどうしようもなく「ユーザーが損をするだけ」なのでサービスには含んでいません。

10%


ヘキサチェーン=ナローカーフ vs RS

フルチゼル vs スクエアカッター=10-15%()

10-15%

 さて、スクエアカッターが通常のフルチゼル(角刃)に比べて、どれぐらい切削効率に優れるかというのを、公式で数字で発表しているソーチェーンメーカーはありません。といってもスクエアカッターのチェーンを製造しているのはオレゴンとスチールのみですが(FasterやFastestという表記はあります)。ここでソースとして紹介しているのはMadsenというアメリカのプロチェンソーショップです。今はどうかわかりませんが、このショップはOregon Toolの営業、技術、本社ともに非常に近い関係を持っており、公開している内容には、以前は一時的に公開されていた「現在の非公開情報」が含まれているので、この10-15%も恐らく「内部情報」として「当時のOregon側」から提供されたものと思います(2015年頃からOregonでは%表記を大々的に公開しないようになりました)。「most saw」という語句も個人的には好きです。SSJでは林業従事者やアーボリスト、特殊伐採業者の為に3/8のスキップチェーン(スクエアカッター)の販売と、ベンチグラインダーによるスクエアグラインドサービスを行う予定です。

ナローカーフ=10% UP

ドイツのPowerstoreというDealerのサイトです。もう既にオンライン上から消えてしまった当時のメーカー公式情報を間接的に公開しています。

ナローカーフ=燃料消費10
% DOWN...切れ味10% UP?


95VP vs 95VPX = X Grind = 上刃切削角=ジオメトリー = 10% UP

但し、ナローカーフの中でも、同じピッチ&ゲージでも"ナロー"の程度には差があります。狭ければ狭い程良い…かというと…?

95TXL vs 95VPX

 ガレットとマウントボリュームの違いのなのですがソースを紛失してしまいました… ですが、BPやVPが廃止されてBPXやVPXに置き換わった時と同様、10%以上の違いが… Gullity of Treesonでは15%だとかなんだとか信じるか信じないかは

RS Pro=15-20% UP()


Up to 20% better= 最大20% UP

 RS Proで最大20%UPというスチール公式情報ですが、"*"が付いた比較対象が"Previous Sawchain"ということで、23なのか26なのか、RMかRSなのか、3が付くのか付かないかがハッキリしません。正直に考えればSP33Gや95TXLと、20BPXの中間のカーフの最新の23RSのことだと推測されますが、「20%」というとナローカーフどころかピッチまで変えたんじゃないかと思ってしまうほどです。マーケティング的な表現だなと思ったのでもう少し調べてみました。
 Forestry.comという国籍不明のサイトですが、内容は合点がいくものでした。


アッパーカット=20%UP、普通のカット(恐らく玉切り)=15%UP

 「スチールの自社テストによると~…」ということなので、Forestry.comはSTIHLの内部情報を手に入れているようです(尚、こういうことを了解無しに勝手に書いたり、いい加減に書くとSTIHL側からすぐ圧力が掛かります)。RS ProはSP33Gや95TXLより、カーフがさらに狭いナローカーフなので、23RSから+10%、デプスの内側のチップのキャリースペースの拡張もあって15% UPというのは有り得る数値です。アッパーカットの+20%というのはナローカーフでチェーン全体の重量も軽くなるので、カッターのジャンプがしやすくなって+20%というのも合点がいきます(なぜ詳細を隠すのかがよくわかりませんが)。角度についてもと思いましたが、手元にRS Proがないのであしからず、です。

まとめ %

フルチゼルvsセミチゼル=15%
ドライブリンクバンパー=5%
STIHL 3/8 ヘキサチェーン=ナローカーフ
上刃切削角=10%(考慮必要無)
スクエア=10-15%
ナローカーフ=10%
ガレット=10-15%
RS Pro=15-20%

ピッチも含めたチップフローを抜きにして単純に考えると、バーのピッチとマウントの展開に合わせてRS proやヘキサチェーン、61PSをベースにスクエア化してガレット処理も行うのが最速チェーンとなります。但し、セミチゼルやマイクロチゼルでも、メーカー資料や講習会どおりの目立て以外の方法で、新品のフルチゼルより速く切れるようにすることは十分可能です。

80TXL vs


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